情報工学実験

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 情報工学実験
科目番号 J3-4810 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:3 後期:3
教科書/教材 木下 是雄 著「レポートの組み立て方」(筑摩書房)
担当教員 三上 剛

到達目標

1) Z80アセンブリ言語の実習,H8マイコンの実習,回路の解析,論理回路の設計,ソフトウェア実験を行うことで,これまで授業で学習した内容をより深く理解でき,実体験で得た知識を説明できる
2) 技術文書の作成方法を学ぶことで,適切なコミュニケーション能力を高めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1Z80アセンブラ言語の実習、RXマイコン制御実験を行うことで、これまで授業で学習した内容をより深く理解でき、実体験で得た知識を説明出来るZ80アセンブラ言語の実習、、RXマイコン制御実験を行うことで、これまで授業で学習した内容をより深く理解できる.Z80アセンブラ言語の実習およびRXマイコン制御実験を行っても、これまで授業で学習した内容を理解できず説明もできない.
評価項目2回路解析、論理回路の設計、数値演算を行うことで、これまで授業で学習した内容をより深く理解でき、実体験で得た知識を説明出来る回路解析、論理回路の設計、数値演算を行うことで、これまで授業で学習した内容をより深く理解できる.回路解析、論理回路の設計、数値演算を行っても、これまで授業で学習した内容を理解できず説明もできない.
評価項目3技術文書の作成方法を学ぶことで、適切なコミュニケーション能力が十分身についた.技術文書の作成方法を学ぶことで、適切なコミュニケーション能力が身についた.適切なコミュニケーション能力が身につかない.

学科の到達目標項目との関係

学習目標 Ⅰ 人間性
学習目標 Ⅱ 実践性
学習目標 Ⅲ 国際性
学校目標 C(コミュニケーション) 日本語で記述,発表,討論するプレゼンテーション能力と国際的な場でコミュニケーションをとるための語学力の基礎能力を身につける
本科の点検項目 C-ⅰ 自分の考えをまとめてプレゼンテーションできる
本科の点検項目 C-ⅲ 自分の考えを論理的に日本語の文章で記述できる
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
学科目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,情報工学実験,情報通信Ⅰ・Ⅱ,システム工学などを通して,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける.
本科の点検項目 F-ⅱ 実験,演習,研究を通して,課題を認識し,問題解決のための実施計画を立案・実行し,その結果を解析できる
本科の点検項目 F-ⅲ 専門とする分野の技術を実践した結果を工学的に考察して,期限内にまとめることができる
学校目標 I(チームワーク) 自身の専門領域の技術者とは勿論のこと,他領域の技術者ともチームを組み,計画的かつ円滑に仕事を遂行できる能力を身につける
学科目標 I(チームワーク) 情報工学実験,学外実習などを通して,自身の専門領域の技術者とは勿論のこと,他領域の技術者ともチームを組み,計画的かつ円滑に仕事を遂行できる能力を身につける.
本科の点検項目 I-ⅰ 共同作業における責任と義務を認識し,計画的かつ円滑に仕事を遂行できる能力を身につける

