熱流体工学

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 熱流体工学
科目番号 63023 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 3rd-Q 週時間数 4
教科書/教材 指定なし.ただしJSMEテキストシリーズ伝熱工学を事前に読んでおくことが好ましい.
担当教員 德永 敦士

到達目標

(1)熱伝導問題を理解できる.
(2)境界層と伝熱の関係を理解できる.
(3)相変化伝熱の基礎について理解できる.

ルーブリック

優れた到達レベルの 目安(優)良好な到達レベルの 目安(良)最低限の到達レベルの 目安(可)未到達レベルの 目安 (不可)
熱伝導問題一次元熱伝導方程式を導くことができ,非定常問題を計算できるとともに,差分式を数値的に解析できる一次元熱伝導方程式を導くことができ,非定常問題を計算できる,もしくは差分式を数値的に解析できる一次元熱伝導方程式を導くことができる.一次元熱伝導方程式を導くことができない.
境界層の積分方程式境界層内の積分方程式について,プロフィル法によって解くことが出来,その結果を用いて平均熱伝達率を解析できる境界層内の積分方程式について,プロフィル法によって解析できる境界層内のエネルギー,運動量,質量保存のいずれかの積分方程式が導出できる境界層内のエネルギー,運動量,質量保存のいずれかの積分方程式が導出できない
相変化伝熱凝縮,沸騰熱伝達の熱伝達について理解し,気体分子運動論によって相変化現象について理解できる凝縮,沸騰熱伝達の熱伝達について理解できる凝縮,沸騰の形態について説明できる凝縮,沸騰の形態について説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
昨今の伝熱学は,エネルギー関連分野のみではなく,ナノテクノロジーや,電子デバイスといった,様々な分野を対象とする.しかしながら,これらの分野でも,伝熱基本三形態を中心とした本質的な理解が重要であり,さらに数値解法などの新たな技術を活用した現象の把握が必要である.そこで,これらの視点からの講義によって,熱・物質輸送現象の理解を深める.
授業の進め方・方法:
基本的な伝熱の支配方程式を利用した式の導出においては学生自身に取り組んでもらう.また演習問題も同様に学生に解答と解説を行ってもらう.内容は一次元の熱伝導方程式の導出とエクセルを利用した熱伝導方程式の数値解析を行う.またプロフィル法による積分方程式の解析,気体分子運動論による温度や圧力の考え方を示す.加えて分子動力学法について理解を深めるとともにプログラミングの実践に取り組む.
この講義は,熱力学,伝熱工学,流体力学関連科目をさらに深める内容となっている.
注意点:
数値計算にはプログラミングの能力が必要であるが,簡単な数値計算ならばExcelでも計算可能である.そこで,可能であればノートパソコンを持参し,実際に数値計算を行ってもらう予定である.数学的知識が必要なため,微積分を復習しておくこと.

試験評価点=Max(中間・期末の平均点,期末試験の点数)
レポートとの合算により60点以上を合格とする.
学力再確認試験を実施する場合があるが,その場合は最終評価60点満点で評価する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 伝熱三形態
熱伝導方程式
伝熱の基本三形態(熱伝導,熱伝達,熱放射)について理解できる
熱伝導方程式の導出と数値解析法について理解できる
2週 非定常熱伝導
非定常熱伝導の解法
非定常熱伝導について理解できる
非定常熱伝導の解法(集中熱容量モデル,ハイスラー線図)について理解できる
3週 数値解析法I(定常熱伝導)
数値解析法II(非定常熱伝導)
支配方程式を差分化できる
熱伝導方程式の導出と数値解析法について理解できる
4週 中間試験
試験解説
中間試験を行い,これまでの内容を理解する
試験問題の解説により,理解を深める
5週 境界層理論
相変化伝熱の基礎
エネルギー方程式,運動量保存則,連続の式について理解できる
積分方程式について理解できる
温度分布,速度分布を求めることができる
局所ヌセルト数,平均ヌセルト数について理解できる
ヌセルトの凝縮理論について理解できる
滴状凝縮について理解できる
沸騰曲線,沸騰熱伝達について理解できる
6週 分子動力学法I
分子動力学法II
分子動力学法の原理について理解できる
一次元以上の分子動力学法のプログラムを構築できる
7週 気体分子運動論の基礎
気液相変化伝熱に関する最新のトピック
温度,圧力などについてミクロな観点から説明できる
マクスウェル分布について理解できる
気液界面輸送現象に対する昨今の研究内容について理解できる
8週 期末試験
期末試験解説
期末試験を行い,これまでの内容を理解する
試験問題の解説により,理解を深める

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力402060
専門的能力40040
分野横断的能力000