計画学Ⅰ

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 計画学Ⅰ
科目番号 6427 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 都市システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 適宜授業資料を配付する。プロジェクタ等の使用によるビジュアルな資料・事例を提示する。
担当教員 阿久井 康平,下村 泰彦

到達目標

1) 社会資本が社会や自然に及ぼす影響・責任を理解するとともに,人々の幸福で快適な生活を保障し,かつ良好な都市環境を整備・保全するために何が必要かを考えることができる.
2) 都市及び地域の計画を検討する基本的な方法を会得し,社会資本の多様な分野の計画設計に応用できる.
3) 国土・地域・都市の成り立ちを理解するとともに,都市や地域の計画を立案するための方法論と統計的計算手法を習得し,その知識を社会基盤の整備計画や設計に応用することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1十分に,社会資本が社会や自然に及ぼす影響・責任を理解するとともに,良好な都市環境を整備・保全するために何が必要かを考えることができる.社会資本が社会や自然に及ぼす影響・責任を理解するとともに,良好な都市環境を整備・保全するために何が必要かを考えることができる.社会資本が社会や自然に及ぼす影響・責任を理解するとともに,良好な都市環境を整備・保全するために何が必要かを考えることができない.
評価項目2十分に,システムズアプローチを援用した循環的手順により計画を検討する基本的な方法を会得し,社会資本の色々な分野の計画設計に応用できる.システムズアプローチを援用した循環的手順により計画を検討する基本的な方法を会得し,社会資本の色々な分野の計画設計に応用できる.システムズアプローチを援用した循環的手順により計画を検討する基本的な方法を会得し,社会資本の色々な分野の計画設計に応用できない.
評価項目3十分に,費用便益分析を理解し,説明することができる.費用便益分析を理解し,説明することができる.費用便益分析を理解し,説明することができない.
評価項目4十分に,各種の最適化手法を理解し,説明することができる.各種の最適化手法を理解し,説明することができる.各種の最適化手法を理解し,説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 この科目は,民間建設コンサルタントに在籍し,都市・地域計画および都市デザインを担当していた教員が,社会資本を計画設計する上での目標・目的・主体・対象・手段・環境条件などを解説するとともに,都市・地域計画の基本的な考え方を理解させる.
 また,都市や地域の計画を立案するための方法論と統計的計算手法を習得し,その知識を社会基盤の整備計画や設計への応用を図る.
授業の進め方・方法:
 主に配布資料に基づいた講義を行う.
成績評価は,学習成果の達成度を,期末試験(70%),演習レポート課題(20%),質疑応答などの授業への取り組み状況(10%)から総合して行い,60%以上達成したものを合格とする.
注意点:
 都市・地域計画学の基本的な考え方を理解し,演習を通して確実に自分のものとしていく.演習などを通して,社会現象のモデル化の基本的な考え方や結果の解釈法を修得する.評価の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 都市・地域とその環境
「都市・地域」と「環境」について総括的に論じた上でそれぞれ定義する.
「都市・地域」と「環境」について,具体例を挙げて自分の言葉で説明することができる.
2週 都市・地域の成り立ち(1)
都市・地域の成り立ちについて,理想都市計画の系譜を踏まえて解説する.
理想都市計画について,具体例を挙げて自分の言葉で説明することができる.
3週 都市・地域の成り立ち(2)
都市・地域の成り立ちについて,都市計画史やその変遷を踏まえて解説する.
都市計画史やその変遷について,具体例を挙げて自分の言葉で説明することができる.
4週 都市・地域計画の計画技術及び制度(1)
都市・地域計画の関連法規,土地利用計画,都市整備の手法について解説する.
都市・地域計画の関連法規,土地利用計画,都市整備の手法について,具体例を挙げて自分の言葉で説明することができる.
5週 都市・地域計画の計画技術及び制度(2)
土地区画整理事業や市街地再開発事業などの都市整備の手法などについて解説する.
土地区画整理事業や市街地再開発事業などの都市整備の手法などについて,具体例を挙げて自分の言葉で説明することができる.
6週 都市・地域計画の計画技術及び制度(3)
交通や交通施設の計画に係る計画技術,費用便益分析などについて解説する.
交通や交通施設の計画に係る計画技術,費用便益分析などについて,具体例を挙げて自分の言葉で説明することができる.
7週 都市・地域環境の現状(1)
都市景観の考え方・歴史的景観の保全,都市防災について解説する.
都市景観の考え方・歴史的景観の保全,都市防災について,具体例を挙げて自分の言葉で説明することができる.
8週 都市・地域環境の現状(2)
中山間地域や里山の現状に重点を置き,統計的計算手法を応用して解説する.
中山間地域や里山の現状に重点を置き,具体例を自分の言葉で説明することができるとともに,統計的計算手法を応用することができる.
2ndQ
9週 都市・地域環境の現状(3)
中山間地域や里山の現状に重点を置き,里山の環境やひとの生活について解説する.
中山間地域や里山の現状に重点を置き,里山の環境やひとの生活について自分の言葉で説明することができる.
10週 公園緑地の計画技術及び制度(1)
公園緑地の歴史的変遷について説明するとともに,各時代の計画技術について解説する.
公園緑地の歴史的変遷,各時代の計画技術について,具体例を挙げて自分の言葉で説明することができる.
11週 公園緑地の計画技術及び制度(2)
公園緑地の計画・設計プロセス,敷地分析,敷地計画手法などについて解説する.
公園緑地の計画・設計プロセス,敷地分析,敷地計画手法などについて,具体例を挙げて自分の言葉で説明することができる.
12週 公園緑地の計画技術及び制度(3)
公園緑地の計画・設計プロセスにおける緑地計画,植栽計画について解説する.
公園緑地の計画・設計プロセスにおける緑地計画、植栽計画について,具体例を挙げて自分の言葉で説明することができる.
13週 エコロジカル・プランニング(1)
都市・地域におけるエコロジカル・プランニングの理念・概念について解説する.
都市・地域におけるエコロジカル・プランニングの理念・概念ついて,自分の言葉で説明することができる.
14週 エコロジカル・プランニング(2)
都市・地域におけるエコロジカル・プランニングの手法について解説する.
都市・地域におけるエコロジカル・プランニングの手法ついて,具体例を挙げて自分の言葉で説明することができる.
15週 エコロジカル・プランニング(3)
都市・地域におけるエコロジカル・プランニングの事例について解説する.
都市・地域におけるエコロジカル・プランニングの事例ついて,具体例を挙げて自分の言葉で説明することができる.
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野計画都市計画法と都市計画関連法の概要について、説明できる。4前1,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16
都市計画区域の区域区分と用途地域について、説明できる。4前1,前4,前5,前6,前16
土地区画整理事業を説明できる。4前1,前4,前5,前6,前8,前9,前16
市街地開発・再開発事業を説明できる。4前1,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前15,前16
計画の意義と計画学の考え方を説明できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16
線形計画法(図解法、シンプレックス法)を説明できる。4前6
費用便益分析について考え方を説明でき、これに関する計算ができる。4前6
分野横断的能力汎用的技能コミュニケーションスキルコミュニケーションスキル日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3前1,前5,前10
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3前1,前2,前5
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3前1,前2,前5
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3前1,前2,前5,前10
