材料力学Ⅲ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 材料力学Ⅲ
科目番号 116978 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 台丸谷政志,小林秀敏著,基礎から学ぶ材料力学,森北出版/日本機械学会,JSMEテキストシリーズ 材料力学,日本機械学会
担当教員 當摩 栄路

到達目標

1) 引張,せん断と捩りおよび曲げについての基礎事項を確認し理解を深め演習課題を解くことができる.総じて弾性体と剛体,ばねの違いを説明できる.
2) 高度な課題への対応のため塑性・粘弾性・異方性について理解し,説明ができ,問題を解くことができる.
3) 設計技術として重要な有限要素法について学習し,説明ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1  引張,せん断と捩りおよび曲げについての基礎事項を確認し理解を深め演習課題を解くことができる.総じて弾性体と剛体,ばねの違いを説明できる. 引張,せん断と捩りおよび曲げについての基礎事項を確認し理解を深め演習課題を解くことができる.総じて弾性体と剛体,ばねの関係について説明できる.引張,せん断と捩りおよび曲げについての基礎事項を理解して,弾性体と剛体,ばねについて説明できる.引張,せん断と捩りおよび曲げについての基礎事項を理解せず,弾性体と剛体,ばねについても説明できない.
評価項目2 高度な課題への対応のため塑性・粘弾性・異方性について理解し,説明ができ,問題を解くことができる. 塑性・粘弾性・異方性について理解し,説明ができ,問題を解くことができる.塑性・粘弾性・異方性について理解し,説明ができる. 塑性・粘弾性・異方性について理解できず,説明もできない.
評価項目3 設計技術として重要な有限要素法について学習し,説明ができる.有限要素法について理解し説明ができる.有限要素法について理解できる.有限要素法について理解できず,説明もできない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
軸力(引張りと圧縮荷重,熱荷重),せん断力,ねじりトルク,曲げ荷重を受ける真直棒の応力と変形の評価方法を学習する.また,ひずみエネルギーによる変形解析方法の拡張,単軸問題から二次元問題への次元の拡張を行なう.また,実務における高度な課題への対応のため塑性・粘弾性・異方性について学習する.更には設計技術として重要な手法となっている有限要素法について学習し,将来ものづくりで出会う問題への対応能力を確かなものにすることを目標とする.
授業の進め方・方法:
機械設計の基礎となる材料力学の高度な専門知識を習得するために,この学年では総まとめとして理論と力学計算を学習します.材料力学では一般的に文字による理論式に数値を代入して計算を行います.
注意点:
 演習問題を計算するため,電卓を持参すること.また,引張り圧縮,ねじり,曲げに対する応力,ひずみ,変形評価が基礎になる.実力養成には課題で自学自習に取り組むことが重要で,課題内容により目標達成を評価し,達成されていない場合には再提出を求める.また,課題の取り組みには,数学の力が必要であり,適宜復習が必要である.
JABEE学習・教育到達目標評価 : 定期試験(D-iv,E-ii,F-i,40%),小テスト(D-iv,E-ii,F-i,40%),課題・演習(D-iv,Eii,F-i,20%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. 材料力学の総括と演習
1-1 引張,捩り,曲げ 応力とひずみ(変形)
引張,捩り,曲げ 応力とひずみについて理解し計算できる.
2週 1. 材料力学の総括と演習
1-1 引張,捩り,曲げ 応力とひずみ(変形)
引張,捩り,曲げ 応力とひずみについて理解し計算できる.
3週 1. 材料力学の総括と演習
1-2 はりの変形
はりの変形について理解し計算できる.
4週 1. 材料力学の総括と演習
1-2 はりの変形
はりの変形について理解し計算できる.
5週 1. 材料力学の総括と演習
1-3 カスティリアの定理
カスティリアの定理について理解し計算できる.
6週 1. 材料力学の総括と演習
1-4 長柱の座屈
長柱の座屈について理解し計算できる.
7週 1. 材料力学の総括と演習
1-5 組合せ応力
組合せ応力について理解し計算できる.
8週 1. 材料力学の総括と演習
1-5 組合せ応力
組合せ応力について理解し計算できる.
2ndQ
9週 演習 これまでの内容について総合的に理解し計算できる.
10週 2.塑性・粘弾性・異方性
 2-1 塑性
 2-2 粘弾性
塑性,粘弾性について理解し計算できる.
11週 2.塑性・粘弾性・異方性
 2-2 粘弾性
 2-3 異方性
粘弾性,異方性について理解し計算できる.
12週 3.有限要素法
 3-1 関数近似(内挿関数,変位関数)
関数近似(内挿関数,変位関数)について理解し計算できる.
13週 3.有限要素法
 3-2 一次元棒の有限要素法
一次元棒の有限要素法について理解し計算できる.
14週 3.有限要素法
 3-3 一次元はりの有限要素法
一次元はりの有限要素法について理解し計算できる.
15週 3.有限要素法
 3-4 構造解析演習
これまでの内容について総合的に理解し計算できる.
16週 定期試験 これまでの内容について総合的に理解し計算できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。4前1
力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4前1
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4前3
仕事の意味を理解し、計算できる。4前5
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4前5,前12
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4前5
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4前1
応力とひずみを説明できる。4前1
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4前2,前12
許容応力と安全率を説明できる。4前2
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。4前2
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4前2
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4前2
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4前2
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4前2
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4前3
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4前3
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4前3
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4前3,前4
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4前3,前4
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4前3,前4
多軸応力の意味を説明できる。4前7,前8
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。4前7,前8
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4前5,前13
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4前5,前14
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。4前5,前15

評価割合

試験小テスト課題・演習態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合4040200000100
基礎的能力202010000050
専門的能力202010000050
分野横断的能力00000000