到達目標
1. ピクセルデータの入力・生成・処理といったディジタル画像処理の基礎について説明・実装できる.
2. 様々なデータを可視化するための階調変換や疑似カラーコーディング等の基本的な考え方を説明・実装できる.
3. 3次元CGが,投影,可視判定,陰面消去等と,2次元CGの技法の組合せで実現できることを説明・実装できる.
4. シェーディング,テクスチャマッピング,曲面の近似等の技法により,より精密な描写が可能であることを説明・実装できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | ピクセルデータの入力・生成・処理といったディジタル画像処理の基礎について十分に理解しており,的確に説明し,自力で正しく実装できる. | ピクセルデータの入力・生成・処理といったディジタル画像処理の基礎について理解し,標準的なレベルで説明・実装できる. | ピクセルデータの入力・生成・処理といったディジタル画像処理の基礎について理解が不十分であり,的確な説明あるいは正しい実装ができない. |
評価項目2 | 様々なデータを可視化するための階調変換や疑似カラーコーディング等の基本的な考え方を十分に理解しており,的確に説明し,自力で正しく実装できる. | 様々なデータを可視化するための階調変換や疑似カラーコーディング等の基本的な考え方を理解し,標準的なレベルで説明・実装できる. | 様々なデータを可視化するための階調変換や疑似カラーコーディング等の基本的な考え方を十分に理解できておらず,的確な説明あるいは正しい実装ができない. |
評価項目3 | 3次元CGが,投影,可視判定,陰面消去等と,2次元CGの技法の組合せで実現できることを十分に理解しており,的確に説明し,自力で正しく実装できる. | 3次元CGが,投影,可視判定,陰面消去等と,2次元CGの技法の組合せで実現できることを理解し,標準的なレベルで説明・実装できる. | 3次元CGが,投影,可視判定,陰面消去等と,2次元CGの技法の組合せで実現できることを十分に理解できておらず,的確な説明あるいは正しい実装ができない. |
評価項目4 | シェーディング,テクスチャマッピング,曲面の近似等の技法により,より精密な描写が可能であることを十分に理解しており,的確に説明し,自力で正しく実装できる. | シェーディング,テクスチャマッピング,曲面の近似等の技法により,より精密な描写が可能であることを理解し,標準的なレベルで説明・実装できる. | シェーディング,テクスチャマッピング,曲面の近似等の技法により,より精密な描写が可能であることを十分に理解できておらず,的確な説明あるいは正しい実装ができない. |
学科の到達目標項目との関係
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (c) 数学及び自然科学に関する知識とそれらを応用できる能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (g) 自主的,継続的に学習できる能力
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
学科目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および計算機システムⅠ・Ⅱ,オペレーティングシステムⅠ・Ⅱ,情報理論などを通して,工学の基礎知識と応用力を身につける.
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
学科目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,情報工学実験,情報通信Ⅰ・Ⅱ,システム工学などを通して,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける.
本科の点検項目 F-ⅰ ものづくりや環境に関係する工学分野のうち,専門とする分野の知識を持ち,基本的な問題を解くことができる
教育方法等
概要:
様々な分野で不可欠な技術である,コンピュータグラフィクスや画像の取扱いの基礎を学ぶ.
具体的な内容は,様々なアプリケーションを開発する際に必要となる,次の基本的な処理である.
1) 画像の表示・生成・変換
2) データのグラフ化や2次元図形の描画を行う2次元CG
3) 3次元の形状を線や面で描画する3次元CG
授業の進め方・方法:
重要な基礎理論については,できる限り計算機実習により理解を深めていく方針であり,基本的に実習室で授業を行うものとする.
ほとんどの授業項目において,前に扱った内容が基礎となっているので,授業内で出題される課題については,提出の要・不要を問わず,次回の授業時までに完成させておく必要がある.
授業項目に対する達成目標に関する問題・課題を,定期試験・到達度試験および授業中に出題する.
