河川・水資源工学

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 河川・水資源工学
科目番号 K5-6210 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:3
教科書/教材 高瀬信忠:「河川工学入門」森北出版 / 参考書:高橋裕:「河川工学」東京大学出版会,室田明編「河川工学」技報堂出版, 塚本良則編:「森林水文学」文永堂出版, 神田徹・藤田睦博:「新体系土木工学26水文学」技報堂出版,Warren Viessman, Jr., Gary L.Lewis , “Introduction to Hydrology”, Pearson Education, Inc., 2002.
担当教員 八田 茂実

到達目標

1. わが国における河川と人のかかわりについて,代表的な治水事業を含め,その変遷を説明できる.
2. 河川の作用と流域地形の関係,わが国における降水と河川の特色について説明できる.
3. 流域規模での水循環を説明でき,降雨から河川流出を計算できる.
4. 河川計画に必要な確率降雨,再現期間を計算できる.
5. 河川計画の概要を説明でき,基本的な治水対策方法について説明できる.
6. 水資源開発の方法と問題点について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. わが国における河川と人のかかわりについて,代表的な治水事業を含め,その変遷を説明できる.わが国における河川と人のかかわりについて,代表的な治水事業を含め,その変遷を説明できる.わが国における河川と人のかかわりについて,代表的な治水事業を含め,その変遷を概ね説明できる.わが国における河川と人のかかわりについて,代表的な治水事業やその変遷を説明できない.
2. 河川の作用と流域地形の関係,わが国における降水と河川の特色について説明できる.河川の作用と流域地形の関係,わが国における降水と河川の特色について説明できる.河川の作用と流域地形の関係,わが国における降水と河川の特色について概ね説明できる.河川の作用と流域地形の関係,わが国における降水と河川の特色について説明できない.
3. 流域規模での水循環を説明でき,降雨から河川流出を計算できる.流域規模での水循環を説明することができ,降雨から河川流出を計算することができる.流域規模での水循環を概ね説明でき,降雨から河川流出を簡単なモデルで計算できる.流域規模での水循環を概ね説明できない. 簡単なモデルを使っても降雨から河川流出を計算できない.
4. 河川計画に必要な確率降雨,再現期間を計算できる.河川計画に必要な確率降雨,再現期間を計算できる.河川計画に必要な確率降雨,再現期間の基本的な計算ができる.河川計画に必要な確率降雨,再現期間の計算ができない.
5. 河川計画の概要を説明でき,基本的な治水対策方法について説明できる.河川計画の概要を説明でき,基本的な治水対策方法について説明できる.河川計画の概要を概ね説明でき,基本的な治水対策方法について概ね説明できる.河川計画の概要を説明ない. 基本的な治水対策方法について説明できない.
6. 水資源開発の方法と問題点について説明できる.水資源開発の方法と問題点について説明できる.水資源開発の方法と問題点について概ね説明できる.水資源開発の方法と問題点について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (b) 技術が社会や自然に及ぼす影響や効果,および技術者が社会に対して負っている責任に関する理解
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(1) 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする)の知識と能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(4) (工学)技術者が経験する実務上の問題点と課題を解決し,適切に対応する基礎的な能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
環境都市工学科の学習・教育到達目標 1 数学,自然科学,情報技術および応用数学、応用物理、構造力学、水理学、地盤工学、コンクリート構造学、計画システム分析、河川・水資源工学などを通して,工学の基礎知識と応用力を身につける
学習目標 Ⅰ 人間性
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 B(倫理と責任) 技術者としての倫理観や責任感を身につける
本科の点検項目 B-ⅱ 技術が自然や社会に与える影響を理解し,技術者の社会的責任を認識できる
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる

教育方法等

概要:
水資源の有効利用あるいは洪水被害の防止・軽減を目的として、人間は河川に対して種々の働きかけをしてきた。本講では、この人間と河川の関わりにおける主として技術的な側面を扱う.
授業の進め方・方法:
授業は,前回の授業内容の理解度確認の小テスト・教員による説明・演習で構成します.また,到達目標に対する達成度試験を複数回実施します.
成績評価は学期末試験(60%),平素の学習状況(課題・小テスト・達成度試験を含む :40%)で行います.合格点は60点以上です.
注意点:
授業で使用する資料は予めBlackboard上にあげていますので,必ず予習してください .

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 人と河川の関わりの変遷 河川と人のかかわりについて,その変遷を説明できる.
2週 歴史的な治水事業 わが国における代表的な治水事業を説明できる.
3週 河川流域と流域地形 河川の作用と流域地形の関係について説明することができる.
4週 流砂と河床変動 河床形態・限界掃流力・土砂の流送形式と・河床変動について理解している.
5週 日本の河川の特色 わが国における降水と河川の特色について説明することができる.
6週 水の循環と流出過程 水循環と流出過程を説明することができる.
7週 水文観測 水文量の観測方法を説明でき,流域平均雨量を計算できる.
8週 流出解析 基本的な流出モデルを用いて降雨から河川流出を計算することができる.
4thQ
9週 洪水追跡 水理学的な洪水追跡法を理解することができる.
10週 水文統計(1) 水文量の統計学的性質を理解し,確率紙を用いて確率降雨,再現期間を求めることができる
11週 水文統計(2) 河川計画に必要な確率降雨,再現期間を計算できる.
12週 河川の計画と調査(1):基本高水の決定方法と河道計画
河道計画の策定方法を理解している.
13週 河川の計画と調査(1):都市水害とその対策,河川構造物の役割について理解する 各種河川構造物の役割を理解するとともに,水害の対策方法を説明することができる.
14週 河川生態環境に配慮した川づくり 河川における生態系の保全と復元について理解している。
15週 水資源の現状と水資源開発 水資源開発の方法と問題点について説明することができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理文明社会と河川の利用について理解している。4後1
河川の管理と整備について説明できる。4後1
河川の分類と流域について、説明できる。4後3
河川における流れ作用と河道形状について理解している。4後4
水の循環、雨が降る仕組み、我が国の降雨特性について、説明できる。4後5,後6
流出過程、流況曲線について理解している。4後6
水文量の観測方法を説明でき、流域平均雨量を計算できる。4後7
流出解析法について理解している。4後8
水文量の統計的性質について理解している。4後10,後11
水害の特性とその変遷について理解している。4後2
河道計画の策定について理解している。4後12
河道およびダムによる洪水対策を説明できる。4後13
都市型水害と内水処理の対策について、説明できる。4後13
近年の渇水状況と降水の変化について理解している。4後15
日本の水資源の現況について、説明できる。4後15
河川における生態系の保全と復元について理解している。4後14
河川堤防・護岸・水制の役割について、説明できる。4後13
河床形態、限界掃流力、掃流砂量公式、浮遊砂量公式、河床変動について理解している。4後4
環境水の物性、水の循環を説明できる。4

評価割合

期末試験小テスト課題到達度試験合計
総合評価割合60101020100
基礎的能力401051065
専門的能力20051035
分野横断的能力00000