生物化学Ⅲ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 生物化学Ⅲ
科目番号 0071 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 生物化学 杉森大助他著 森北出版 (3年次購入済)
担当教員 伊月 亜有子

到達目標

1.異化のしくみを理解して、同化のしくみとその実例(糖新生などの糖代謝・脂肪酸合成などの脂質代謝・尿素サイクルなどのアミノ酸代謝・ヌクレオチド合成などの核酸代謝・光合成と窒素固定などの項目)について説明できるようになる。
2.発生や免疫(分化と初期化・抗体及びT細胞の構造と機能・情報伝達と病や薬の関連などの項目)について説明できるようになる。
3.遺伝子発見の歴史とクリックのセントラルドグマ(メンデルの法則に従う場合と従わない場合・遺伝子の発見とDNAの構造・タンパク質の合成概論などの項目)について説明できるようになる。
4.タンパク合成のしくみの詳細と遺伝子操作の基礎(タンパク質の修飾や輸送や分解・転写のしくみと転写調節・翻訳のしくみと翻訳阻害・逆転写酵素とその応用などの項目)について説明できるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標項目1(前期中間)目標事項が完全に説明できる。目標事項が概ね説明できる。目標事項が殆ど説明できない。
到達目標項目2(前期末)目標事項が完全に説明できる。目標事項が概ね説明できる。目標事項が殆ど説明できない。
到達目標項目3(後期中間)目標事項が完全に説明できる。目標事項が概ね説明できる。目標事項が殆ど説明できない。
到達目標項目4(後期末)目標事項が完全に説明できる。目標事項が概ね説明できる。目標事項が殆ど説明できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
3年生では生体分子の構造と生体分子を分解してエネルギーを得る過程(異化)について詳しく学んだ。4年生では、異化のしくみを確認した後、到達目標1~4について学び、5年生の分子生物学を学習するのに必要な知識や知恵を体得する。この科目は、生物化学I・生物化学II・応用微生物学・分子生物学と関連深い。
授業の進め方・方法:
教科書の内容を説明すると共に、グループで学習内容について説明し合う時間や演習課題に取り組む時間も設ける。
注意点:
事前学習・・・あらかじめ講義内容に該当する部分の教科書を読み、前回の授業で配布された学習プリントを埋めておく。理解できるところ、理解できないところを明らかにしておく。
授業中・・・グループ活動は勿論、家庭学習向け課題にも能動的かつ積極的に取り組むことが必要である。学習プリントは授業後提出する。
事後展開学習・・・返却された学習プリントで理解できていなかった点を中心に復習すると共に、別途配布されるテスト対策プリントを自分で解き、テスト前に提出する。

学修単位の履修上の注意

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 左記項目について説明できる。
2週 生物化学IIの復習 左記項目について説明できる。
3週 糖質の代謝(グリコーゲンの合成と分解) 左記項目について説明できる。
4週 糖質の代謝(糖新生・ペントースリン酸回路) 左記項目について説明できる。
5週 脂質の代謝(脂肪酸の分解) 左記項目について説明できる。
6週 脂質の代謝(脂質の生合成) 左記項目について説明できる。
7週 脂質の代謝(ステロイドの生合成) 左記項目について説明できる。
8週 前期中間試験 試験問題に対して正しく解答することができる。
2ndQ
9週 試験返却 理解が不十分な点が解消できるようになる。
10週 核酸の代謝(プリンヌクレオチドの生合成) 左記項目について説明できる。
11週 核酸の代謝(ピリミジンヌクレオチドの生合成) 左記項目について説明できる。
12週 核酸の代謝(デオキシリボヌクレオチドの生合成) 左記項目について説明できる。
13週 遺伝情報の伝達 左記項目について説明できる。
14週 遺伝情報の発現 左記項目について説明できる。
15週 前期末試験 試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解答 理解が不十分な点が解消できるようになる。
後期
3rdQ
1週 タンパク質・アミノ酸の代謝(タンパク質の合成と分解) 左記項目について説明できる。
2週 タンパク質・アミノ酸の代謝(アミノ酸の分解経路) 左記項目について説明できる。
3週 タンパク質・アミノ酸の代謝(アミノ酸の利用) 左記項目について説明できる。
4週 代謝のまとめ 左記項目について説明できる。
5週 免疫と生体防御(免疫系による生体防御機構) 左記項目について説明できる。
6週 免疫と生体防御(アレルギー) 左記項目について説明できる。
7週 免疫と生体防御(自己免疫疾患・免疫不全) 左記項目について説明できる。
8週 前期中間試験 試験問題に対して正しく解答することができる。
4thQ
9週 試験返却・解答 理解が不十分な点が解消できるようになる。
10週 炭酸同化 左記項目について説明できる。
11週 光合成(明反応と暗反応) 左記項目について説明できる。
12週 光合成(光合成細菌) 左記項目について説明できる。
13週 恒常性の維持 左記項目について説明できる。
14週 発生 左記項目について説明できる。
15週 前期末試験 試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却 理解が不十分な点が解消できるようになる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物化学単糖と多糖の生物機能を説明できる。4前1
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4前1
グリコシド結合を説明できる。4前1
多糖の例を説明できる。4前1
脂質の機能を複数あげることができる。4前2
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4前2
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4前2
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4前3
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。4前3
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4前3
タンパク質の高次構造について説明できる。4前3,後10
ヌクレオチドの構造を説明できる。4前4,後4
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4後3,後4
DNAの半保存的複製を説明できる。4後5
RNAの種類と働きを列記できる。4後4
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。4後6,後7,後11,後12,後13,後14
解糖系の概要を説明できる。4前1
クエン酸回路の概要を説明できる。4前3
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4前4
各種の光合成色素の働きを説明できる。4前5
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。4前6
炭酸固定の過程を説明できる。4前6,前7

評価割合

試験レポート・課題授業取組合計
総合評価割合80200100
専門的能力80200100