到達目標
連立1次方程式の解の存在判定ができ,解を求めることができる.
行列式の基本的性質を使って,行列式の計算ができる.
ベクトル空間の基底と次元を求めることができる.
行列の固有値・固有ベクトルを求め,行列の対角化ができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 連立1次方程式の解の存在判定及びその解を求めることができ,様々な場面で応用できる. | 連立1次方程式の解の存在判定ができ,解を求めることができる. | 連立1次方程式の解の存在判定ができない.連立1次方程式の解を求めることができない. |
評価項目2 | 行列式の基本的性質を使って,複雑な行列式の計算ができる. | 行列式の基本的性質を使って,行列式の計算ができる. | 行列式の計算ができない. |
評価項目3 | ベクトル空間の基底と次元を求めることができ,様々なベクトル空間に応用できる. | ベクトル空間の基底と次元を求めることができる. | ベクトル空間の基底や次元を求めることができない. |
評価項目4 | 行列の固有値・固有ベクトルを求めることができる.行列の対角化ができ,2次形式の標準形などに応用できる. | 行列の固有値・固有ベクトルを求めることができる.行列の対角化ができる. | 行列の固有値・固有ベクトルを求めることができない.行列の対角化ができない. |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 C
説明
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JABEE c
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教育方法等
概要:
「大学編入や高専専攻科進学を目指す学生」および「継続して数学を深く学びたい学生」を対象に,工学系の大学1年生が学ぶ内容と同程度の線形代数学(行列と行列式,ベクトル空間と線形写像,行列の固有値と三角化・対角化)の基本的な講義を行う.
授業の進め方・方法:
【授業の進め方】
講義形式で授業を行い,授業内の適当なところで理解を深めるためのレポート課題を課すことがある.
また,理解を深めるための問題演習を適宜支持するので,受講者各自で問題演習を「授業時間外」で実施すること.
(注)本講義の一部を「遠隔講義」で実施する場合がある。
【授業内容・方法,受講の際の注意】
・工学系の大学1年生が学ぶ内容と同程度の線形代数学を授業の内容とする.本科目では,数学の専門的な理論を背景に
した,かなり高度な内容も含まれる.単に計算ができるだけでなく,その意味についても理解できるように努める
必要があるため,授業の復習を必ず毎回行うこと.
・2年対象の授業科目:数学B(ベクトル,行列)の基礎知識を必要とする.
【成績評価方法】
・本科目における受講者の成績は,(定期)試験の結果(4回)の平均点で評価される(100%).ただし,講義の一部を「遠隔講義」とする場合には,試験による評価に加えて,レポート課題による評価を行うこともある.
・(定期)試験等による結果の平均点が60点以上の場合を合格とする.その場合,レポート課題への取り組みを考慮して,10%までの範囲で評価を加減する.なお,本科目では再試験を行わない.
注意点:
この科目は進級・卒業に必要な単位数に含まれない選択科目である.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
行列とその演算 |
行列の積演算を中心に,様々な行列計算ができる.
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2週 |
行列の転置,逆行列,行列の分割 |
行列の転置行列の性質を使って,任意の行列を対称行列と交代行列の和で表せる.
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3週 |
連立1次方程式と行列の行基本変形,階段行列 |
基本行列の積の仕組みを理解し,行列の行基本変形ができる.
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4週 |
行列の行基本変形と階段行列,行列の階数 |
行列の行基本変形によって,与えられた行列を階段行列に変形でき,行列の階数を求めることができる.
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5週 |
連立1次方程式の解法1(解の存在判定) |
連立1次方程式の係数行列と拡大係数行列の階数を求め,解が存在するかどうかを判定できる.また,連立1次方程式を掃き出し法で解くことができる.
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6週 |
連立1次方程式の解法2(解の自由度) |
連立1次方程式の解が無数に存在するかどうかを調べることができ,解の自由度を求めることができる.
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7週 |
同次連立1次方程式の解法(基本解と一般解) |
同次連立1次方程式の基本解を求めて,その一般解を求めることができる.
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8週 |
前期中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
逆行列の求め方(掃き出し法) |
掃き出し法によって,行列の正則判定およびその逆行列を求めることができる.
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10週 |
行列式の定義,順列とその転倒数 |
順列の転倒数を計算でき,行列式の計算に応用することができる.
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11週 |
行列式の基本的性質と計算 |
行列式の基本性質を使って,高次数の行列式を低次数の行列式に帰着させて,行列式の計算を実行できる.
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12週 |
行列式による行列の正則判定 |
行列式を計算により,行列の正則性を判定できる.
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13週 |
転置行列の行列式 |
転置行列の行列式が持つ性質によって,列基本変形を使った行列式の計算ができる.
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14週 |
行列式の展開 |
行列式の余因子展開ができる.また行列の余因子行列を求めることができる.
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15週 |
ベクトルの1次独立性,1次従属性 |
ベクトルの組が1次独立であるか1次従属であるかを判定できる.1次従属のときに,非自明な1次関係を与えられる.
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16週 |
前期期末試験 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
ベクトル空間とその部分空間 |
ベクトル空間の定義を理解し,ある部分集合が部分空間であるかどうかの判断ができる.
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2週 |
ベクトル空間の基底と次元 |
ベクトル空間内のあるベクトルの組が,基底であるかどうかを判断できる.解空間の基底と次元を求めることができる.
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3週 |
ベクトル空間の基底の構成,基底に関するベクトルの座標 |
ベクトル空間の基底を構成できる.また,ベクトル空間の基底に基づくベクトルの座標を求めることができる.
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4週 |
線形写像とその表現行列 |
ベクトル空間の間の写像が線形写像であるかどうかを判断できる.また,線形写像の表現行列を求められる.
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5週 |
線形写像の像と核,次元定理 |
線形写像の像と核を求めることができ,それらの次元を求められる.
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6週 |
ベクトルの内積 |
ベクトルの内積の計算ができ,与えられたベクトルの組が正規直交系であること判断できる.
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7週 |
Gram-Schmidtの正規直交化法 |
与えられたベクトル空間の基底から,正規直交基底を構成することができる.
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8週 |
後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
直交補空間 |
内積空間の部分空間の直交補空間を求めることができる.
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10週 |
行列の固有値と固有ベクトルの定義 |
行列の固有多項式を構成することができ,行列の固有値を求められる.また,各固有値に対する固有ベクトルと固有空間を求めることができる.
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11週 |
行列の三角化と対角化 |
行列の三角化と対角化の定義を理解し,これらに必要な基礎概念を与えられた行列に適用できる.
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12週 |
行列の対角化 |
行列が対角化可能であるかを判定でき,可能な場合には行列の対角化ができる.
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13週 |
行列の三角化 |
行列が三角化可能であるかを判定でき,可能な場合には行列の三角化ができる.
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14週 |
実対称行列の対角化 |
実対称行列の対角化に必要な直交行列を求めることができる.また,その対角化を実行できる.
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15週 |
2次形式 |
2次形式の標準形を求めることができ,2次形式の最大値・最小値を調べることができる.
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16週 |
後期期末試験 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |