概要:
この講義は、明治期から大正期の日本の思想や文化についての知識を得るとともに、関連する資料の読解を通して、言語表現の読解力、思考力を向上させ、社会とかかわる上でのコミュニケーション力を養う科目である。
授業の進め方・方法:
明治期以降の日本の文学を漢学との関連から学んでいく。ここでの「文学」は、評論なども含めた幅広いジャンルの言説を含むものとし、また、「漢学」も中国と関連のある思想や文化を幅広く含むものとする。具体的には、夏目漱石に焦点をあてて進めていく。授業は基本的に講義形式で行い、また予習として授業で取りあげる資料を事前に読んでくることを課す。
加えて以下の自学自習を60時間以上行うこととする。
・授業時間に指定した小説作品を予め読んでくる。
・小説の書誌や作者などについて、調査を行う。
・毎回のプリントで復習をする。
・関連する小説作品や評論などを読む。
注意点:
図書館を利用して関連する本を読み、積極的に疑問を投げかけてほしい。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 中国思想の概説 |
授業の目標と概要を把握する。 日本に影響を与えた中国思想を概説する。
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2週 |
日本に影響を与えた中国思想①諸子百家 |
中国の春秋戦国時代に活躍した諸子百家について、儒家と道家を中心に理解する。
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3週 |
日本に影響を与えた中国思想②儒学(朱子学) |
日本の近世社会に大きな影響を与えた朱子学についての知識を得る。
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4週 |
日本に影響を与えた中国思想➂儒学(陽明学) |
日本の近世社会に大きな影響を与えた陽明学についての知識を得る。
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5週 |
日本に影響を与えた中国思想④老荘思想 |
老荘思想について知るとともに、日本との関わりについての知識を得る。
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6週 |
日本に影響を与えた中国思想⑤仏教概説 |
仏教についての大まかな知識を得る。
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7週 |
日本に影響を与えた中国思想⑥仏教(禅) |
禅について知るとともに、日本との関わりについての知識を得る。
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8週 |
中間試験 |
これまで学んだ知識が定着しているかを試験を行い確認する。
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2ndQ |
9週 |
夏目漱石概説① |
夏目漱石について、基本的な知識を得る。
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10週 |
夏目漱石の経歴①明治初期の教育との関わりから |
夏目漱石の経歴をもとに、明治初期の教育制度を理解する。
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11週 |
夏目漱石の経歴②参禅の流行との関りから |
夏目漱石の参禅を参考に、明治期における禅の意義についての知識を得る。
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12週 |
夏目漱石の作品と中国思想①儒学との関わり |
夏目漱石の作品を読み、儒学の影響を考える。
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13週 |
夏目漱石の作品と中国思想②老荘思想との関わり |
夏目漱石の作品を読み、老荘思想の影響を考える。
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14週 |
夏目漱石の作品と中国思想➂禅との関わり |
夏目漱石の作品を読み、禅の影響を考える。
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15週 |
夏目漱石と同時代の中国 |
夏目漱石の作品や評論などを読み、当時の日本知識人が持っていた中国観を考える。
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16週 |
期末試験 |
授業内容を理解しているかを試験を行い確認する。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 国語 | 国語 | 論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。 | 3 | |
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。 | 3 | |
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。 | 3 | |
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。 | 3 | |
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。 | 3 | |
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。 | 3 | |
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。 | 3 | |
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。 | 3 | |
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。 | 3 | |
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。 | 3 | |
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。 | 3 | |
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。 | 3 | |
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。 | 3 | |
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。 | 3 | |
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。 | 3 | |