到達目標
1.レギュレータの構成や各部の役割につて説明できる
2.シリーズレギュレータ・シャントレギュレータの動作・機能を説明できる
3.レギュレータ回路に必要な部品を選定できる
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | レギュレータ各部における出力電圧波形を描け、必要な電圧の計算ができる。 | レギュレータ各部における出力電圧波形を描け、必要な電圧の計算ができる。 | レギュレータ各部における出力電圧波形を描くこと、および必要な電圧の計算ができない。 |
評価項目2 | シリーズレギュレータ・シャントレギュレータの動作・機能を説明でき、回路設計に応用できる | シリーズレギュレータ・シャントレギュレータの動作・機能を説明できる | シリーズレギュレータ・シャントレギュレータの動作・機能を説明でできない |
評価項目3 | 仕様に応じてレギュレータ回路に最適な部品を選定できる | レギュレータ回路に必要な部品を選定できる | レギュレータ回路に必要な部品を選定できない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
電子回路の応用技術の一つであるDC電源回路について詳しく勉強する.DC電源はモーターの駆動のみならず一般的な電子回路を動作させる場合に必要となる。そこで、この授業では交流電源から直流電源を得るための原理や専用ICの特性について学び、回路の動作説明、あるいは回路設計(部品の選定を含む)ができるようになることを目標とする。そこで、本講義ではダイオード、バイポーラトランジスタあるいはICを使った電源回路に必要な基本回路構成および解析を中心に回路設計につながる基礎知識を習得する。
授業の進め方・方法:
●授業の進め方:板書形式で行う.授業中に頻繁に質問する予定.試験などの評価を伴わない形の授業の理解度は,テキストの各単元に用意された例題によって各自確認する.
●授業の内容:交流から直流を作り出す方法,および,その直流電圧を安定的に得る方法,すなわち直流安定化電源の原理について学ぶ.すなわち,ダイオードを使った正弦波交流電圧の整流、コンデンサを使った電圧の平滑化を経て、電圧のレギュレーションについて学ぶ.続いて、整流回路の出力に容量フィルタを用いた場合の端子電圧について、交流回路(電気回路)の基礎的な知識を使って、整流された電圧の平均電圧(直流分)およびリプル電圧(交流分)それぞれの観点で学ぶ。すなわち、整流波形の実効値、平均値、および最大値とリプル電圧、最大値等の相互関係について明らかにしていく。
以上の基礎的内容を踏まえ,各種レギュレータ回路の動作解析,設計のポイントについて学ぶ.最後は,レギュレータの応用としてバッテリー充電器について学ぶ.
●必要な予備知識:・キルヒホッフの法則・ダイオードの整流特性・pn接合の電流-電圧特性・トランジスタの電流増幅作用・OPアンプの性質,等 ※これらの知識があるという前提で授業を行う.
【関連する科目】電気回路Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ、電子回路Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、
注意点:
本科目は学修単位(2単位)の授業であるため、履修時間は授業時間30時間と授業時間以外の学修(予習・復習、課題・テスト等のための学修)を併せて90時間である。
自学自習の成果は課題及び定期試験によって評価する。
「生産システム工学専攻」学習・教育到達目標の評価:課題(B-2)20%, 期末試験(B-2)80%
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 1章 Rectifications 1.1 Sinusoidal Inputs; Half-wave rectification
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学習目標、科目の意義、評価方法の説明 ダイオードを使った整流の原理を説明できる。また、半波整流器の出力について解析することができる。
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2週 |
1.1 Sinusoidal Inputs; Half-wave rectification 1.2 Full-Wave rectification ・Bridge Network ・Center-Tapped Transformer
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・半波整流器の出力について解析することができる。 ・ダイオードを使った全波整流器の原理について説明することができる。
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3週 |
・Center-Tapped Transformer (続き)
2章 Power Supplies 2.1 Introduction 2.2 General Filter Considerations
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ダイオードを使った全波整流器の原理について説明することができる。
整流器の出力電圧に対してフィルタを用いる意義を説明できる。
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4週 |
2.2 General Filter Considerations(続き) ・Filter Voltage Regulation and Ripple Voltage ・Example 2.3 Capacitor Filter
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整流された電圧をフィルタに入力して得られる出力電圧(フィルタ出力)と理想DC電圧の違いやリップル電圧について説明できる。 静電容量フィルタを整流器後段に接続した場合の容量両端の電圧波形の特徴について説明することができる。
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5週 |
・Ripple Voltage ・DC Voltage ・Example
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静電容量フィルタを整流器後段に接続した場合の容量両端の電圧波形、特に変動周期やりプル電圧値について説明することができる。 ダイオードを用いた場合の容量フィルタ出力電圧とピーク電流の関係について説明できる。
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6週 |
・Diode Conduction Period and Peak Diode Current 2.4 RC Filter ・DC Operation of RC Filter Section
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ダイオードの導通時間とピークダイオード電流について説明できる 整流器-容量フィルタという連結に、さらにRCフィルタを用いることによってリプル電圧を減少させることができるということを説明できる。 RCフィルタの交流成分の電圧の変化を説明できる。
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7週 |
・DC Operation of RC Filter Section ・Example ・AC Operation of RC Filter Section ・Example
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RCフィルタの交流成分の電圧の変化を説明できる。
リアクタンス成分を考慮したRCフィルタのリプル電圧について説明できる。
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8週 |
2.5 Discrete Transistor Voltage Regulation ・Series Voltage Regulation
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シリーズ・レギュレータ回路について説明できる。また、回路各部の電流および電圧についても計算できる。
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2ndQ |
9週 |
・Series Voltage Regulation
・Shunt Voltage Regulation
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シリーズ・レギュレータ回路について説明できる。また、回路各部の電流および電圧についても計算できる。 シャント・レギュレータ回路について説明できる。また、回路各部の電流および電圧についても計算できる。
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10週 |
・Shunt Voltage Regulation (続き) ・Switching Regulation 2.6 IC Voltage Regulators
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シャント・レギュレータ回路について説明できる。また、回路各部の電流および電圧についても計算できる。 スイッチング・レギュレータについて説明できる。 電圧のレギュレーション(調整)に必要な各種回路が一つのパッケージに入ったICの役割について説明できる。
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11週 |
・Three-Terminal Voltage Regulators ・Fixed Positive Voltage Regulators
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三端子レギュレータの特徴(性能、仕様等)についても説明することができる。また、得られる電圧レベルについても計算により求めることができる。 正電圧レギュレータの特徴を説明することができる。
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12週 |
・Fixed Negative Voltage Regulators ・Example
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負電圧レギュレータの特徴を説明することができる。 レギュレーション維持可能なレギュレータ入力電圧の最小値を求めることができる。
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13週 |
・Adjustable Voltage Regulators 2.7 Practical Applications ・Power Supplies
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電圧値が調整可能なレギュレータについて説明できる。 実用的な各種電源について説明できる。
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14週 |
・Power Supplies ・Battery Charger Circuits
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実用的な各種電源について説明できる。 充電器回路について説明できる。
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15週 |
練習問題 |
練習問題を通して理解を含める.
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16週 |
期末試験 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 4 | |
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 4 | |
制御 | 伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。 | 4 | |
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。 | 4 | |
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。 | 4 | |
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 課題 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |