科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 物理
科目番号 S3-1410 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 兵藤申一等編「物理」啓林館/高校物理研究会「ステップアップノート物理II」啓林館
担当教員 藤石 碧

到達目標

1) 直線運動以外の運動における速度・加速度・力のベクトル量の取り扱いが正確にできるようになり,力学の概念を定量的に身につける.
2) 力学の概念を用いて,電気現象等の定量的な表現方法を身につける.
3) 直流回路でのコンデンサー,電気抵抗等を定量的に扱える.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.直線運動以外の運動における速度・加速度・力のベクトル量の取り扱いが正確にできる.平面での物体の運動が,直線運動の組合せで説明でき,放物運動・円運動・単振動等に応用できる.速度・加速度・力が物体の位置ベクトルから微分を用いて計算できる.2次元運動の基礎的計算ができない.
2.力学の概念を用いて,電気現象等の定量的な表現方法を身につける.複数の点電荷の配置で生じる電界と電位を算出できる.点電荷の一般的性質を理解し,電界・電位などの基礎的電気量を算出できる.電気現象を力学概念から説明できない.
3.直流回路でのコンデンサー,電気抵抗等を定量的に扱える.キルヒホッフの法則で,簡単な直流回路の解析ができる.コンデンサーの動作を理解し,平板コンデンサーの電気容量の算出,合成容量の算出ができる.直流回路の電圧・電流に関する計算ができない.

学科の到達目標項目との関係

物質工学科の学習・教育到達目標 1 数学,自然科学,情報技術および物質工学基礎,無機化学Ⅰ・Ⅱ,有機化学Ⅰ・Ⅱ,分析化学Ⅰ・Ⅱ,物理化学Ⅰ・Ⅱ,生化学Ⅰ・Ⅱ,分子生物学,化学熱力学,応用数学,応用物理,物質工学実験などを通して,工学の基礎知識と応用力を身につける。
学習目標 Ⅱ 実践性
本科の点検項目 D-ⅱ 自然科学に関する基礎的な問題を解くことができる
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる

教育方法等

概要:
物体の2次元運動の例として,物体の斜方投射・円運動・単振動について学んだ後に,惑星の運動や万有引力等の性質を例として応用的な問題について概略を論じる.さらに,静電気・電流・電気回路等での物理的諸量が力学を基礎として定義されることについて論じる.
授業の進め方・方法:
分野ごとに講義によって内容を確認し,演習によって詳細を理解できるように授業を構成する.授業中の演習参加の機会は,授業時間内に全員に対して与える.予習復習は,各自が積極的に行うこと.
注意点:
授業中の演習に備えて,定規・関数電卓を用意すること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 平面運動 速度・加速度・力が物体の位置ベクトルから微分を用いて計算できる.
2週 平面運動 積分公式から1次元の等加速度直線運動の公式が導出できる.
3週 投射運動 平面での物体の運動が,直線運動の組合せで説明でき,重力中の物体の一般的運動に応用できる.
4週 運動量と力積 力積が力の時間積分から求められることを知る.
5週 運動量と力積 運動量と力積の関係を,物体の衝突を例として,定量的に理解する.
6週 運動量の保存側 1次元の運動量と力積の関係を,物体の衝突を例として,定量的に理解する.
7週 運動量の保存側 2次元での運動量と力積の関係を,物体の衝突を例として,定量的に理解する.
8週 中間試験
2ndQ
9週 等速円運動 等速円運動を定量的に理解し,単振動との対応について学ぶ.
10週 等速円運動 等速円運動を定量的に理解し,単振動との対応について学ぶ.
11週 円運動 等速円運動を定量的に理解し,単振動との対応について学ぶ.
12週 向心力と遠心力 向心力と遠心力を計算で求めることができる.
13週 単振動 等速円運動を定量的に理解し,単振動との対応について学ぶ.
14週 ケプラーの3法則 万有引力による惑星の運動に等速円運動を応用できる.
15週 万有引力 万有引力による惑星の運動に等速円運動を応用できる.
16週 定期試験
後期
3rdQ
1週 帯電列 静電気の発生について知る.
2週 クーロンの法則 点電荷を例として,電気力の一般的性質を理解し,電界・電位などの基礎的電気量を算出できる.
3週 クーロンの法則 複数の点電荷の配置で,電荷間に働く力を算出できる.
4週 電界と電位 点電荷を例として,電気力の一般的性質を理解し,電界・電位などの基礎的電気量を算出できる.
5週 電界と電位 複数の点電荷の配置で生じる電界と電位を算出できる.
6週 電位と電位差 仕事の計算をもとに,電位・電位差が算出できる.
7週 中間試験
8週 コンデンサー コンデンサーの動作を理解し,平板コンデンサーの電気容量の算出,合成容量の算出ができる.
4thQ
9週 コンデンサの接続 コンデンサーの合成容量が算出できるようになる.
10週 電流と電気抵抗 電流と電気抵抗の関係を理解し,電気抵抗による分流器や分圧器などの簡単な応用ができる.
11週 電力 電気が消費されるときに生じる仕事から電力が算出できることを知る.
12週 電気抵抗 オームのほうそくから種々の回路に流れる電流等を算出できる.
13週 キルヒホッフの法則 第1法則と第2法則について知る.
14週 キルヒホッフの法則 キルヒホッフの法則で簡単な回路が解析できる
15週 アンペールの法則 電流と磁界の関係を定量的に理解する.
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前2
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前1
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。2前1
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。1
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。2
最大摩擦力に関する計算ができる。1
動摩擦力に関する計算ができる。1
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3前4
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3前5,前6
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3前9
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3前11,前13
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。2前12
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3前14,前15
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。1前15
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。2
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3後1
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3後2,後4
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3後10
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3後10
ジュール熱や電力を求めることができる。2後11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力00