教育方法等

概要:
前期はZ80マイコンボードを用いたアセンブリ言語によるマイコン制御を行い、後期はRXマイコンを用いてC言語でマイコン制御を行う.また、後期は組み合わせ論理回路や回路解析に関するハードウェア実験とソフトウェア実験で構成されている.前期は個別実験で全員一斉に行い、後期は2班に分かれて実施する.
授業の進め方・方法:
1 週で1 つの実験テーマを基本とするが、数週間で1 つの実験テーマを実施する場合もある。実施場所は、前期は情報棟2階工学基礎実験室、後期は,情報棟2階工学基礎実験室、情報棟3階情報システム実習室、情報棟3階情報処理実習室.
注意点:
1、2年生の情報技術基礎、プログラミング、回路理論、論理回路、および3年生の論理回路、計算機システムⅠ、プログラム設計演習に関する知識が必要となる。実験当日は、各テーマにおいて必要とされる実験ノート・関連教科書・関数電卓・作図用具一式、作業用USBメモリ等を用意すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期実験のガイダンス、実験機器の説明 実験で使用するZ80マイコンを操作できる
2週 Z80マイコンのハードウェア Z80アセンブラ言語の概要を説明出来る
3週 ジャンプ命令とプログラム作成演習 Z80マイコンボードのハードウェア構成を理解出来る
4週 ジャンプ命令(2) ループの方法について説明出来る
5週 シフト命令 シフト命令を用いた乗算の原理について説明出来る
6週 8ビット乗算 8ビットの乗算を行うプログラムを作成できる
7週 予備実験、報告書執筆指導 適切な技術文書としての実験報告書が執筆できる
8週 多桁加減算 多桁の加減算の方法を説明でき、そのプログラムを作成できる
2ndQ
9週 フラグレジスタとトレース実行 フラグレジスタについて説明でき、トレース実行でプログラムを動作させることができる
10週 サブルーチン サブルーチンの概念を説明出来る
11週 ソフトウェアタイマ ソフトウェアタイマのプログラムを作成できる
12週 LEDの制御 Z80-PIOを用いてLEDを制御する方法を説明出来る
13週 ハードウェアタイマと割り込み ハードウェアタイマを用いた割り込み処理を行うプログラムを作成できる
14週 スイッチ入力 チャタリングの原因とチャタリングを防止する方法について説明出来る
15週 予備実験、報告書執筆指導 適切な技術文書としての実験報告書が執筆できる
16週
後期
3rdQ
1週 後期実験のガイダンス 後期実験のテーマの概要と、レポート提出の方法について理解する
2週 RXマイコンの概要と使用方法 RXマイコンのハードウェアを理解でき、プログラムの開発手順について理解できる
3週 マイコン制御のためのC言語 C言語を用いたRXマイコン制御の方法について理解できる
4週 LEDの制御 RXマイコンからLEDの点灯を制御するプログラムを作成できる
5週 ディップスイッチの制御 ディップスイッチの入力によりLEDの点灯を制御するプログラムを作成できる
6週 ハードウェアタイマ ハードウェアタイマを用いて、ある一定時間感覚で点滅制御することができる
7週 SCIの制御 パソコンのキーボードからハードウェアタイマを設定するプログラムを作成できる
8週 予備実験、報告書執筆指導 適切な技術文書としての実験報告書が執筆できる
4thQ
9週 液晶ディスプレイの制御 液晶ディスプレイに文字を表示するプログラムを作成できる
10週 回路素子と回路解析(1) 交流信号に対する抵抗、コンデンサ、コイルの電気的特性を把握し、RC, RLを組み合わせた回路の特性を理解出来る
11週 回路素子と回路解析(2) 交流信号に対する抵抗、コンデンサ、コイルの電気的特性を把握し、RC, RLを組み合わせた回路の特性を理解出来る
12週 組み合わせ論理回路 組み合わせ回路の設計法、動作を理解出来る.
13週 数値演算誤差 浮動小数点の演算と誤差について説明出来る
14週 行列演算と連立方程式の解法(1) 計算機を用いた行列演算と数値的計算が出来る
15週 行列演算と連立方程式の解法(2) 計算機を用いた行列演算と数値的計算が出来る
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。3
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング変数とデータ型の概念を説明できる。3
代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。3
制御構造の概念を理解し、条件分岐や反復処理を記述できる。3
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。3
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。3
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3
主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。3
ソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。3
プログラミング言語は計算モデルによって分類されることを説明できる。3
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。3
ソフトウェアアルゴリズムの概念を説明できる。3
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。3
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。3
時間計算量や領域計算量などによってアルゴリズムを比較・評価できることを理解している。3
整列、探索など、基本的なアルゴリズムについて説明できる。3
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。3
同一の問題に対し、選択したデータ構造によってアルゴリズムが変化しうることを説明できる。3
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造の概念と操作を説明できる。3
情報数学・情報理論コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。4
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。4
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。4
その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。3
トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。3
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3
ソフトウェア開発の現場において標準的とされるツールを使い、生成したロードモジュールの動作を確認できる。3
与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。3

評価割合

レポート合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100
分野横断的能力00