評価時の重み付けは,定期試験40%,到達度試験35%,課題等25%であり,合格点は60点以上である.
再試験は基本的に実施されないものと考え,継続的に取り組むこと.
注意点:
ベクトル・行列の計算等の基礎知識と自学学習(45時間以上)を必要とする.
提出を要する課題の場合,内容が不適切な場合には再提出を求めることがある.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
画像の生成・表示・処理(1) |
ディジタル画像のピクセルデータをファイルから入力あるいは生成する方法,および目的に応じた処理を加えて表示するための基本的な方法を説明・実装できる.
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2週 |
画像の生成・表示・処理(2) |
ディジタル画像のピクセルデータをファイルから入力あるいは生成する方法,および目的に応じた処理を加えて表示するための基本的な方法を説明・実装できる.
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3週 |
画像の生成・表示・処理(3) |
ディジタル画像のピクセルデータをファイルから入力あるいは生成する方法,および目的に応じた処理を加えて表示するための基本的な方法を説明・実装できる.
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4週 |
色の分類,限定色表示(1) |
画像データに含まれる色に着目し,その分類あるいは調整を行う古典的技法である限定色表示について説明・実装できる.
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5週 |
色の分類,限定色表示(2) |
画像データに含まれる色に着目し,その分類あるいは調整を行う古典的技法である限定色表示について説明・実装できる.
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6週 |
ヒストグラム,コントラスト強調(1) |
画像データに含まれる色の分布を表すヒストグラムを用いてコントラストの強弱を認識した後,その強調処理について説明・実装できる.
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7週 |
ヒストグラム,コントラスト強調(2) |
画像データに含まれる色の分布を表すヒストグラムを用いてコントラストの強弱を認識した後,その強調処理について説明・実装できる.
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8週 |
階調変換 |
様々なデータを可視化するための階調変換について説明・実装できる.
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2ndQ |
9週 |
疑似カラーコーディングによるデータの可視化 |
様々なデータを可視化するための疑似カラーコーディング等の基本的な技法について説明・実装できる.
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10週 |
座標系と投影法 |
3次元特有の手法である投影法と2次元CGの技法の組合せにより,3次元CGを実現する方法を説明できる.
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11週 |
線分による表現,クリッピング,3次元幾何変換 |
3次元空間内における幾何変換やクリッピングも含め,線分による多面体の描画方法について説明・実装できる.
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12週 |
面の描画 |
面の塗り潰しによる多面体の描画方法について説明・実装できる.
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13週 |
テクスチャマッピング,シェーディング |
3次元CGにおけるテクスチャマッピング技法,シェーディング技法について説明・実装できる.
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14週 |
隠面消去法 |
隠面消去の方法について説明・実装できる.
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15週 |
曲面の描画とテクスチャマッピング |
ポリゴン近似による曲面の描画,曲面へのテクスチャマッピングについて説明・実装できる.
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | プログラミング | 変数とデータ型の概念を説明できる。 | 3 | |
代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。 | 3 | |
制御構造の概念を理解し、条件分岐や反復処理を記述できる。 | 3 | |
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。 | 3 | |
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。 | 4 | |
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。 | 4 | |
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。 | 3 | |
ソフトウェア | コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。 | 3 | |
情報数学・情報理論 | コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。 | 3 | |
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。 | 3 | |
その他の学習内容 | メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明できる。 | 3 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 情報系分野【実験・実習能力】 | 情報系【実験・実習】 | 与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。 | 3 | |
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。 | 3 | |
ソフトウェア開発の現場において標準的とされるツールを使い、生成したロードモジュールの動作を確認できる。 | 3 | |
与えられた数値を別の基数を使った数値に変換できる。 | 3 | |
評価割合
| 定期試験 | 到達度試験 | 課題等 | 合計 |
総合評価割合 | 40 | 35 | 25 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 40 | 35 | 25 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |