化学物質安全学

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 化学物質安全学
科目番号 S5-5195 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 徂徠道夫著 「化学実験安全ガイド」 東京化学同人 / 日本化学会編 「化学実験の安全指針」 丸善、 S. Dekker “Patient Safety” CRC Press (2011)
担当教員 大島 和浩

到達目標

1. 化学物質取り扱いにおける「リスクマネジメント」の考え方を理解し、これを実践できる
2. 化学物質の様々な危険性を理解し、事故発生防止に結び付けることができる
3. 化学物質法規制の国内外動向について理解し、その重要性を説明できる
4. 核放射線に関する基礎的な知識を理解し、放射線利用の原則について説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
化学物質取り扱いにおける「リスクマネジメント」の考え方を理解し、これを実践できる化学物質取り扱いにおける「リスクマネジメント」の考え方を理解し、これを実践できる化学物質取り扱いにおける「リスクマネジメント」の基本的な考え方を理解し、これを説明できる化学物質取り扱いにおける「リスクマネジメント」の基本的な考え方を説明できない
化学物質の様々な危険性を理解し、事故発生防止に結び付けることができる化学物質の様々な危険性を理解し、事故発生防止に結び付けることができる化学物質の重要な危険性を理解し、事故発生防止に概ね結びつけることができる化学物質の重要な危険性を理解していない
化学物質法規制の国内外動向について理解し、その重要性を説明できる化学物質法規制の国内外動向について理解し、その概要と重要性を説明できる化学物質法規制の国内外動向について理解し、その概要を説明できる化学物質法規制の国内外動向について理解していない
核放射線に関する基礎的な知識を理解し、放射線利用の原則について説明できる核放射線に関する基礎的な知識を理解し、放射線利用の原則について説明できる核放射線に関する基礎的な知識を理解し、放射線利用の原則について概ね説明できる核放射線に関する基礎的な知識を理解し、放射線利用の原則について説明できない

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (b) 技術が社会や自然に及ぼす影響や効果,および技術者が社会に対して負っている責任に関する理解
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(1) 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする)の知識と能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(4) (工学)技術者が経験する実務上の問題点と課題を解決し,適切に対応する基礎的な能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
物質工学科の学習・教育到達目標 3  学外実習,化学物質安全学,資源・エネルギー工学,卒業研究などを通して,社会や時代が要求する技術を工夫,開発,システム化できる創造力,デザイン能力,総合力を持った技術を身につける。
学習目標 Ⅰ 人間性
学習目標 Ⅱ 実践性
学習目標 Ⅲ 国際性
学校目標 B(倫理と責任) 技術者としての倫理観や責任感を身につける
本科の点検項目 B-ⅰ 社会における倫理上の問題に関する基本的な事項について説明できる
本科の点検項目 B-ⅱ 技術が自然や社会に与える影響を理解し,技術者の社会的責任を認識できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる
学校目標 H(社会と時代が求める技術) 社会や時代が要求する技術を工夫,開発,システム化できる創造力,デザイン能力,総合力を持った技術を身につける
本科の点検項目 H-ⅰ 専門とする分野について,社会が要求する技術課題を認識できる

教育方法等

概要:
化学物質安全管理における「リスクマネジメント」の概念、および化学物質・放射性物質等の様々な危険性とその評価法について教授する。
授業の進め方・方法:
講義は主にプロジェクタを使用して進める。随時時事問題を取り上げ、グループプレゼンテーションを課す。成績評価は下記評価割合に従う(定期試験40% 中間まとめテスト30% プレゼンテーション10% 小テスト10% レポート10%)。評価が60点に満たない場合、平素の授業態度、課題の提出状況が良好な者に対しては再試験を行うことがある。
注意点:
適宜小テストを行うので、自学自習により取り組むこと(30時間以上を基準とする)。冬季休業中に小論文形式のレポートを課す。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 化学とリスクマネジメント 化学物質取り扱いにおけるリスクマネジメントの概念を理解できる
2週 化学安全の考え方 「絶対安全」「確率論」「決定論」の各安全論について、その意味を説明できる
3週 作業現場における安全活動 「KYT」「ヒヤリハット」の実施意味を説明できる。また、これを実践できる
4週 燃焼と爆発 可燃性液体・ガスの燃焼と爆発の原理について説明できる
5週 可燃性固体の燃焼 可燃性固体の熱発火について理解し、計算により発火時間の推定ができる
6週 粉塵爆発 可燃性微粒子の粉塵爆発現象について、その特徴を理解している
7週 発火防止と消火 作業現場における効果的な火災発生防止策、および消火の方法について説明できる
8週 まとめ(テスト) 第7週までの内容を理解している。まとめのためのテストで、合格点に到達できる
4thQ
9週 消防法危険物(1)
消防法危険物第1~3類について、各類の特徴と各物質の特性について理解している
10週 消防法危険物(2) 消防法危険物第4~6類について、各類の特徴と各物質の特性について理解している
11週 化学物質の危険性(1) 毒劇法における毒物・劇物の定義を説明できる
12週 化学物質の危険性(2) 基本的な化学物質暴露評価計算ができる
13週 化学物質法規制(1) 「化学物質審査規制法」「化学物質排出把握管理促進法」の2法について概要を説明できる
14週 化学物質法規制(2) 「Reach」「Pops対策」「GHS」など化学物質取り扱いに関する国際動向について理解している
15週 核放射線化学の基礎 核放射線に関する基礎知識を理解し、放射線取扱の原則を説明できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学放射線の種類と性質を説明できる。3後15
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。3後15

評価割合

定期試験テスト(まとめ)プレゼンテーション小テストレポート合計
総合評価割合4030101010100
基礎的能力201505040
専門的能力20151051060