到達目標
◯「究極的関心」としての「信仰」概念を、具体的な宗教現象・文化現象の事例の考察を通して理解できる。
◯「究極的関心」の概念を作業仮説として用いて、自分が任意に選んだ宗教的あるいは非宗教的な思想、行動、信条などの文化現象に内在する「究極的関心」を読み解き、その構造を分析できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 究極的関心」としての「信仰」概念を、具体的な宗教現象・文化現象の事例の考察を通して理解し、充実と疑いの揺れの中で生きる人間についての洞察を深めている。 | 究極的関心」としての「信仰」概念を、具体的な宗教現象・文化現象の事例の考察を通して理解できる。 | 究極的関心」の概念や、これを用いた宗教現象・文化現象の分析を十分に理解できていない。 |
評価項目2 | 自分が任意に選んだ宗教的あるいは非宗教的な思想、行動、信条などの文化現象について、「究極的関心」の概念を作業仮説として用いて、詳細な分析を行うことができ、その動態的構造を描き出すことに成功している。 | 「究極的関心」の概念を作業仮説として用いて、自分が任意に選んだ宗教的あるいは非宗教的な思想、行動、信条などの文化現象に内在する「究極的関心」を読み解き、その構造を分析できる。 | 自分が任意に選んだ宗教的あるいは非宗教的な思想、行動、信条などの文化現象についてのスケッチが表面的にとどまると共に、「究極的関心」の概念を適用した分析も関連性が不足している。 |
評価項目3 | | | |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 B-2
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学習・教育到達度目標 C-1
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JABEE 1(2)(a)
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教育方法等
概要:
諸々の思想や文化の形成や変遷を理解する際には、それらを産み出す人間が究極的に何を問題とし何を求めているかを見ることが役に立ちます。授業では、「究極的関心」という概念を用いながら、キリスト教などの宗教的な思想・文化、ナショナリズムなどの非宗教的な思想・文化を、人間の究極的関心の表現として読み解くことを試みます。「究極的関心」という作業仮説を用いて、人々の物の考え方や営みの基底にある心性がどのようなものかを解釈できるようになることが、この授業のねらいです。
授業の進め方・方法:
講義(100%)、授業形態A(教員→学生)70%・B(教員⟷学生)30%、教育手法1(普通の授業)・3(探求に基づいた発見学習)
注意点:
宗教や信仰といった話題を取り扱いますが、決して特定宗教の宣伝を行ったりするものではありません。いかに目をつむろうとしても私たちの身の回りに信仰という人間の営みが存在する以上、それを頭から拒否するのでもなく、それに無批判に取り込まれるのでもなく、この営みを自らの知性によって考えていくための手がかりを、授業での議論を通して見つけてもらえればと考えています。なお授業計画は,学生の理解度に応じて変更する場合があります。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
現代日本の知識人の信仰理解 |
森岡正博『宗教なき時代を生きるために』を手がかりに、現代日本人の一般的な信仰観を理解する。
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2週 |
究極的な関心としての信仰 |
森岡の示す一般的な信仰観と対比しながら、ティリッヒの「究極的関心」としての信仰というとらえ方を理解する。
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3週 |
究極的な関心としての信仰―ナショナリズムの場合 |
「究極的関心」の概念をナショナリズムの例を通して理解する。
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4週 |
究極的な関心としての信仰―旧約聖書の場合 |
「究極的関心」の概念を旧約聖書の宗教の例を通して理解する。
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5週 |
人間の心理構造における信仰の位置:フロイト説との比較 |
フロイトの無意識説とティリッヒの考える信仰との関連と違いを考察する。
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6週 |
人間の心理構造における信仰の位置:ユング説との比較 |
ユングの無意識説とティリッヒの考える信仰との関連と違いを考察する。
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7週 |
人間の心理構造における信仰の位置 |
人格の全体の働き、中心の働き、脱自といった信仰の特性を理解する。
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8週 |
信仰の源:非存在の脅威と生への欲望 |
非存在の脅威にさらされる人間の実存の中に究極的関心を生み出す原動力があるとするティリッヒの主張を考察する。
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2ndQ |
9週 |
信仰の源;「究極」との出会い、脱自、偶像信仰 |
非存在の脅威や生への欲望という人間的基盤の上で「究極的関心・関わり」がどのように生じ、どのように変容するかを考察する。
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10週 |
信仰の対象:聖なるもの |
信仰の対象が創造的・破壊的、神的・魔的の両面性を持つことを、宗教史の材料に照らして理解する。
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11週 |
信仰の対象:聖なるもの |
宗教の歴史的変遷を魔的なものと神的なものとの闘争史という観点から理解する。
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12週 |
信仰と疑い |
「究極的関心」としての信仰に潜む「疑い」「冒険」「勇気」の要素について理解する。
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13週 |
信仰の動態 |
これまで考察した「究極的関心」としての信仰の諸構成要素の理解をふまえ、信仰の動態構造の特質を考察する。
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14週 |
事例分析:イエスの究極的関心 |
田川建三『イエスという男』を手がかりに、新約聖書に登場するイエスの活動の特徴を理解する。
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15週 |
事例分析:イエスの究極的関心 |
イエスの活動を「究極的関心」という作業仮説を用いて解釈する。
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16週 |
期末レポートの返却、講評 |
返却された期末レポートおよびその講評を通して、自らが行った分析を顧みる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| レポート | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |