地盤工学Ⅲ

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 地盤工学Ⅲ
科目番号 0077 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 都市システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 澤孝平編著:地盤工学第2版、森北出版、2009年
担当教員 鍋島 康之

到達目標

(1)土と地盤に関する技術用語を理解し、他者に説明できる。
(2)土と地盤に関する物理的、化学的および工学的性質を表す指標を求める方法を理解し、実験や計算によりそれらを求める技術を修得する。
(3)各種の構造物の設計や施工に、土と地盤に関する各種の指標が如何に使われるかを理解し、設計や施工の基本的な考え方を修得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1土と地盤に関する技術用語を理解し、他者に適切に説明できる。土と地盤に関する技術用語を理解し、他者に説明できる。土と地盤に関する技術用語を理解し、他者に説明できない。
評価項目2実験や計算により地盤に関する指標を実験や計算により適切に求めることができる。実験や計算により地盤に関する指標を実験や計算により求めることができる。実験や計算により地盤に関する指標を実験や計算により求めることができない。
評価項目3設計や施工の基本的な考え方を適切に説明できる。実験や計算により設計や施工の基本的な考え方を説明できる。設計や施工の基本的な考え方を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (E) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (F) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
地盤の上や地中に建物、道路、鉄道などを建設するためには、地盤やそれを構成している土の性質に関する知識や技術について学習し、それらを修得しておく必要がある。これらの知識や技術は古くから発達しており、「土質力学」や「土質工学」として、土の強さ、変形、透水、地盤の安定、支持力、沈下などを取り扱っている。最近では大深度地下開発などのために岩盤との境界地盤や地球環境問題にかかわる地盤環境工学なども取り扱うようになり、広く「地盤工学」と言われるようになってきた。
授業の進め方・方法:
主に講義形式で授業を行うが、演習問題を用いて計算を行う。
注意点:
第3学年に学習した内容を理解しておくこと。また、力学や数学の基礎知識を整理しておくこと。さらに、日頃から土や地盤の問題に関心を持って様々な情報を収集するよう心掛けること。また、本科目は、授業で保証する学習時間と、予習・復習および課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が90時間に相当する学習内容である。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 土圧1
ランキン土圧の概念について学習する。
ランキン土圧の概念について理解し、ランキン土圧を計算できる。
2週 土圧2
クーロン土圧の概念について学習する。
クーロン土圧の概念について理解し、クーロン土圧を計算できる。
3週 土圧3
擁壁の安定解析の概念について学習する。
擁壁の安定解析の概念を理解し、安全率を計算できる。
4週 地盤内応力1
集中荷重等が作用した場合の地盤内応力の変化について学習する。
集中荷重等が作用した場合、地盤内の応力が変化することを理解し、どの様に伝播するか計算できる。
5週 地盤内応力2
盛土荷重等が作用した場合の地盤内応力の変化について学習する。
盛土荷重等が作用した場合、地盤内の応力が変化することを理解し、どの様に伝播するか計算できる。
6週 地盤内応力3
長方形荷重が作用した場合の地盤内応力の変化について学習する。
長方形荷重等が作用した場合、地盤内の応力が変化することを理解し、どの様に伝播するか計算できる。
7週 土圧・地盤内応力に係わる演習問題 第1週から第7週までの演習問題について解答できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 地盤の支持力1
基礎構造物の種類について学び、浅い基礎の代表である連続フーチングの支持力について学習する。
基礎構造物の種類について説明でき、浅い基礎の代表である連続フーチングの支持力について計算できる。
10週 地盤の支持力2
深い基礎の代表である杭の支持力について学習し、静力学的な支持力公式や群杭の支持力について学習する。
深い基礎の代表である杭の支持力について静力学的な支持力公式や群杭の支持力に基づいて計算できる。
11週 斜面安定1
斜面災害について学習するとともに、斜面安定解析の概念を学習する。
斜面災害について学習するとともに、斜面安定解析の概念を理解できる。
12週 斜面安定2
直線状のすべりを仮定した安定解析について学習する。
直線状のすべりを仮定した安定解析について計算できる。
13週 斜面安定3
円形すべりを仮定した安定解析について学習する。
円形すべりを仮定した安定解析について計算できる。
14週 トンネルの種類,地盤調査やトンネルの施工法について学習する。 トンネルの種類,地盤調査やトンネルの施工法について理解できる。
15週 地盤の支持力・斜面安定に係わる演習問題 第8週から第15週までの演習問題について解答できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】土粒子の密度試験について理解し、器具を使って実験できる。4
液性限界・塑性限界試験について理解し、器具を使って実験できる。4
粒度試験について理解し、器具を使って実験できる。4
透水試験について理解し、器具を使って実験できる。4
突固めによる土の締固め試験について理解し、器具を使って実験できる。4
一軸圧縮試験について理解し、器具を使って実験できる。4
層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。4
各種の流量測定の方法を理解し、器具を使って実験できる。4
常流・射流・跳水に関する実験について理解し、実験ができる。4
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3

評価割合

試験演習合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000