建築環境実験

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 建築環境実験
科目番号 54304 科目区分 専門 / 選択
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 配布テキスト,貸与テキスト「建築環境工学実験用教材Ⅰ環境測定演習編」日本建築学会編(丸善)
担当教員 鈴木 健次

到達目標

(ア)照度、輝度、昼光率の測定ができる。
(イ)照度、輝度、昼光率を利用して室内の人工照明・採光性能を評価できる。
(ウ)騒音レベル・残響時間の測定ができる。
(エ)騒音レベル・残響時間を利用して室内の音環境を評価できる。
(オ)温熱4要素の測定および換気量測定ができる。
(カ)温熱評価指標による室内温熱環境評価および室内空気質評価ができる。
(キ)工学系の実験報告書が作成できる。
(ク)測定課題に対して,適切な実験計画を立案することができる。

ルーブリック

最低限の到達レベルの目安(優)最低限の到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(不可)
評価項目(ア~カ)実験により建築を取り巻く環境(光、音、温熱環境)の実験方法を説明でき、実験により把握できる実験により建築を取り巻く環境(光、音、温熱環境)を実験により把握できる実験により建築を取り巻く環境(光、音、温熱環境)を実験により把握できない
評価項目(キ)論理的な工学系の実験報告書を作成できる工学系の実験報告書を作成できる工学系の実験報告書が作成できない
評価項目(ク)演習課題に対して,適切な実験計画を立案できる演習課題に対して,実験計画を立案できる演習課題に対する実験計画が立案できない

学科の到達目標項目との関係

本校教育目標 ② 基礎学力
本校教育目標 ③ 問題解決能力

教育方法等

概要:
実験実習には、実際にものに接することにより物事の理解が助けられる長所がある。このため、本科目では、建築環境工学で学ぶ内容をよりいっそう理解することを目的として実験を行い、講義内容の深化を図る。光・音・空気(熱・空気質)の3分野に関して測定課題を与え、実験計画の立案から報告書の作成まで実施する。
授業の進め方・方法:
注意点:
本科目は、「建築材料実験」「建築材料実験」と同時間に開講し、受講者を4班に分けて、四半期毎にローテーションして受講する。

