化学反応を熱力学を用いてその熱収支に基づいて、その進行方向を判断できること。また反応速度論を把握し、反応次数や速度定数を決定できること。コロイド粒子についてその種類を把握した上で、コロイド界面での現象を理解できること。電池反応について各電極における酸化・還元反応を理解し、ネルンストの式に基づいて起電力を求めることができること。
物質工学科の学習・教育到達目標 1 数学,自然科学,情報技術および物質工学基礎,無機化学Ⅰ・Ⅱ,有機化学Ⅰ・Ⅱ,分析化学Ⅰ・Ⅱ,物理化学Ⅰ・Ⅱ,生化学Ⅰ・Ⅱ,分子生物学,化学熱力学,応用数学,応用物理,物質工学実験などを通して,工学の基礎知識と応用力を身につける。
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
本科の点検項目 D-ⅱ 自然科学に関する基礎的な問題を解くことができる
概要:
物理化学をにおける「気体の性質」、「熱力学第一法則」、「熱力学第二・第三法則」、「化学平衡」、「コロイドと界面化学」、「反応速度論」についてその基本について教授する。
授業の進め方・方法:
「物理化学Ⅰ」で学習した基礎知識を基に、より実践的な内容について説明する。主に座学形式で実施し、適宜演習と課題により、その内容の理解度を高める。講義前には教科書の該当部分を予習し、授業終了後には学習内容について復習を心がけること。講義時にはノート、筆記用具、関数電卓を持参すること。ルーブリックへの評価は評価割合に従って決定する(各到達目標にについて演習・課題(20%)、中間試験(40%)、定期試験(40%)で評価し、合格点は60点以上とする)。
注意点:
評価が60点に満たない者について再試験は原則実施しないが、授業態度、授業への取組みを考慮した上で実施する場合がある。なお再試験受験者の評価は60点を越えないものとする。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
気体の性質(1) 気体の法則 |
気体の法則を理解できる。
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2週 |
気体の法則(2) 気体の法則と分子速度 |
気体の分子速度を求めることができる。
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3週 |
気体の法則(3) 混合気体 |
混合気体の分圧の計算ができる。
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4週 |
熱力学第一法則(1) 熱と仕事 |
熱と仕事について説明できる。
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5週 |
熱力学第一法則(2) 熱と仕事 |
熱エネルギーと仕事が交換可能なことを説明できる。
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6週 |
熱力学第一法則(3) 内部エネルギー |
内部エネルギーについて説明できる。
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7週 |
熱力学第一法則(4) エネルギー保存の法則 |
熱・仕事・内部エネルギーに関して、熱力学第一法則に基づいて計算から求めることができる。
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8週 |
熱力学第一法則(5) 反応熱と熱容量 |
熱容量の定義と反応熱について理解できる。
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2ndQ |
9週 |
熱力学第二・第三法則(1) エントロピー変化量 |
化学反応におけるエントロピー変化量を計算できる。
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10週 |
熱力学第二・第三法則(2) 第三法則とエントロピー |
標準エントロピーとエントロピー変化について説明できる。
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11週 |
熱力学第二・第三法則(3) ギブズエネルギーの定義 |
ギブズエネルギーについて説明できる。
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12週 |
熱力学第二・第三法則(4) ギブスエネルギーと変化の方向 |
ギブスエネルギーから化学変化の方向を予測できる。 触媒の機能を熱力学的視点で説明できる。
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13週 |
熱力学第二・第三法則(5) ギブスエネルギーと変化の方向 |
触媒の機能を熱力学的視点で説明できる。
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14週 |
化学平衡(1) ルシャトリエの原理 |
ルシャトリエの原理について説明できる。
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15週 |
化学平衡(2) 化学平衡と平衡定数 |
平衡定数を求めることができる。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
化学平衡(3) 平衡定数と諸条件の影響 |
各種条件変化に伴う平衡定数を求めることができる。
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2週 |
化学平衡(4) 均一系と不均一系での化学平衡 |
均一反応、不均一反応の違いとこれら反応における平衡定数を求めることができる。
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3週 |
コロイド界面の化学(1) コロイドとは何か |
コロイドの性質を理解できる。
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4週 |
コロイド界面の化学(2) コロイドの分類 |
コロイドを理解して実例を説明できる。
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5週 |
コロイド界面の化学(3) コロイドの分子運動 |
コロイドの運動学的性質について説明できる。
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6週 |
コロイドと界面の化学(4) 乳化と界面活性剤 |
界面活性剤の種類、性質、乳化とぬれについて説明できる。
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7週 |
電気化学(1) ネルンストの式 |
ネルンストの式を用いて起電力を計算できる。
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8週 |
電気化学(2) 平衡定数とネルンストの式① |
起電力、自由エネルギー、平衡定数との関係性を説明できる。
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4thQ |
9週 |
電気化学(3) 平衡定数とネルンストの式② |
