化学特論Ⅱ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 化学特論Ⅱ
科目番号 0032 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「化学 改訂版」,啓林館  / 「センサ 化学 改訂版」,啓林館 配布プリント
担当教員 片倉 勝己

到達目標

1. 固体物質における化学結合,結晶の種類,構造,性質,特徴が理解できる。
2. 溶解平衡と溶解度,希薄溶液,浸透と浸透圧,コロイド溶液が理解できる。
3. 可逆反応と化学平衡,平衡定数,酸・塩基の電離平衡,塩の加水分解,弱酸と弱塩基の遊離,緩衝液,難溶性塩の溶解平衡が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1化学結合の種類を理解し,固体物質における化学結合,代表的な結晶の種類,構造,性質,特徴について的確に説明できる。化学結合の種類を理解し,固体物質における化学結合,代表的な結晶の種類,構造,性質,特徴について説明できる。化学結合の種類が説明できない。固体物質における化学結合,代表的な結晶の種類,構造,性質,特徴について説明できない。
評価項目2溶解平衡と溶解度,希薄溶液,浸透と浸透圧,コロイド溶液,可逆反応・化学平衡・平衡定数が的確に説明でき、これらの計算問題に正しく答えることができる。溶解平衡と溶解度,希薄溶液,浸透と浸透圧,コロイド溶液,可逆反応・化学平衡・平衡定数が説明でき、これらの計算問題に答えることができる。溶解平衡と溶解度,希薄溶液,浸透と浸透圧,コロイド溶液,可逆反応・化学平衡・平衡定数が説明できず、これらの計算問題に答えることができない。
評価項目3酸・塩基の電離平衡,塩の加水分解,弱酸と弱塩基の遊離,緩衝液,難溶性塩の溶解平衡が的確に説明でき、これらの計算問題に正しく答えることができる。酸・塩基の電離平衡,塩の加水分解,弱酸と弱塩基の遊離,緩衝液,難溶性塩の溶解平衡が説明でき、これらの計算問題に答えることができる。酸・塩基の電離平衡,塩の加水分解,弱酸と弱塩基の遊離,緩衝液,難溶性塩の溶解平衡が説明できず、これらの計算問題に答えることができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 1年次履修の化学を基礎として,物質の構成や物質の変化について,分子・原子・イオンなどの基本的な構成粒子を基に考えを発展させる。また,化学反応について,化学平衡などの数学的な取り扱いについて理解できるように,演習を含めて講義を行う。
授業の進め方・方法:
 座学による講義が中心となる。自分で教科書を読み,基礎的内容を理解していることを前提に授業を進める。講義中に課す課題および問題集に取り組めるようにして,各自の理解度を深める。また,小テストを実施することで,各自の理解度を確認する。定期試験返却時に解説を行い,理解が不十分な点を解消する。
注意点:
関連科目
 一般化学演習Ⅱ(2年,1単位),分析化学(3年,2単位)
学習指針
事前学習・・・予め指示をするので,教科書を読み,学習した内容をノートにまとめておくこと。授業は基礎的内容を理解していることを前提に進める。授業中に教科書の内容や問題の解答等を説明して,理解を深める。
事後展開学習・・・講義ノートを見直し、追記、まとめをやっておくこと。課題や問題集の指定問題を自分で考えて答えを導いた後,解答を参考にして,分からなかった点について理解を深めておくこと。
課題を貸すので、課題は原則、WEBCLASSにて提出すること。
定期試験・・・「化学特論II」の授業で学習した内容から出題する。授業の内容をしっかりと理解して,覚えておくことが必要である。

学修単位の履修上の注意

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション
固体の構造(化学結合と結晶)
化学特論Ⅱの学習の意義や内容,評価の方法が理解できる。
固体を形成する化学結合の種類を理解し、固体の物理的性質との関係を説明できる。また、代表的な金属結晶、イオン性結晶、分子結晶、共有結合性結晶の構造について理解できる。
2週 溶解平衡と溶解度 溶媒による溶解性の違いを理解できる。固体の溶解度,再結晶による物質の精製,気体の溶解度・ヘンリーの法則が理解でき,これに関する計算ができる。
3週 濃度の計算 質量%濃度,体積%濃度(溶質が溶液),モル濃度,質量モル濃度が理解でき,これに関する計算ができる。
4週 希薄溶液の性質 蒸気圧降下,沸点上昇・凝固点降下が理解でき,これに関する計算ができる。
5週 浸透と浸透圧
コロイド溶液
浸透と浸透圧,ファントホッフの法則が理解でき,これらを用いた計算ができる。コロイド溶液の性質が理解できる。
6週 化学平衡とその移動 可逆反応,反応速度と化学平衡,平衡定数が理解でき,平衡定数に関する計算ができる。
7週 前期中間試験 これまでの授業内容を理解し,試験問題を正しく解答することができる 。
8週 試験返却
試験返却をして,試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。
2ndQ
9週 化学平衡とその移動2 反応条件の変化と平衡移動の関係が理解できる。濃度変化,圧力変化,温度変化などよる平衡移動について理解できる。平衡移動と平衡定数の関係が理解できる。
10週 電離平衡 弱酸・弱塩基の電離定数,水素イオン濃度とpHが理解でき,これらに関する計算ができる。
11週 電離平衡2 多価の酸の電離とpHについて理解でき,pHの計算ができる。塩の加水分解が理解でき,弱酸・弱塩基の塩の水溶液のpHが計算できる。弱酸・弱塩基の遊離について理解できる。
12週 電離平衡3 緩衝液の原理が理解でき,緩衝液に関するpHの計算ができる。滴定曲線について加水分解,緩衝作用を用いて理解できる。
13週 難溶性塩の溶解平衡 難溶性塩の水溶液中の平衡が理解でき,溶解度積の計算ができる。溶解平衡と共通イオン効果について理解できる。
14週 難溶性塩の溶解平衡2 沈殿滴定について理解できる。硫化水素の電離と硫化物の沈殿の関係が理解でき,その計算ができる。水素イオン濃度と硫化物の沈殿生成について理解でき,その計算ができる。
15週 前期末試験 授業内容を理解し,試験問題を正しく解答することができる
16週 試験返却
試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学化学イオン結合について説明できる。3
イオン結合性物質の性質を説明できる。3
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3
共有結合について説明できる。3
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3前10
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3前3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3前3
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3前10
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3前11
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3前10
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3前10
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。3前13
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。3前14
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。3前11
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。3前11
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。3前12
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。4前11

評価割合

定期試験課題小テスト合計
総合評価割合702010100
基礎的能力020020
専門的能力7001080