選択必修の種別・旧カリ科目名

選択必修3

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 環境工学実験計画の基本、空気質環境の測定を例題とした実験計画から報告書作成までの演習 環境工学実験計画(実験条件設定,事前調査,データ解析方法など)を説明できる
2週 室内温熱環境の理論・測定計画:温熱環境指標の計算演習及び測定計画立案 温熱4要素の測定・評価方法を説明でき、測定計画を立案できる
3週 室内温熱環境の測定・評価:温熱4要素の測定と温熱環境指標評価 温熱4要素の測定ができ、温熱環境指標で評価ができる
4週 室内光環境の理論・測定計画:測光量および昼光率の計算演習,人工照明の設計演習,光環境測定計画立案 照度、輝度、昼光率の測定・評価方法を説明でき、測定計画を立案できる
5週 室内光環境の測定・評価:照度,輝度,昼光率の測定と評価 照度、輝度、昼光率の測定ができ、測定結果の評価ができる
6週 室内音環境の理論・測定計画:音圧レベルの計算演習,残響時間計算演習,騒音評価方法,音環境測定計画立案 騒音レベル、残響時間の測定・評価方法を説明でき、測定計画を立案できる
7週 室内音環境の測定・評価:騒音,残響時間の測定と評価 騒音レベル、残響時間の測定ができ、測定結果の評価ができる
8週 環境工学実験計画の基本、空気質環境の測定を例題とした実験計画から報告書作成までの演習 環境工学実験計画(実験条件設定,事前調査,データ解析方法など)を説明できる
2ndQ
9週 室内温熱環境の理論・測定計画:温熱環境指標の計算演習及び測定計画立案 温熱4要素の測定・評価方法を説明でき、測定計画を立案できる
10週 室内温熱環境の測定・評価:温熱4要素の測定と温熱環境指標評価 温熱4要素の測定ができ、温熱環境指標で評価ができる
11週 室内光環境の理論・測定計画:測光量および昼光率の計算演習,人工照明の設計演習,光環境測定計画立案 照度、輝度、昼光率の測定・評価方法を説明でき、測定計画を立案できる
12週 室内光環境の測定・評価:照度,輝度,昼光率の測定と評価 照度、輝度、昼光率の測定ができ、測定結果の評価ができる
13週 室内音環境の理論・測定計画:音圧レベルの計算演習,残響時間計算演習,騒音評価方法,音環境測定計画立案 騒音レベル、残響時間の測定・評価方法を説明でき、測定計画を立案できる
14週 室内音環境の測定・評価:騒音,残響時間の測定と評価 騒音レベル、残響時間の測定ができ、測定結果の評価ができる
15週 まとめ 実験及び実験報告書の講評・指導
16週
後期
3rdQ
1週 環境工学実験計画の基本、空気質環境の測定を例題とした実験計画から報告書作成までの演習 環境工学実験計画(実験条件設定,事前調査,データ解析方法など)を説明できる
2週 室内温熱環境の理論・測定計画:温熱環境指標の計算演習及び測定計画立案 温熱4要素の測定・評価方法を説明でき、測定計画を立案できる
3週 室内温熱環境の測定・評価:温熱4要素の測定と温熱環境指標評価 温熱4要素の測定ができ、温熱環境指標で評価ができる
4週 室内光環境の理論・測定計画:測光量および昼光率の計算演習,人工照明の設計演習,光環境測定計画立案 照度、輝度、昼光率の測定・評価方法を説明でき、測定計画を立案できる
5週 室内光環境の測定・評価:照度,輝度,昼光率の測定と評価 照度、輝度、昼光率の測定ができ、測定結果の評価ができる
6週 室内音環境の理論・測定計画:音圧レベルの計算演習,残響時間計算演習,騒音評価方法,音環境測定計画立案 騒音レベル、残響時間の測定・評価方法を説明でき、測定計画を立案できる
7週 室内音環境の測定・評価:騒音,残響時間の測定と評価 騒音レベル、残響時間の測定ができ、測定結果の評価ができる
8週 環境工学実験計画の基本、空気質環境の測定を例題とした実験計画から報告書作成までの演習 環境工学実験計画(実験条件設定,事前調査,データ解析方法など)を説明できる
4thQ
9週 室内温熱環境の理論・測定計画:温熱環境指標の計算演習及び測定計画立案 温熱4要素の測定・評価方法を説明でき、測定計画を立案できる
10週 室内温熱環境の測定・評価:温熱4要素の測定と温熱環境指標評価 温熱4要素の測定ができ、温熱環境指標で評価ができる
11週 室内光環境の理論・測定計画:測光量および昼光率の計算演習,人工照明の設計演習,光環境測定計画立案 照度、輝度、昼光率の測定・評価方法を説明でき、測定計画を立案できる
12週 室内光環境の測定・評価:照度,輝度,昼光率の測定と評価 照度、輝度、昼光率の測定ができ、測定結果の評価ができる
13週 室内音環境の理論・測定計画:音圧レベルの計算演習,残響時間計算演習,騒音評価方法,音環境測定計画立案 騒音レベル、残響時間の測定・評価方法を説明でき、測定計画を立案できる
14週 室内音環境の測定・評価:騒音,残響時間の測定と評価 騒音レベル、残響時間の測定ができ、測定結果の評価ができる
15週 まとめ 実験及び実験報告書の講評・指導
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3
専門的能力分野別の専門工学建築系分野材料建築材料の変遷や発展について説明できる。4
建築材料の規格・要求性能について説明することができる。4
木材の種類について説明できる。4
木材の成長と組織形成から、物理的性質の違いについて説明できる。4
傷(節など)について説明できる。4
耐久性(例えば腐れ、枯渇、虫害など)について説明できる。4
耐火性について説明できる。4
近年の木材工業製品(集成材、積層材など)の種類について説明できる。4
セメントの製造方法(廃棄物の利用も含む)について説明できる。4
セメントの種類・特徴について説明できる。4
コンクリート用軽量骨材があることを知っている。4
混和材(剤)料の種類(例えばAE剤と減水剤、フライアッシュやシリカフュームなど)をあげることができる。4
コンクリートの調合のうち、水セメント比の計算ができる。4
スランプ、空気量について、強度または、耐久性の観点でその影響について説明できる。4
コンクリートの強度(圧縮、引張、曲げ、せん断)の関係について説明できる。4
耐久性(例えば中性化、収縮、凍害、塩害など)について現象名をあげることができる。4
各種(暑中・寒中など)・特殊(水密、高強度など)コンクリートの名称をあげることができる。4
コンクリート製品(ALC、プレキャストなど)の特徴について説明できる。4
