機能性高分子材料

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 機能性高分子材料
科目番号 0036 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 エコデザイン工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 尾崎邦宏『レオロジーの世界』(森北出版)
担当教員 森 康貴

到達目標

1.高分子材料の機能性とレオロジーの関係を説明できる。
2.線形粘弾性体の力学的挙動を数学的に記述し、解を求めることができる。
3.高分子の構造がレオロジーに与える影響を説明できる。
4.高分子材料に特有のレオロジー挙動を理解している。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
高分子材料の機能性とレオロジー高分子材料の機能性とレオロジーの関係を説明できる。高分子材料の機能性とレオロジーの関係について知識がある。高分子材料の機能性とレオロジーの関係についての知識がない。
線形粘弾性体の力学的挙動線形粘弾性体の力学的挙動を数学的に記述し、解を求めることができる。線形粘弾性体の力学的挙動について定性的な知識がある。線形粘弾性体の力学的挙動についての知識がない。
高分子の構造とレオロジー高分子の構造がレオロジーに与える影響を説明できる。高分子の構造がレオロジーに与える影響について知識がある。高分子の構造がレオロジーに与える影響についての知識がない。
高分子材料に特有のレオロジー高分子材料に特有のレオロジー挙動を理解している。高分子材料に特有のレオロジー挙動について知識がある。高分子材料に特有のレオロジー挙動についての知識がない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
高分子材料は日常生活から最先端技術の現場まで広く活用されているが、その機能性を検討する上で粘弾性挙動(レオロジー)は欠かすことのできない意義を有する。高分子材料のレオロジーの基礎として本講義の前半では、粘弾性体の力学的挙動を数学的に記述し、解析的な解を求める方法を提示する。本講義の後半では、高分子の構造が高分子材料や高分子溶液のレオロジーに与える影響を議論し、その数学的な記述を行う。
授業の進め方・方法:
講義による
注意点:
これまでの科目で習得した知識を組み合わせて講義が進むので、該当する科目の復習を行って授業に臨むことを期待する。不明点があればその都度遠慮なく質問して欲しい。また授業計画は、学生の理解度に応じて変更する場合がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 レオロジーの概念、高分子の機能性との関わり、学習する意義を解説 レオロジーの概念、高分子の機能性との関わり、学習する意義を理解する。
2週 弾性体の挙動をを数学的に扱う 弾性体の挙動をを数学的に理解する。
3週 粘性体の挙動をを数学的に扱う 粘性体の挙動をを数学的に理解する。
4週 弾性体と粘性体の性質を併せ持つ粘弾性体について解説する 弾性体と粘性体の性質を併せ持つ粘弾性体について理解する。
5週 粘弾性体を表現する代表的な力学モデルについて解説する 粘弾性体を表現する代表的な力学モデルについて理解する。
6週 MaxwellモデルとVoigtモデルにあてはまらない粘弾性体について解説する MaxwellモデルとVoigtモデルにあてはまらない粘弾性体について理解する。
7週 中間試験
8週 中間試験の解説
4thQ
9週 高分子物質の構造と、そのレオロジーとの関係について概説する 高分子物質の構造と、そのレオロジーとの関係について理解する。
10週 高分子溶液の濃度によるふるまいの変化について解説する 高分子溶液の濃度によるふるまいの変化について理解する。
11週 高分子の温度によるふるまいの変化について解説する 高分子の温度によるふるまいの変化について理解する。
12週 高分子鎖の拡散現象と、緩和時間の意義について解説する 高分子鎖の拡散現象と、緩和時間の意義について理解する。
13週 ミセル等のゾルに関するレオロジーについて解説する ミセル等のゾルに関するレオロジーについて理解する。
14週 ゲルの構造とレオロジーの関連について解説する ゲルの構造とレオロジーの関連について理解する。
15週 期末試験
16週 期末試験の解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力専門的能力の実質化インターンシップインターンシップ企業等における技術者の実務を理解できる。4
企業人としての責任ある仕事の進め方を理解できる。4
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を総合的に判断することの重要性を理解できる。4
企業における社会的責任を理解できる。4
企業活動が国内外で他社(他者)とどのような関係性を持つかを理解できる。4
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを理解できる。4
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができ、それを高めようと努力する姿勢をとることができる。4
コミュニケーション能力や主体性等の「技術者が備えるべき能力」の必要性を理解できる。4
実際の企業人等との仕事を通して自身のキャリアデザインを明確化することができる。4
社会経験をふまえ、企業においても自分が成長していくことが必要であることを認識できる。4
実務体験を企業や職種とのマッチングの場として考えて積極的な行動ができる。4
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。4
技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスを実践できる。4
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。4
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。4
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。4
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。4
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。4
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。4
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。4
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。4
社会性、社会的責任、コンプライアンスが強く求められている時代の変化の中で、技術者として信用失墜の禁止と公益の確保が考慮することができる。4
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。4
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。4
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性身内の中で、周囲の状況を改善すべく、自身の能力を発揮できる。 4
集団の中で、自身の能力を発揮して、組織の勢いを向上できる。4
日常生活の時間管理、健康管理、金銭管理などができる。常に良い状態を維持するための努力を怠らない。4
ストレスやプレッシャーに対し、自分自身をよく知り、解決を試みる行動をとることができる。日常生活の管理ができるとともに、目標達成のために対処することができる。4
学生であっても社会全体を構成している一員としての意識を持って、行動することができる。4
市民として社会の一員であることを理解し、社会に大きなマイナス影響を及ぼす行為を戒める。人間性・教養、モラルなど、社会的・地球的観点から物事を考えることができる。4
チームワークの必要性・ルール・マナーを理解し、自分の感情の抑制、コントロールをし、他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持つとともに、当事者意識を持ち協調して共同作業・研究をすすめることができる。4
組織やチームの目標や役割を理解し、他者の意見を尊重しながら、適切なコミュニケーションを持つとともに、成果をあげるために役割を超えた行動をとるなど、柔軟性を持った行動をとることができる。4
先にたって行動の模範を示すことができる。口頭などで説明し、他者に対し適切な協調行動を促し、共同作業・研究をすすめことができる。4
目指すべき方向性を示し、先に立って行動の模範を示すことで他者に適切な協調行動を促し、共同作業・研究において、系統的に成果を生み出すことができる。リーダーシップを発揮するために、常に情報収集や相談を怠らず自身の判断力をも磨くことができる。4
法令を理解し遵守する。基本的人権について理解し、他者のおかれている状況を理解することができる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識している。4
法令を理解し遵守する。研究などで使用する、他者のおかれている状況を理解できる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識し、身近で起こる関連した情報や見解の収集に努めるなど、技術の成果が社会に受け入れられるよう行動できる。4
未来の多くの可能性から技術の発展と持続的社会の在り方を理解し、自らのキャリアを考えることができる。4
技術の発展と持続的社会の在り方に関する知識を有し、未来社会を考察することができるとともに、技術の創造や自らのキャリアをデザインすることが考慮できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力300000030
分野横断的能力200000020