概要:
物理現象を実体験として理解し,それを通史的,数式的にとらえる能力を養う.
科学的思考力を養うとともに,学ぶことの楽しさを実感してもらいたい.
3学年では2学年に履修した物理の中で扱った熱分野の続きである熱力学と,そのほかに電磁気学,微積分を用いた物理,剛体の運動を扱う.
前期前半:熱力学
前期後半:電場,電位
後期前半:抵抗,コンデンサーとその回路
後期後半:微積分を用いた物理.剛体の運動
授業の進め方・方法:
後期後半で扱う「微積分を用いた力学」「剛体」に関しては,教科書ではなく講義資料を配布します.
演習や試験問題によっては関数電卓が必要です.
数値化,図示をする場合は約束事(授業で指示)をふまえた表現が必要です.
予習として教科書を熟読してください.
復習として授業中に解いた問題を自身で解きなおして下さい.
【合否判定】定期試験(4回)80%,その他の課題(小テスト,レポート等)20%の合計平均が60点以上を合格とする.
【再試験】得点率が6割未満の範囲の再試験で60点以上を合格とする.
【最終評定】合否判定と同じ.ただし再試験で合格した場合は60点とする.
【前関連科目】物理(1年,2年)
【後関連科目】応用物理II(4年)
注意点:
用語や記号を覚えてしまうことで,授業の内容の理解も早まります.
授業は,新しい概念を得るだけでなく,誤った概念や先入観を正す場です.
皆さんの楽しい雰囲気,活発な発言が内容を豊かにします.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
熱平衡,絶対温度などについて,原子や分子の運動に基づいて説明できる.
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2週 |
気体分子運動論 ,気体の内部エネルギー(「熱・波動」p.40-) |
気体分子の運動に基づいて,気体の圧力,温度を説明できる.理想気体の内部エネルギーを計算できる.
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3週 |
熱力学第1法則(p.52-) |
熱力学第1法則を用いて,気体のする仕事や内部エネルギー変化等を計算できる.
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4週 |
気体の状態変化(p.58-) |
定積変化,定圧変化,等温変化,断熱変化について,p-v図に表すことができる.
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5週 |
モル比熱(p.65-) |
モル比熱を計算できる.
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6週 |
熱機関 (p.70-) |
熱機関について理解し,熱効率を求めることができる.
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7週 |
エントロピー(p.76-) |
エントロピーについて,説明することができる.
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8週 |
前期中間試験:実施する |
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2ndQ |
9週 |
電荷,電流(「電磁気・原子」p.10-,p.62-) |
自由電子の密度と速度から電流を求めることができる.
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10週 |
電位と電場(p.30-) |
電位,電圧,電場,静電気力の関係を求めることができる.
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11週 |
自由電子の運動とオームの法則(p.63-) |
電荷の等速度運動から導電率や電力を求めることができる.
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12週 |
コンデンサー(1)(p.48-) |
コンデンサーに蓄えられる電荷,エネルギーを算出できる.
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13週 |
直流回路(1)(p.75-) |
キルヒホッフの法則を用いて,合成抵抗を算出できる.
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14週 |
直流回路(2) |
コンデンサーの合成容量を算出できる.
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15週 |
直流回路(3) |
キルヒホッフの法則を用いて,直流での抵抗・コンデンサー回路の計算ができる.
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16週 |
前期期末試験:実施する |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
静電気力(p.11-) |
クーロンの法則を用いて,直線上の電荷間にはたらく力を算出できる.
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2週 |
電場(1)(p.17-) |
クーロンの法則を用いて,平面内の電場を算出できる.
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3週 |
電場(2) |
電気力線を図示できる.
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4週 |
電場(3) |
ガウスの法則を用いて,対称性の高い電場を求めることができる.
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5週 |
コンデンサー(2)(p.54-) |
誘電体の挿入されたコンデンサーの電気容量を求めることができる.
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6週 |
電位(1)(p.36-) |
等電位面を図示できる.
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7週 |
電位(2) |
平行極板間の電位,点電荷周辺の電位を求めることができる.
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8週 |
後期中間試験:実施する |
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4thQ |
9週 |
微積分を用いた力学(1) |
微積分を用いて物体の位置,速度,加速度を求めることができる.
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10週 |
微積分を用いた力学(2) |
力を積分することで仕事,位置エネルギーを求めることができる.
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11週 |
微積分を用いた力学(3) |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる.
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12週 |
質点の円運動と角運動量 |
角運動量を求めることができる.
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13週 |
剛体の重心 |
剛体の重心を求めることができる.
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14週 |
剛体の慣性モーメント |
剛体の慣性モーメントを求めることができる.
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15週 |
剛体の回転運動
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定滑車の回転運動の加速度を算出できる.
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16週 |
後期期末試験:実施する |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 物理 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 3 | 後13 |
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。 | 3 | 後13 |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 3 | 後13 |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 3 | 後13 |
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。 | 3 | 後13 |
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | 後15 |
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | 後15 |
慣性の法則について説明できる。 | 3 | 後13 |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 3 | 後15 |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 3 | 後15 |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 3 | 後14 |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 後14 |
力のモーメントを求めることができる。 | 3 | 後10 |
角運動量を求めることができる。 | 3 | 後11 |
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。 | 3 | 後12 |
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。 | 3 | 後10 |
重心に関する計算ができる。 | 3 | 後9 |
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。 | 3 | 後11 |
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。 | 3 | 後12 |
熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 3 | 前1,前2 |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 3 | 前1 |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 3 | 前4,前5 |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 3 | 前4,前5 |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 3 | 前1 |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 3 | 前4 |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 3 | 前2,前3 |
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 3 | 前3 |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前6,後2 |
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 3 | 前7 |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 3 | 前6 |
電気 | 導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。 | 3 | 前9,後1 |
電場・電位について説明できる。 | 3 | 前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3 |
クーロンの法則が説明できる。 | 3 | 前9 |
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。 | 3 | 前9,前10 |
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。 | 3 | 後4,後6,後7 |
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。 | 3 | 後5,後6,後7 |
ジュール熱や電力を求めることができる。 | 3 | 後6,後7 |