鋼材の耐久性(腐食、電食、耐火など)の現象と概要について説明できる。4
鋼材の応力~ひずみ関係について説明でき、その特異点(比例限界、弾性限界、上降伏点、下降伏点、最大荷重、破断点など)の特定と性質について説明できる。4
建築用構造用鋼材の種類(SS、SM、SNなど)・性質について説明できる。4
建築用鋼製品(丸鋼・形鋼・板など)の特徴・性質について説明できる。4
非鉄金属(アルミ、銅、ステンレスなど)の分類、特徴をあげることができる。4
石材の種類・性質について説明できる。4
石材の使用方法について説明できる。4
屋根材(例えば和瓦、洋瓦、金属、アスファルト系など)の特徴をあげることができる。4
タイルの種類、特徴をあげることができる。4
ガラスの製法、種類をあげることができる。4
塗料の種類に応じた下地、使用環境などの適合性について説明できる。4
下地材の種類(例えば繊維板、パーティクルボード、石こうボードなど)をあげることができる。4
内装材料(壁・天井)として(モルタル、しっくい、クロス、珪藻土、合板、ボードなど)をあげることができる。4
床の仕上げ材料(カーペット、フローリング、レベリング、長尺シート等)をあげることができる。4
環境・設備風土と建築について説明できる。4
気候、気象について説明できる。4
気温、温度、湿度および気温と湿度の形成について説明できる。4
雨、雪による温度、湿度の関係について説明できる。4
ヒートアイランドの現象について説明できる。4
大気汚染の歴史と現象について説明できる。4
都市環境における緑の役割について説明できる。4
建設地と太陽位置について説明できる。4
日照時間および日照時間図について説明できる。4
日照と日射の使い分けについて説明できる。4
紫外線、赤外線、可視光線の効果の違いを説明できる。4
日照および日射の調節方法について説明できる。4
視覚と光の関係について説明できる。4
明視、グレアの現象について説明できる。4
採光および採光計画について説明できる。4
人工照明について説明できる。4
照明計画および照度の計算ができる。4
表色系について説明できる。4
色彩計画の概念を知っている。4
伝熱の基礎について説明できる。4
熱貫流について説明できる。4
室温の形成について理解している。4
温熱環境要素について説明できる。4
温熱環境指標について説明できる。4
湿り空気、空気線図について説明できる。4
結露現象について説明できる。4
空気汚染の種類と室内空気環境基準について説明できる。4
必要換気量について計算できる。4
自然換気と機械換気について説明ができる。4
音の単位について説明できる。4
聴覚の仕組みについて説明できる。4
音心理の三大特性、大きさとうるささ、音の伝搬、減衰、回折について説明できる。4
吸音と遮音、残響について説明できる。4
遮音材料の仕組み、音響計画について説明できる。4
給水方式について説明できる。4
使用水量について把握できる。4
給排水管の管径の決定方法について知っている。4
給湯方式について説明できる。4
敷地内外の分流式・合流式排水方式について説明できる。4
浄化槽について説明できる。4
衛生器具について説明できる。4
室内環境基準について説明できる。4
熱負荷計算法、空気線図、空気の状態値について説明できる。4
空気調和方式について説明できる。4
熱源方式について説明できる。4
必要換気量について計算できる。4
受変電・幹線設備について説明できる。4
動力設備について説明できる。4
照明・コンセント設備について説明できる。4
情報・通信設備について説明できる。4
消火設備について説明できる。4
排煙設備について説明できる。4
火災報知設備について説明できる。4
自然再生可能エネルギー(例えば、風力発電、太陽光発電、太陽熱温水器など)の特徴について説明できる。4
エネルギー削減に関して建築的手法(建築物の外皮(断熱、窓など))を適用することができる。4
建築設備(配線・管、配線・管スペース、施工法など)を、設備(自然環境・電気・空調・給排水の分野)計画に適用できる。4
省エネルギー(コジェネレーション等を含む)について説明できる。4
計画・歴史現代社会における都市計画の課題の位置づけについて説明できる。4
近現代都市の特質と課題について説明できる。4
近代の都市計画論について説明できる。4
現代にいたる都市計画論について説明できる。4
市街地形成と都市交通のあり方について説明できる。4
街路計画の手法と理念について説明できる。4
方法・制度の変遷について説明できる。4
景観形成・風景計画、用途・形態規制の仕組みについて説明できる。4
市街地を開発する仕組みについて説明できる。4
土地区画整理事業について説明できる。4
市街地再開発事業について説明できる。4
地区計画制度について説明できる。4
建築協定・緑化協定などの住民参加・協働のまちづくりの体制について説明できる。4
モデュールについて説明できる。4
建築設計に関わる基本的な家具をはじめとする住設備機器などの寸法を知っている。4
居住系施設(例えば、独立住宅、集合住宅など)の計画について説明できる。4
教育や福祉系の施設(例えば、小学校、保育所、幼稚園、中・高・大学など)あるいは類似施設の計画について説明できる。4
文化・交流系の施設(例えば、美術館、博物館、図書館など)あるいは類似施設の計画について説明できる。4
医療・業務系の施設(例えば、オフィスビル、病院、オーディトリアム、宿泊施設等)あるいは類似施設の計画について説明できる。4
建築計画・設計の手法一般について説明できる。4
都市と農村の計画について説明できる。4
古代(例えば、エジプト、オリエント、エーゲ海、ギリシャ、ローマなど)の特徴について説明できる。4
中世(例えば、ビザンチン、イスラム、ロマネスク、ゴシックなど)の特徴について説明できる。4
近世(例えば、ルネサンス、マニエリスム、バロック、ロココなど)の特徴について説明できる。4
施工・法規定着の仕様とメカニズムについて説明できる。4
かぶりの必要性、かぶり厚さの基準・仕様・法令について説明できる。4
使用材料の試験・管理値について説明できる。4
生コンの発注について説明できる。4
養生の必要性について説明できる。4
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3

評価割合

課題合計
総合評価割合100100
専門的能力100100