概要:
実験を通して物理現象を実体験として理解し,自然に対する関心や探究心を高める.
情報の収集,実験の計画、実験による検証,実験データの分析・解釈など科学的に探究する方法を習得する.
物理法則に基づいて論理的に思考し,物理現象を定量的に分析する力を養う.
2学年物理Bでは波動を扱う.
この科目は釧路工業高等専門学校数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)構成科目のひとつである.
授業の進め方・方法:
演習や試験問題によっては電卓が必要です.数値化,図示をする場合は約束事(授業で指示)をふまえた表現が必要です.
予習として教科書を熟読してください.
復習として授業中に解いた問題を自身で解きなおす習慣を身に着けてください.
用語や記号を覚えてしまうことで,授業の内容の理解も早まります.
授業は,新しい概念を得るだけでなく,誤った概念や先入観を正す場です.
実験では危険が伴う場合があるので,安全意識を持ち十分に注意をしながら行うようにすること.
レポートの提出期限は必ず守ること.
合否判定:4回の定期試験(75%),その他の課題(レポート,小テスト等)(25%)で評価し,満点の6割以上であること.ただし,実験レポートが提出されていない場合については他の評価項目に関わらず不合格とする.
最終評価:合否判定と同じ.
再試験は,定期試験で60点に満たなかった範囲の試験を受け,60点以上であれば合格.
再試験で合格した者の最終評価は60点とする.
注意点:
前関連科目:物理(1年),関連科目:物理A(2年),後関連科目:応用物理 I(3年)
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
数値の科学表記ができる.
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2週 |
波の伝わり方,基本式 |
波が進む様子を図示できる.波の基本式で波の速度を算出できる.
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3週 |
y-xグラフとy-tグラフ,波の変位を表す式 |
波の伝播,媒質の振動の様子をグラフを用いて説明できる.波を表すグラフから,波に関する基本的な物理量を導出できる.波の変位を表す式とグラフの関係が説明できる.
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4週 |
波の位相,波面 |
同位相と逆位相の違いについて説明できる.波面について説明できる.
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5週 |
縦波と横波 |
縦波と横波を図示できる.縦波と横波の具体例を挙げられる.
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6週 |
波の重ね合わせ |
波の干渉を図示できる.
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7週 |
波の反射(固定端,自由端) |
波の反射を図示できる.
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8週 |
前期中間試験:実施する |
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2ndQ |
9週 |
定常波 |
定常波を図示できる.定常波の節と腹について説明できる.
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10週 |
波動としての音 |
音の三要素を述べる事が出来る.音の反射,回折,屈折,干渉の例を挙げられる.
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11週 |
固有振動と共振 |
固有振動と共振について具体例を挙げて説明できる.
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12週 |
両端を固定した弦の定常波 |
弦の固有振動数を算出できる.
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13週 |
両端を固定した弦の定常波 |
弦の固有振動数を算出できる.
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14週 |
両端を固定した弦の定常波の実験 |
測定機器,実験器具を正しく取り扱い,弦の定常波の実験ができる.測定した結果を理論や法則にのっとって分析・解釈し,考察を行うことができる.
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15週 |
音波の干渉 |
音波の干渉について説明できる.
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16週 |
前期期末試験:実施する |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
固有振動と共振 |
気柱の固有振動数を算出できる.
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2週 |
固有振動と共振 |
気柱の固有振動数を算出できる.
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3週 |
気柱の共鳴の実験 |
測定機器,実験器具を正しく取り扱い,気柱の共鳴の実験ができる.測定した結果を理論や法則にのっとって分析・解釈し,考察を行うことができる.
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4週 |
ドップラー効果 |
ドップラー効果による振動数の変化を算出できる.
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5週 |
ドップラー効果 |
ドップラー効果による振動数の変化を算出できる.
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6週 |
ホイヘンスの原理 |
ホイヘンスの原理について説明できる.
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7週 |
波の回折,反射,屈折 |
波の回折,反射・屈折の法則について説明できる.
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8週 |
後期中間試験:実施する |
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4thQ |
9週 |
光の反射と屈折 |
屈折角を算出できる.
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10週 |
光の反射と屈折 |
プリズムを通った光の進路を算出できる.
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11週 |
ガラスの屈折率の測定の実験 |
測定機器,実験器具を正しく取り扱い,ガラスの屈折率の実験ができる.測定した結果を理論や法則にのっとって分析・解釈し,考察を行うことができる.
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12週 |
光の性質 |
光の分散,偏光を説明できる.
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13週 |
光の干渉,回折 |
ヤングの干渉実験や回折格子を用いた実験の結果から光の波長を算出できる.
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14週 |
光の干渉,回折 |
ヤングの干渉実験や回折格子を用いた実験の結果から光の波長を算出できる.
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15週 |
幾何光学・レンズ |
レンズの公式を用いて焦点距離,像の位置,倍率を導出できる.
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16週 |
後期期末試験:実施する |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 3 | 前2,前3 |
横波と縦波の違いについて説明できる。 | 3 | 前5 |
波の重ね合わせの原理について説明できる。 | 3 | 前6,前7,前9 |
波の独立性について説明できる。 | 3 | 前6 |
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 3 | 前15,後13,後14 |
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。 | 3 | 前9 |
ホイヘンスの原理について説明できる。 | 3 | 後6 |
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。 | 3 | 後7,後9,後13,後14 |
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。 | 3 | 前13,前14 |
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。 | 3 | 後1,後2,後3 |
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 | 3 | 前11,前12 |
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。 | 3 | 後4,後5 |
自然光と偏光の違いについて説明できる。 | 3 | 後12 |
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。 | 3 | 後9,後10,後11 |
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。 | 3 | 後12 |
物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 3 | 前14,後3,後11 |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 3 | 前14,後3,後11 |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 3 | 前14,後3,後11 |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 3 | 前1,前14,後3,後11 |
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 前14,後3 |
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 後11 |
工学基礎 | 工学実験技術 | 工学実験技術 | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | 前14,後3,後11 |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | 前14,後3,後11 |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | 前14,後3,後11 |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | 前14,後3,後11 |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | 前14,後3,後11 |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | 前14,後3,後11 |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | 前14,後3,後11 |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | 前14,後3,後11 |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | 前14,後3,後11 |