電池反応の起電力、平衡定数、自由エネルギーについて計算できる。
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10週 |
電気化学(4) 電気分解と各種実用電池 |
電気分解について説明できる。実用電池の種類と特徴について説明できる。
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11週 |
反応速度論(1) 化学反応の定義 |
反応速度と衝突理論について説明できる。
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12週 |
反応速度論(2) 反応次数とその特徴 |
各種反応における反応速度を計算から求めることができる。
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13週 |
反応速度論(3) 反応速度とアレニウスの式 |
アレニウスの式より反応速度を計算することができる。
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14週 |
反応速度論(4) 放射線の種類と半減期 |
放射線の種類を説明できる。半減期を計算から求めることができる。
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15週 |
反応速度論(5) 核分裂と核融合 |
核分裂と核融合について説明できる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 物理化学 | 放射線の種類と性質を説明できる。 | 4 | 後14 |
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。 | 4 | 後14 |
年代測定の例として、C14による時代考証ができる。 | 4 | 後14,後15 |
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。 | 4 | 後15 |
気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。 | 4 | 前1 |
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。 | 4 | 前1 |
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。 | 4 | 前2 |
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。 | 4 | 前2 |
混合気体の分圧の計算ができる。 | 4 | 前3 |
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。 | 3 | 後1,後3 |
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。 | 3 | 後1,後3 |
束一的性質を説明できる。 | 3 | 後2,後3 |
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。 | 3 | 後2,後3 |
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。 | 3 | 後2,後3 |
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。 | 4 | 前4 |
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。 | 4 | 前5 |
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。 | 4 | 前5,前6,前7 |
エンタルピーの温度依存性を計算できる。 | 4 | 前6,前7 |
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。 | 4 | 前5,前6,前7 |
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。 | 4 | 前12 |
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。 | 4 | 前13,前14 |
均一および不均一反応の平衡を説明できる。 | 4 | 前15 |
熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。 | 4 | 前8 |
純物質の絶対エントロピーを計算できる。 | 4 | 前8 |
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。 | 4 | 前9 |
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。 | 4 | 前9 |
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。 | 4 | 前9,前10,前11,前12 |
平衡定数の温度依存性を計算できる。 | 4 | 前10,前11,前12 |
気体の等温、定圧、定容および断熱変化のdU、W、Qを計算できる。 | 4 | 前10,前11,前12 |
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。 | 4 | 後11 |
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。 | 4 | 後12 |
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。 | 4 | 後13 |
コロイドと界面の定義・特徴を説明できる。 | 4 | 後4 |
表面張力の定義を理解して、測定法・計算法を説明できる。 | 4 | 後6 |
コロイドの分類を理解して、身近な実例を説明できる。 | 4 | 後4 |
コロイドの運動学的性質(ブラウン運動、沈降、粘度、拡散等)を説明できる。 | 4 | 後5 |
界面活性剤の種類と性質を説明できる。 | 4 | 後7 |
乳化とその実例を説明できる。 | 4 | 後7 |
ぬれの理論を定量的に説明できる。 | 4 | 後7 |
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。 | 4 | 後11 |
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。 | 4 | 後11 |
衝突理論を理解して、アレニウスプロットを説明できる。 | 4 | 後11 |
活性錯合体理論を理解して、アイリングプロットを説明できる。 | 4 | 後11 |
活性状態のエンタルピー、エントロピー、自由エネルギーの関係を定量的に説明できる。 | 4 | 後12 |
触媒の性質・構造を理解して、活性化エネルギーとの関係を説明できる。 | 4 | 後13 |
表面の触媒活性を理解して、代表的な触媒反応を説明できる。 | 4 | 後13 |
ネルンストの式を用いて、起電力、自由エネルギー、平衡定数の関係が説明できる。 | 4 | 後8,後9 |
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。 | 4 | 後10 |