生化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 生化学Ⅱ
科目番号 S4-5082 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 教科書:ホートン生化学 第5版 鈴木紘一・笠井献一 他訳 東京化学同人,および自作プリントを使用/参考図書:浜島 晃著「ニューステージ 新生物図表 生物基礎+生物対応」(株)浜島書店,コーン・スタンプ著 八木達彦・田宮信雄訳「コーンスタンプ生化学」東京化学同人,OUTLINES OF BIOCHEMISTRY Fifth Edition E.E.Conn et. al.1987
担当教員 岩波 俊介

到達目標

1)代謝に関わるオルガネラの機能について理解できる。
2)生物細胞内で行われているエネルギー生産のための異化代謝について理解することができる。
3)生物細胞内で行われている貯蔵・蓄積のための同化代謝について理解することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1)代謝に関わるオルガネラの機能について理解できる。1)代謝に関わるオルガネラの機能について理解できる。1)代謝に関わるオルガネラの機能についての基礎的な内容を理解できる。1)代謝に関わるオルガネラの機能について理解できない。
2)生物細胞内で行われているエネルギー生産のための異化代謝について理解することができる。2)生物細胞内で行われているエネルギー生産のための異化代謝について理解することができる。2)生物細胞内で行われているエネルギー生産のための異化代謝についての基礎的な内容を理解することができる。2)生物細胞内で行われているエネルギー生産のための異化代謝について理解できない。
3)生物細胞内で行われている貯蔵・蓄積のための同化代謝について理解することができる。3)生物細胞内で行われている貯蔵・蓄積のための同化代謝について理解することができる。3)生物細胞内で行われている貯蔵・蓄積のための同化代謝についての基礎的な内容を理解することができる。3)生物細胞内で行われている貯蔵・蓄積のための同化代謝について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (c) 数学及び自然科学に関する知識とそれらを応用できる能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(1) 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする)の知識と能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
物質工学科の学習・教育到達目標 1 数学,自然科学,情報技術および物質工学基礎,無機化学Ⅰ・Ⅱ,有機化学Ⅰ・Ⅱ,分析化学Ⅰ・Ⅱ,物理化学Ⅰ・Ⅱ,生化学Ⅰ・Ⅱ,分子生物学,化学熱力学,応用数学,応用物理,物質工学実験などを通して,工学の基礎知識と応用力を身につける。
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる

教育方法等

概要:
細胞小器官の役割,炭水化物代謝,ATP生産,光合成,脂質代謝,窒素代謝など生命現象の発現に関わる多くの化学反応である生体内代謝に関する講義を中心として解説する。
授業の進め方・方法:
教科書の他,プリント,プロジェクタ等を利用して講義する。講義時には,ノート,筆記用具,プリントを綴じるファイルを用意すること。成績評価は定期試験45%,テスト(中間まとめ)35%,課題レポート20%の割合で評価する。合格点は60点である。評価点が50点以上60点未満の場合に受講態度および課題提出状況が良好な者に対して再試験(試験分80%)を行うことがある。なお,再試験を受けた場合の評価は60点を超えないものとする。
注意点:
授業内容で様々な微生物の機能を理解するためには,充分な予習復習(自学自習)が必要である。本科目の単位修得には30時間以上の自学自習を必要とする。授業項目の理解を深めるために課題レポートを実施し,それをもって自学自習の評価の一部とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 細胞内小器官の役割 代謝に関わるオルガネラの機能について理解できる。
2週 代謝とは(異化と同化) 異化代謝と同化代謝について理解できる。
3週 呼吸(内呼吸と外呼吸) 生物学における呼吸を分子レベルで理解できる。
4週 解糖系(EMP経路,ED経路,ペントースリン酸経路) 生体内の糖代謝系(EMP経路,ED経路,ペントースリン酸経路)について理解できる。
5週 その他の糖代謝と糖新生系 生体内における糖新生系について理解できる。
6週 TCA回路 TCA回路について理解できる。
7週 電子伝達系と酸化的リン酸化 電子伝達系と酸化的リン酸化理解できる。
8週 テスト(中間まとめ)
2ndQ
9週 光合成(明反応と光合成色素) 光合成(明反応と光合成色素)について理解できる。
10週 光合成(暗反応) 光合成(暗反応)について理解できる。
11週 C3植物,C4植物,CAM植物の光合成 C3植物,C4植物,CAM植物の光合成について理解できる。
12週 脂質代謝(β酸化,α酸化) 脂質代謝(β酸化,α酸化)について理解できる。
13週 脂質代謝(生合成) 脂質代謝(生合成)について理解できる。
14週 窒素化合物の代謝 窒素化合物の代謝について理解できる。
15週 タンパク質の代謝 タンパク質の代謝について理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4前1
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。4前1
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。4前7,前9
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4前2,前5
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。4前3,前9,前10,前11
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4前15
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4前4,前5
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4前5
グリコシド結合を説明できる。4前4,前5
多糖の例を説明できる。4前4,前5
脂質の機能を複数あげることができる。4前12,前13
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4前12,前13
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。3前12,前13
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4前15
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4前14,前15
タンパク質の高次構造について説明できる。4前15
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。3前2
解糖系の概要を説明できる。4前4,前5
クエン酸回路の概要を説明できる。4前6
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4前4
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4前2,前4
各種の光合成色素の働きを説明できる。4前9
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。4前9,前10
炭酸固定の過程を説明できる。4前10

評価割合

定期試験テスト(中間まとめ)課題レポート合計
総合評価割合453520100
基礎的能力20201050
専門的能力25151050