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3前2,前5,前10
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3前2,前5,前11
他者の意見を聞き合意形成することができる。3前1,前2,前3,前5,前10
合意形成のために会話を成立させることができる。3前1,前2,前3,前5
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3前1,前2,前3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前1,前2,前3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前1,前2,前3,前5,前11
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前2,前3,前4
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3前1,前2,前3,前4,前5,前11
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3前3,前4,前5,前7,前15
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3前3,前4,前5,前15
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前3,前5,前15,前16
複数の情報を整理・構造化できる。3前3,前5,前7,前15,前16
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3前3,前4,前5,前16
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前3,前4,前7,前16
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3前3,前4,前7,前16
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前3,前5,前7,前15,前16
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3前3,前7,前16
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前3,前4,前15,前16
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前3,前4,前16
基盤的資質・能力自己理解自己理解周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3前3,前4,前7,前12
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3前3,前4,前7
目標の実現に向けて計画ができる。3前3,前7,前12
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3前7,前12,前15
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3前5,前7,前12
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3前5,前7,前12,前16
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前5,前6,前7
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前5,前6,前7,前12,前13,前15
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前5,前6,前7,前13
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前5,前6,前7,前12,前15
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3前6,前7,前12,前13,前15
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3前6,前7,前11,前13,前15
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3前6,前11,前12
法令やルールを遵守した行動をとれる。3前5,前6,前12
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3前5,前11
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3前6,前11,前13
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3前6,前11,前13
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3前6,前9,前11
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3前6,前9,前11,前15
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3前6,前9,前11,前15
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3前6,前9,前11
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3前9,前11
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3前7,前9,前11
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3前7,前11,前15
企業には社会的責任があることを認識している。3前8,前11,前13,前15
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3前8,前11,前15
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3前8,前11,前13,前15
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3前8,前13,前15
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3前9,前10,前13,前15
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3前8,前9,前10,前14
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3前9,前10,前13,前14,前15
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3前8,前10,前13,前14,前15
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3前8,前10,前13,前14
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3前8,前10,前11
創造性・デザイン能力創造性創造性工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3前8,前10,前11
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3前8,前10,前11,前14
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3前8,前10,前11,前14
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3前7,前8,前11,前12,前14
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3前7,前8,前11,前14
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3前8,前13,前14

評価割合

試験演習課題レポート相互評価授業への取り組み状況ポートフォリオその他合計
総合評価割合702001000100
基礎的能力0000000
専門的能力702001000100
分野横断的能力0000000