構造設計学

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 構造設計学
科目番号 6519 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 都市システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 必要に応じてプリントを配布する.倉西 茂,中村俊一:最新 橋構造【第3版】森北出版(参考文献),崎元達郎:構造力学[第2版・新装版]上:静定編 森北出版(参考文献),崎元達郎:構造力学[第2版・新装版]下:不静定編 森北出版(参考文献), 長井正嗣:橋梁工学【第2版】共立出版(参考文献),原 隆,山口隆司,北原武嗣,和多田康男:環境・都市システム系教科書シリーズ 鋼構造学 コロナ社(参考文献)
担当教員 三好 崇夫

到達目標

(1) 鋼とコンクリートの特徴,土木分野における構造物について理解し,説明できる.
(2) 構造物の主な設計法と設計基準類について理解し,説明できる.
(3) 構造物の設計に必要な力学基礎について理解し,説明できる.
(4) 道路橋の設計に用いる荷重について理解し,主桁の設計に用いる荷重とそれによる断面力の計算方法について,設計例を参照しながら計算を行うことができる.
(5) 鋼部材の限界状態,耐荷性能の照査方法の概要,軸力を受ける部材の照査方法について理解し,簡単な例に対して照査できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1鋼材とコンクリートそれぞれの特徴と土木分野の鋼構造物について十分に理解し,説明できる.鋼材とコンクリートそれぞれの特徴と土木分野の鋼構造物について理解し,説明できる.鋼材とコンクリートそれぞれの特徴と土木分野の鋼構造物についての理解や説明ができない.
評価項目2構造物の主な設計法と設計基準類について十分に理解し,説明できる.構造物の主な設計法と設計基準類について理解し,説明できる.構造物の主な設計法と設計基準類について理解や説明ができない.
評価項目3構造物の設計に必要な力学基礎について十分に理解し,説明できる.構造物の設計に必要な力学基礎について理解し,説明できる.構造物の設計に必要な力学基礎について理解し,説明できない.
評価項目4道路橋の設計に用いる荷重や,主桁の設計に用いる荷重とそれによる断面力の計算方法について十分に理解し,設計計算例を見ながら設計できる.道路橋の設計に用いる荷重や,主桁の設計に用いる荷重とそれによる断面力の計算方法について理解し,設計計算例を見ながら,教員等からのアドバイスを得ながら設計できる.道路橋の設計に用いる荷重や,主桁の設計に用いる荷重とそれによる断面力の計算方法が理解できず,設計計算もできない.
評価項目5鋼部材の限界状態,耐荷性能の照査方法の概要,軸力を受ける部材の照査方法について十分に理解し,簡単な例について照査できる.鋼部材の限界状態,耐荷性能の照査方法の概要,軸力を受ける部材の照査方法について理解し,設計計算例を見ながら,簡単な例について照査できる.鋼部材の限界状態,耐荷性能の照査方法の概要,軸力を受ける部材の照査方法について理解し.照査できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目では,企業で鋼橋や鋼構造物の設計業務に従事していた教員が,その経験を活かして,構造物の設計に必要な知識として鋼構造物やコンクリート構造物の概要とともに,それらの設計法の概要を説明する.また,具体的な構造物の設計方法について理解するため,構造物の設計に必要な力学基礎,設計荷重の載荷方法と設計断面力の計算方法,耐荷性能の照査方法,軸力を受ける部材の設計方法について説明するとともに設計計算を行う.
授業の進め方・方法:
本科目では,構造物の概要,その主な設計法や設計基準類,構造物の設計に必要な力学基礎,鋼橋の設計荷重,影響線を用いたその載荷方法とそれを利用した設計断面力の計算方法,耐荷性能の照査方法,軸力を受ける部材の設計方法について講義形式で説明する.
注意点:
本講義では,構造力学,建設材料,コンクリート構造の基礎的知識が習得できていることを前提として授業を進める.
本科目は,授業で保証する学習時間と,予習・復習及び課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である. 評価の対象としない欠席条件(割合) 1/4以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 構造物の概要
