到達目標
本科目の目標を以下に示す.
1) 誤差の分布・および伝播, 最小二乗法等の測量に必要な一般統計理論の理解(D-2)
2) 距離測量,角測量, 水準測量等の測量三要素の測定時に生じる誤差の原因分析,観測値の調整(H-1)
3) 外業によって実際に得られた観測値の計算処理(H-1)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1
誤差の分布・および伝播, 最小二乗法等の測量に必要な一般統計理論が説明できる。 | 誤差の分布・および伝播, 最小二乗法等の測量に必要な一般統計理論が説明でき,合理的計算処理ができる。 | 誤差の分布・および伝播, 最小二乗法等の測量に必要な一般統計理論が説明できる。 | 誤差の分布・および伝播, 最小二乗法等の測量に必要な一般統計理論が説明できない。 |
評価項目2
距離測量,角測量, 水準測量等の測量三要素の測定時に生じる誤差の原因分析ができる。 | 距離測量,角測量, 水準測量等の測量三要素の測定時に生じる誤差の原因分析がその後の処理につながる形でできる。 | 距離測量,角測量, 水準測量等の測量三要素の測定時に生じる誤差の原因分析ができる。 | 距離測量,角測量, 水準測量等の測量三要素の測定時に生じる誤差の原因分析ができない。 |
評価項目3
外業によって実際に得られた観測値の計算処理ができる。 | 外業によって実際に得られた観測値の計算処理が誤差分析とともにできる。 | 外業によって実際に得られた観測値の計算処理ができる。 | 外業によって実際に得られた観測値の計算処理ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 (D)
説明
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学習・教育到達度目標 (H)
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教育方法等
概要:
測量における観測値には必ず誤差が伴う。このため観測値に含まれる誤差の分類を行い,その誤差の取り扱い方法について学習する。主に誤差伝播の法則、最確値を求める最小二乗法ならびに平均値について演習を行いながら学ぶ。本教科では,観測値に含まれる誤差の程度を評価する手法ならびに誤差が許容範囲内である場合には誤差を合理的に処理する能力を習得することを目標としている。
授業の進め方・方法:
講義を中心に実施し,演習を織り込む形で進行する。
測量士補の近年出題の解答も行う。
注意点:
測量学ⅠおよびⅡで学習した内容を復習し,整理しておくことが必要である。特に測定値と誤差に関して復習が必要である。また,演習に際しては関数電卓を使用するので準備すること。測量士補申請を前提とした科目であり,演習課題に積極的に取り組むことが望まれる。本科目は,授業で保証する学習時間と,予習・復習および課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が90時間に相当する学習内容である.
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
測量における誤差 観測誤差について誤差の種類、性質および分類について解説する。 |
有効数字、数値の丸め方を説明でき、これを考慮した計算ができる。
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2週 |
目測系列の取扱い 目測系列の推計学的取扱いを理解するため,目測によりカットされたテープ長を観測し,その特徴を分析する。 |
有効数字、数値の丸め方を説明でき、これを考慮した計算ができる。
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3週 |
最小二乗法の原理 誤差の生じる確率と最確値の意味について述べ,最小二乗法の原理ならびに算術平均・重量平均について解説する。 |
最小二乗法の原理を説明でき、これを考慮した計算ができる。
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4週 |
最小二乗法の統計的基礎 確率の考え方、確率分布および期待値について解説する。 確率変数(平均値、分散)および正規分布について解説する。 |
最小二乗法の原理を説明でき、これを考慮した計算ができる。
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5週 |
独立直接観測値の最確値と精度 独立直接観測値の精度について確率誤差と中等誤差の考え方を用いて解説する。 |
最小二乗法の原理を説明でき、これを考慮した計算ができる。
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6週 |
演習(1) 第2週から第5週までの内容について例題を用いた計算演習を行う。 |
最小二乗法の原理を説明でき、これを考慮した計算ができる。
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7週 |
GIS 地図情報の構成を述べ,GIS(地理情報システム)の概要を解説する。 |
区域の大小、順序、方法、目的および法律による分類について、説明できる。 測量体系(国家基準点等)を説明できる。
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8週 |
中間試験
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4thQ |
9週 |
誤差伝播(1) 1観測の平均二乗誤差が既知である時,観測値の関数であるところの未知量の値にはそれらの誤差がどのように影響するかについて解説する。 |
有効数字、数値の丸め方を説明でき、これを考慮した計算ができる。 最小二乗法の原理を説明でき、これを考慮した計算ができる。
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10週 |
誤差伝播(2) 誤差伝播の測量における例を紹介し,重みpの観測値を重み1の観測値に直す方法について解説する。 |
有効数字、数値の丸め方を説明でき、これを考慮した計算ができる。 最小二乗法の原理を説明でき、これを考慮した計算ができる。
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11週 |
重み伝播 互いに独立な直接観測値の関数である未知量の重みについて,重み伝播の一般式を誘導し,実測事例の解説を行う。 |
有効数字、数値の丸め方を説明でき、これを考慮した計算ができる。 最小二乗法の原理を説明でき、これを考慮した計算ができる。
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12週 |
演習(2) 角測量,距離測量の実測を行い,得られた観測値について誤差伝播,重み伝播の法則に従って計算処理することにより最確値を求める。 |
有効数字、数値の丸め方を説明でき、これを考慮した計算ができる。 最小二乗法の原理を説明でき、これを考慮した計算ができる。
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13週 |
独立間接観測における平均法 独立間接観測の事例を紹介し,観測値から最確値を求める方法と未知量の最確値の精度について解説する。また,条件付観測の条件式について述べ,条件付き直接観測値の処理方法について解説する。 |
有効数字、数値の丸め方を説明でき、これを考慮した計算ができる。 最小二乗法の原理を説明でき、これを考慮した計算ができる。
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14週 |
GPS測量 GPS測量の原理を講義し,GPS測量の種類・特徴とその精度について解説する。測量で使用する直角座標系、曲線座標系について述べ,日本測地系、世界測地系および座標変換について解説する。 |
区域の大小、順序、方法、目的および法律による分類について、説明できる。 測量体系(国家基準点等)を説明できる。
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15週 |
演習(3) 近年の測量士,測量士補の国家試験問題を解説し,各測量分野の例題を解く。 |
区域の大小、順序、方法、目的および法律による分類について、説明できる。 測量体系(国家基準点等)を説明できる。
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16週 |
期末試験
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 測量 | 区域の大小、順序、方法、目的および法律による分類について、説明できる。 | 4 | 後1,後6,後12,後15 |
測量体系(国家基準点等)を説明できる。 | 4 | 後1,後12,後14,後15 |
有効数字、数値の丸め方を説明でき、これを考慮した計算ができる。 | 4 | 後1,後2,後12,後13,後15 |
最小二乗法の原理を説明でき、これを考慮した計算ができる。 | 5 | 後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13,後15 |
評価割合
| 試験 | 演習 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 60 |
専門的能力 | 20 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 40 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |