到達目標
(ア)政治学の基本的概念について理解できる。
(イ)現実の(特に日本の)政治の仕組みについて、その構造と実態を把握することができる。
(ウ)現実の政治の仕組みを自分なりに擁護できる。もしくは、現実とは別の「ありうる別の可能性」を構想することができる。
(エ)上記三点について、表面的なレベルだけでなく、その原理のレベルから理解し、論じることができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 最低限の到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
評価項目(ア) | 政治学の基本的概念の原理について、説明できる。 | 政治学の基本的概念について、表面的なレベルで理解している。 | 政治学の基本的概念について理解できていない。 |
評価項目(イ) | 現実の政治の仕組みについて、原理的に説明できる。 | 現実の政治の仕組みについて、表面的なレベルで理解している。 | 現実の政治の仕組みについて理解できていない。 |
評価項目(ウ) | 自らの原理的な理解を用いて、現実の政治の仕組みを自分なりに説明できる。または別の可能性を構想することができる。 | 自らの理解を用いて、現実の政治の仕組みを自分なりに理解できる。または別の可能性を理解することができる。 | 自らの思考を用いて、現実の政治の仕組みを自分なりに理解することも、別の可能性を構想することもできない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 E1 日本や世界の文化や歴史を、地球的な視点から多面的に認識し、建築技術が社会に与える影響を理解する能力を修得する。
JABEE a 地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養
本校教育目標 ① ものづくり能力
教育方法等
概要:
本講義で扱うのは「政治」である。「政治」に登場する人々の行動や、様々な制度の仕組みは、多くの人にとって、よくわからない。しかし、「政治」はその本質故に、「よくわからないから私は帰ります」という選択を許さず、「政治」に巻き込まれる可能性が、全ての人についてまわる。であれば人はどうするか。多くの場合、黙り込んで政治の影響をなかったことにするか、表面的な理解でわかったつもりになって政治に抵抗するかの、どちらかとなる。前者の場合は、一方的に自分が我慢し続けることになり、疲れ果ててしまう。後者の場合は、その抵抗がほとんど意味をなさず、やはり疲れ果ててしまう。
本講義の目的は、そういった事態を回避することにある。つまり、「政治」のよくわからなさを少しでも減らすべく、その基本的概念や制度について、(表面的なレベルよりも根本的な)原理的なレベルに軸を置いて解説する。ニュースやSNSで言われているような「政治の問題」について、(「それは本当に問題なのか?」を含んだ、)自分なりの別の可能性を見出せるようになることが、本講義の目標である。
授業の進め方・方法:
講義内容の理解度の確認および文章能力の向上のために、後期期間中に小レポートと課題提出を各一度ずつ求める。適宜予習・復習を行っておくことが望ましい。また、初回のイントロダクション以外でも適宜、受講者に簡単なアンケートをとり、その興味関心・講義の理解度を把握する。講義内容・レポート・課題・試験問題に影響を与えるため、協力されたい。
注意点:
本講義では現実の政治も扱うが、その扱い方はもっぱら哲学的・理論的観点からのものとなるため、必ずしも時事問題には直接対応しない。各自現実のニュースや議論を見ることで、講義内容と時事問題のどこが同じであり、どこが異なるかを把握するよう努めること。
選択必修の種別・旧カリ科目名
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
講義概要解説:原理的な理解について (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
物事の表面的な理解とは異なる、物事の根本原理を捉えた理解の重要性を理解する。
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2週 |
政治(1):政治とは何か? (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
「集合的に拘束する正統な決定の作成」という政治の原理を理解する。
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3週 |
政治(2):政治には何が伴い、何に支えられるのか? (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
政治に必然的に伴う諸要素と、政治を支える「政治的なるもの」という概念を理解する。
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4週 |
自由と平等(1):自由主義とは何か? (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
自由主義の概要と現代の展開について理解する。
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5週 |
自由と平等(2):自由主義ではないものはあるのか? (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
自由主義とは異なる考え方について理解する。
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6週 |
政府と国家:政府や国家はなぜ必要か? (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
政府・国家の存在理由と現実での役割について理解する。
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7週 |
前半のまとめと課題講評 (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
講義前半の内容を整理し、理解を深める。また文章作成能力の向上を図る。
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8週 |
民主主義(1):民主主義とは何か? (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
民主主義の概要について理解する。
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4thQ |
9週 |
民主主義(2):民主主義とは何でありうるか? (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
多数決型民主主義とは異なる民主主義解釈について理解する。
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10週 |
代表/選挙(1):なぜ代表を選ぶのか (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
代議制民主主義における代表の役割を理解する。
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11週 |
代表/選挙(2):代表をどうやって選ぶのか (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
代議制民主主義における選挙の仕組みを理解する。
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12週 |
市民(1):市民とは誰のことか (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
国民や人民とは異なる、市民という概念について理解する。
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13週 |
市民(2):市民性とは何か。それを身に付けることは可能か。 (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
いわゆる「市民性教育」について理解する。
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14週 |
政治参加:政治に「参加する」とは? (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
選挙にとどまらない、政治参加の様々な方法について理解する。
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15週 |
後半のまとめとレポート講評 (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
講義前半の内容を整理し、理解を深める。また文章作成能力の向上を図る。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 定期試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 100 |
基礎的能力 | 60 | 40 | 100 |