制御工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 制御工学Ⅱ
科目番号 A5-0282 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:3
教科書/教材 教科書:川田昌克「MATLAB/Simulinkによる現代制御入門」森北出版/参考図書:池田雅夫他「多変数システム制御」コロナ社,土谷武士他「現代制御工学」産業図書,宮崎道雄編「EE Text システム制御Ⅱ」オーム社,森泰親「演習で学ぶ現代制御理論」森北出版,G. F. Franklin, et al.:"Feedback Control of Dynamic Systems, 4th Ed.", Prentice Hall
担当教員 堀 勝博

到達目標

1.数学,物理学や制御対象が属する他の専門領域の知識を統合して,制御対象を状態空間モデルで表現できる。
2.システムの状態方程式の解より,システムの時間応答を計算できる。
3.システムの安定性,可制御性および可観測性について解析できる。
4.状態フィードバック,極配置,オブザーバ,最適制御により,レギュレータおよびサーボ制御系を設計できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.数学,物理学や制御対象が属する他の専門領域の知識を統合して,制御対象を状態空間モデルで表現できる。数学,物理学や制御対象が属する他の専門領域の知識を統合して,制御対象を状態空間モデルで表現できる。数学,物理学や制御対象が属する他の専門領域の知識を統合して,基本的な制御対象を状態空間モデルで表現できる。数学,物理学や制御対象が属する他の専門領域の知識を統合して,制御対象を状態空間モデルで表現できない。
2.システムの状態方程式の解より,システムの時間応答を計算できる。システムの状態方程式の解より,システムの時間応答を計算できる。システムの状態方程式の解より,基本的なシステムの時間応答を計算できる。システムの状態方程式の解より,システムの時間応答を計算できない。
3.システムの安定性,可制御性および可観測性について解析できる。システムの安定性,可制御性および可観測性について解析できる。基本手的なシステムの安定性,可制御性および可観測性について解析できる。システムの安定性,可制御性および可観測性について解析できない。
4.状態フィードバック,極配置,オブザーバ,最適制御により,レギュレータおよびサーボ制御系を設計できる。状態フィードバック,極配置,オブザーバ,最適制御により,レギュレータおよびサーボ制御系を設計できる。状態フィードバック,極配置,オブザーバ,最適制御により,基本的なレギュレータおよびサーボ制御系を設計できる。状態フィードバック,極配置,オブザーバ,最適制御により,レギュレータおよびサーボ制御系を設計できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (c) 数学及び自然科学に関する知識とそれらを応用できる能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(1) 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする)の知識と能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(4) (工学)技術者が経験する実務上の問題点と課題を解決し,適切に対応する基礎的な能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
学科目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および電気磁気学,電気回路などを通して,工学の基礎知識と応用力を身につける。
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
学科目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,エネルギー・制御関連科目,エレクトロニクス関連科目,情報通信関連科目などを通して,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける。
本科の点検項目 F-ⅰ ものづくりや環境に関係する工学分野のうち,専門とする分野の知識を持ち,基本的な問題を解くことができる

教育方法等

概要:
制御工学Ⅰで学んだ古典制御理論を基礎として,より規模の大きな多変数制御システムの設計に適した現代制御理論の修得を目標とします。
授業の進め方・方法:
授業は,状態空間表現による伝達関数によるシステム表現から始めて,時間応答と安定性,状態フィードバックによるレギュレータ設計,サーボシステム設計,オブザーバ設計,最適制御による制御系設計の順に進めます。
評価は,学期末の定期試験,課題レポートおよび小テストにより総合的に行います。評価の割合は,定期試験40%,課題レポート30%,小テスト30%とし,合格点は60点以上です。
注意点:
古典制御理論,行列論の知識が前提となります。また,授業内容の予習・復習や課題レポート等について自学自習により取り組むこと(60時間の自学自習が必要です)。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 序論 現代制御理論の考え方,高次システムと・多入出力システムの取り扱いについて理解し,説明できる。
2週 状態空間表現(1) 現代制御理論におけるシステムの表現法である状態空間表現について理解し,システムを状態空間で表現できる。
3週 状態空間表現(2) 状態空間表現および伝達関数表現との関係について理解し,状態空間表現と伝達関数表現を変換できる。
4週 線形システムの時間応答(1) 状態空間表現により記述された線形システムの時間応答を計算できる。
5週 線形システムの時間応答(2) 状態空間表現により記述された線形システムの極と安定性・過渡特性の関係について理解し,安定性を判定できる。
6週 状態フィードバック制御(1) 線形システムの可制御性について理解し,可制御性を判定できる。
7週 状態フィードバック制御(2) 状態フィードバックによるレギュレータ制御,極配置について理解し,極配置によりレギュレータを設計できる。
8週 サーボシステム設計(1) サーボシステムについて理解し,説明できる。
4thQ
9週 サーボシステム設計(2) 積分型コントローラによりサーボシステムを設計できる。
10週 オブザーバと出力フィードバック(1) オブザーバ,可観測性について理解し,オブザーバを設計できる。
11週 オブザーバと出力フィードバック(2) オブザーバを用いた制御系を設計できる。
12週 リアプノフの安定性理論 リアプノフの意味での安定性について理解し,リアプノフの安定定理より安定判別できる。
13週 最適制御(1) 最適制御設計法について理解し,最適レギュレータを設計できる。
14週 最適制御(2) リカッチ方程式の数値解法について理解し,計算できる。
15週 最適制御(3) 最適サーボシステムを設計できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。4
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。4
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4

評価割合

定期試験課題レポート小テスト合計
総合評価割合403030100
基礎的能力0000
専門的能力403030100
分野横断的能力0000