 鋼材とコンクリートの素材として,構造物としての特徴,鋼構造物を中心として,その計画,設計,製作から架設,維持管理までの一連の流れについて学ぶ.
鋼とコンクリートの素材として,構造物としての長所と短所,鋼構造物の計画から維持管理にわたるまでの一連の流れについて理解できる.
2週 構造物の設計法
 構造物の主な設計法と設計基準類について学ぶ.
構造物の設計に関する用語や各種設計法の特徴,我が国の土木分野における設計基準類について理解できる.
3週 構造設計のための力学基礎(1)
 単純桁の支点反力や断面力の影響線について学ぶ
単純桁の支点反力や断面力の影響線の求め方について理解できる.
4週 構造設計のための力学基礎(2)
 単純トラスの支点反力や断面力の影響線について学ぶ
単純トラスの支点反力や断面力の影響線の求め方について理解できる.
5週 構造設計のための力学基礎(3)
 ゲルバー桁の支点反力や断面力の影響線について学ぶ
ゲルバー桁の支点反力や断面力の影響線の求め方について理解できる.
6週 構造設計のための力学基礎(4)
 柱部材の座屈現象や弾性座屈荷重について学ぶ
柱部材の座屈現象について理解できる.種々の境界条件に対してEulerの座屈荷重が計算できる.
7週 構造設計のための力学基礎(5)
 細長比,長柱,中間柱や短柱について学ぶ.
柱部材の細長比,長柱や短柱の区別について理解できる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 設計荷重(1)
構造物として橋梁を対象に,設計に用いる荷重の種類,死荷重と活荷重,衝撃の影響について学ぶ.
動荷重と静荷重の差異,橋梁の設計に用いる死荷重と活荷重の特徴とその考え方,動的な効果の取り扱いについて理解できる.
10週 設計荷重(2)
 単純プレートガーダー橋を対象として,死荷重の計算方法,活荷重の影響線載荷方法について学ぶ.
影響線を用いた,等分布荷重や集中荷重を受ける単純プレートガーダー橋を構成する部材の死荷重の計算方法,荷重による断面力や支点反力の計算方法について理解できる.
11週 設計荷重(3)
単純プレートガーダー橋を対象として,死荷重と活荷重による設計断面力の計算方法について学ぶ.
単純プレートガーダー橋の主桁の設計断面力を計算する場合について,影響線を使用した活荷重の載荷範囲の決定や,それによる具体的な断面力の計算方法について理解できる.
12週 設計荷重(4)
橋梁の設計における地震,風,温度変化の影響について学ぶ.
死荷重,活荷重以外に,橋梁を設計する場合に考慮しなければならない荷重として,地震力,風荷重や温度変化の取り扱いについて理解できる.
13週 鋼部材の耐荷性能の照査
 鋼道路橋を対象とした荷重抵抗係数設計法における、設計状況、限界状態、全般的な耐荷性能の照査法について学ぶ.
鋼道路橋を対象とした荷重抵抗係数設計法における,設計状況,鋼部材の状態,限界状態,全般的な耐荷性能の照査方法について理解できる.
14週 軸力を受ける部材 (1)
 軸方向引張力を受ける部材の各限界状態に対する制限値について学ぶ.
 軸方向引張力を受ける部材の各限界状態に対する制限値,作用応力の計算と照査方法について理解できる.
15週 軸力を受ける部材 (2)
 軸方向圧縮力を受ける部材の全体座屈と局部座屈,座屈に及ぼす初期不整の影響について学ぶ.
 軸方向圧縮力を受ける部材に生ずる全体座屈と局部座屈,座屈に及ぼす初期不整の影響について理解できる.
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。4前3,前4,前5,後5,後6
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。4前3,前4,前5,前10,前11,後5,後6
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。4前6,前7
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。4前9,前10,前11,前12,後4,後5,後6,後7
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。4前2,前13
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。4前14,前15,後1,後2,後3
分野横断的能力汎用的技能コミュニケーションスキルコミュニケーションスキル結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前15,後8

評価割合

試験設計課題取組合計
総合評価割合702010100
専門的能力702010100