都市計画

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 都市計画
科目番号 6521 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 都市システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 テキスト:『図説わかる都市計画』森田哲夫ほか•、参考文献:山崎亮『縮充する日本「参加」が創り出す人口減少社会の希望』
担当教員 ゲゼール イェガネ ,大塚 毅彦

到達目標

"授業の最初に提示された都市計画に関するトピックについて、個人的な意見を考察し、表現することができる。
(1)都市計画・地域計画を、技術・文化・法律・経済など様々な文脈・視点から、また歴史・ライフサイクルなど時間的広がりにおいて理解し、都市計画・地域計画の手法を説明することができる。
(2)ワークショップや学外授業に積極的に参加し、今日の都市空間の課題に対して、柔軟かつ理論的・実践的に提案できる。
(3)人間と環境の自然な共存を考えることができる。
これらの目標を達成するために、授業以外では以下のような自習を行うことが求められる:
1)都市問題を整理する。
2)近隣の都市を選び、その地域特性や望ましいイメージを検討する。
3)土地利用の問題点を整理する。
4)都市交通の問題を整理し、改善策を検討する。"

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1都市計画の目的と意義、都市計画史の系譜意義、都市計画史の系譜を適切に説明できる意義、都市計画史の系譜を説明できる意義、都市計画史の系譜を適切に説明できない
土地利用計画、景観計画土地利用計画、景観計画を適切に説明できる土地利用計画、景観計画を説明できる土地利用計画、景観計画を適切に説明できない
市街地の開発・再開発、防災都市計画、地区計画市街地の開発・再開発、防災都市計画を適切に説明できる。市街地の開発・再開発、防災都市計画を説明できる。市街地の開発・再開発、防災都市計画を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
このコースは、海外の建築会社や建設会社で働いた経験のある教員が担当する。都市・地域計画に関する初期の理論から新しく確立された理論まで、都市・地域計画の本質的なトピックを取り上げる予定である。その内容を建築・土木の視点から解説する。都市システム工学系・建築系の学生には、都市・地域計画について総合的に理解し、都市空間を計画的に見ることができるようになることが求められます。
このコースでは、各テーマのグループディスカッションへの参加と、最終的なグループプレゼンテーションが奨励されています。
授業の進め方・方法:
講義では、教科書とその要点をまとめた講義ノートを中心に解説する。
注意点:
学生は都市計画と地域計画の基本的な考え方を持ち、現代都市の問題の背景を理解することが求められる。 学生は毎回の授業に出席し、前の講義の短い小テストを受け、授業中に質問するか、オンラインの Q&A フォームを使用してください。このコースでは、事前の復習、復習、課題を行うために 90 時間の自習時間が必要です。 評価はディスカッションや小テストなどの授業への参加が60%、グループでのプレゼンテーションが40%、中間・期末試験が40%となる。 授業を 1/3 以上欠席した場合は評価の対象とならない。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 "都市計画入門
授業のねらいと課題の説明
都市計画の定義と範囲
都市計画の歴史的進化
古代都市と城壁都市
城壁都市の進化
古代文明における都市計画戦略"
さまざまな規模の集落と都市の発展の定義を理解する。
2週 "産業革命と近代都市の台頭
工業化が都市化に与える影響
都市計画アプローチの変化
郊外、スラム街、ゲットー"
工業化が都市の形成に及ぼす影響を理解する。
3週 "都市開発の理論とモデル
古典的および現代の都市計画理論
都市の成長と発展のモデル
田園都市、新しい街、美しい街"
日本の近代都市と都市開発の基礎理論を理解する。
4週 "ラディカルな都市計画:オスマン化
市民運動: ジェーン・ジェイコブズ、近代都市の誕生と死、市民主導の計画
日本のまちづくり運動』"
現代の視点から世界都市を理解する。
5週 "再開発計画
日本の都市開発計画
駅周辺拠点再開発 姫路・明石"
日本の現代都市開発を理解する。
6週 "都市計画に関する政策及び条例
ゾーニングと土地利用計画
あフォーダブルな価格の住宅政策
環境計画と規制"
土地利用と住宅政策を理解する。
7週 "交通計画
地域計画とメガシティ
都市交通の課題
TOD、TND、TDM"
都市計画と交通開発を理解する。
8週 中間試験 前半の講義内容の理解度を評価する。
2ndQ
9週 "社会生活のための都市計画と地域計画 - ヤーン・ゲール
公共、私有、半公共空間の定義、公共生活を向上させる方法と空間の階層構造(ウーナーフ、混合利用道路、ノンストップ歩行者設計)"
都市計画が社会生活に与える影響を理解する。
10週 "ポストモダンな都市
都市計画とデザインにおける正義と公平
ユニバーサルな都市計画とデザイン
非排除性と非競争性包摂都市"
都市計画における包括性を理解する。
11週 "新しい都市主義:定義と例
X分都市、パンデミック後の都市"
地球規模の視点から現代の都市計画と開発戦略を理解する。
12週 防災と災害復旧計画
日本とアメリカのケーススタディ"
都市計画における災害の影響を理解する。
13週 "持続可能な都市開発
持続可能な都市主義と緑豊かな都市の原則
グリーンインフラストラクチャーとエコシティコンセプト、自然ベースのソリューション"
都市計画における持続可能性を理解する。
14週 "スマートシティ - テクノロジーと持続可能性
データ駆動型の都市計画
未来都市"
スマートシティの概念を理解する。
15週 "現代の都市計画とデザインの問題点
人口減少
人口過剰
貧しいコミュニティ
気候変動"
現代の都市問題を理解する。
16週 期末試験 後半の授業内容の理解度を評価する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野計画国土と地域の定義を説明できる。4
日本、世界における古代、中世および現代の都市計画の思想および理念と実際について、説明できる。4
都市計画法と都市計画関連法の概要について、説明できる。4
土地利用計画と交通計画について、説明できる。4
総合計画とマスタープランについて、説明できる。4
都市計画区域の区域区分と用途地域について、説明できる。4
緑化と環境整備(緑の基本計画)について、説明できる。4
風景、景観と景観要素について、説明できる。4
都市の防災構造化を説明できる。4
土地区画整理事業を説明できる。4
市街地開発・再開発事業を説明できる。4
計画の意義と計画学の考え方を説明できる。4
分野横断的能力汎用的技能コミュニケーションスキルコミュニケーションスキル日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3前10
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
基盤的資質・能力自己理解自己理解周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3
創造性・デザイン能力創造性創造性工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合40600000100
基礎的能力0000000
専門的能力40600000100
分野横断的能力0000000