到達目標
・史料を精緻に読み解いていくことが、歴史学研究の基礎であり、新たな知見を切り拓いていくことを理解する。
・地域の歴史史料を分析することが、歴史の全体像を考える上でも有効であることを理解する。
・歴史的事象と現代社会との繋がりを考え、意見を持つことができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 研究史を踏まえながら、加賀藩の歴史について具体的に説明できる。 | 加賀藩の歴史について説明できる。 | 加賀藩の歴史について説明・選択できない。 |
評価項目2 | 古文書などの内容を分析・理解し、背景を踏まえながら説明することができる。 | 古文書の内容について説明することができる。 | 古文書の内容について説明できない。 |
評価項目3 | 歴史的事象と現代社会との繋がりについて、意欲的に自分の意見を持つことができる。 | 歴史的事象と現代社会との繋がりについて、自分の意見を持つことができる。 | 歴史的事象と現代社会との繋がりについて、結び付けることができない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 B-2
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JABEE 1(2)(a)
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教育方法等
概要:
明治維新史研究について、具体的には加賀藩の分析を通じて理解を深めていく講義となる。当該期の政治史研究が戦前から現在に至るまで多くの成果が出ていることを踏まえながら、藩の政策・政治運動と政局の関係性について明らかにすることで、従来とは異なる明治維新像が描かれることを理解する。
授業の進め方・方法:
講義形式、毎回資料を配布する。参考文献等は授業中に適宜紹介する。時々、作業プリントや授業の感想を求めることがある。学修単位のため、60時間相当の授業外学習が必要である。授業外学習・事前として授業内容を予習しておくこと。 授業外学習・事後として授業中の配布物を読み直すこと。
注意点:
履修者の人数や理解度により、授業進度や内容を変更することがある。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
語られ方とイメージ |
「幕府」「藩」「勤王」「佐幕」といった用語、および錦絵に描かれた内容について理解する。
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2週 |
幕末維新期研究のあゆみ |
戦前から現在に至るまでの研究史について理解を深め、その課題を明らかにする。
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3週 |
藩研究からのアプローチ |
藩研究がいかなるアプローチで進められてきたのかを理解し、幕末維新期研究との繋がりを考える。
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4週 |
幕末期の加賀藩の体制と文久末期の政治過程 |
幕末期の加賀藩がいかなる体制であったかを知り、尊王攘夷運動が激化した時代の様相を理解する。
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5週 |
元治元年の政治過程と上洛 |
禁門の変をめぐる政局の複雑な動きを整理し、幕府方と長州が軍事衝突した経緯、加賀藩の関与を考察する。
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6週 |
慶応末期の政局と政治判断 |
大政奉還・王政復古といった歴史上重要な事件についての知識を得、加賀藩がいかなる政治判断をしたのかについて把握する。
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7週 |
明治初年の藩体制改編 |
あらたな国家体制のなかで、藩体制が大きく改編される過程について考察する。
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8週 |
廃藩前後の藩政と人材登用 |
廃藩に至るまでの人事を考察し、藩政期との違いについての知識を得る。
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2ndQ |
9週 |
加賀藩と京都 |
加賀藩の京都藩邸、詰人、京都警備の実態について考察し、幕末期に加賀藩が京都を重視していたことを理解する。
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10週 |
武家官位と加賀前田家 |
近世武家官位について制度的に考察し、大名家を統制するシステムが藩家臣団を序列化する際にも機能していたことを理解する。
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11週 |
加賀藩の銃卒制度と身分制 |
百姓・町人に銃を持たせて編制する銃卒制度の実態を考察し、近世身分制度との関係性について理解を深める。
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12週 |
戊辰戦争の展開と軍事動員 |
7700人を超える人員を派遣した加賀藩にとって、戊辰戦争(北陸線線)がいかなる意味をもったのかについて検討する。
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13週 |
加越能の領有と藩体制の安定 |
加賀前田家が富山・大聖寺に分家を創出、さらに七日市前田家が成立したことで本家―分家関係が確立した経緯を考察する。
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14週 |
「徳川大名」化と「御家」をとりまく諸相 |
婚姻・江戸城殿席・武家官位によって加賀前田家が「徳川大名」化したことを、「御家」の繁栄・維持の視点から理解する。
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15週 |
近代における家史編纂事業と顕彰運動 |
近代の前田侯爵家が実施した家史編纂事業の実態と、地域でおこなわれた前田家の顕彰事業について理解を深める。
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16週 |
レポート課題提出、まとめ |
研究史を踏まえながら、加賀藩の歴史について具体的に説明できる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文社会科学 | 社会 | 地理歴史的分野 | 民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。 | 4 | |
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。 | 4 | |
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。 | 4 | |
現代社会の考察 | 現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 0 | 0 | 0 | 30 | 0 | 0 | 70 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 30 | 0 | 0 | 70 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |