ディジタル通信

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 ディジタル通信
科目番号 0023 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境エネルギー工学コース 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 ハンドアウトのプリント
担当教員 長澤 正氏

到達目標

1.情報量(エントロピー)について説明できる。
2.サンプリン定理を説明できる。
3..デジタル通信における通信路の帯域と通信容量の関係について説明できる。
4.基礎的なデジタル通信方式(ASK,FSK,PSK)の概念および変調、復調の原理を説明できる。
5.伝送制御方式(誤りの制御、多重方式、再送制御など)の概念と必要性を説明できる。
6.デジタル通信における多重化方式について説明できる。
7.上記4,5,6のデジタル通信方式について現在社会においてどのように応用されているか説明できる(C1-4)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.情報量(エントロピー)について説明できる。□情報量(エントロピー)について例を挙げて完全に説明できなる。□情報量(エントロピー)についてほぼ説明できなる。□情報量(エントロピー)について説明できない。
2.サンプリン定理を説明できる。□サンプリン定理の意味を説明できる。 □サンプリング定理を完全に証明できる。□サンプリン定理の意味するところを説明できなる。□サンプリン定理の意味するところを説明できない。
3..矩形パルスの伝送に必要な帯域について説明できる。□矩形パルスの幅とスペクトルの関係を数式とグラフで示すことができる。 □ランダムな矩形波列のスペクトルを図示し伝送にいつような帯域について説明できる。□矩形パルスの幅とスペクトルの関係を数式とグラフで示すことができる。3..矩形パルスの伝送に必要な帯域について説明できない。
4.デジタル通信方式ASK, FSK, PSKの概念および変調、復調原理を説明できる。□デジタル通信方式ASK, FSK, PSKの概念および変調、復調原理をブロック図と数式を使って完全に説明できる。□デジタル通信方式ASK, FSK, PSKの概念および変調、復調原理をほぼ説明できる。□デジタル通信方式ASK, FSK, PSKの概念および変調、復調原理を説明できない。
5.誤りの検出、訂正□CRCコードによる誤り検出の原理を説明できる。CRCコードの生成方法、誤り検出方法を説明できる。□CRCコードによる誤り検出、コードの生成ができる。□CRCコードによる誤り検出、コードの生成ができない。
6.再送制御方式について説明できる。 □Stop and wait ARQ, go back n ARQ, Selective repeat ARQno 各再送制御について、長所短所を含めて詳しく説明できる。□Stop and wait ARQ, go back n ARQ, Selective repeat ARQno 各再送制御について説明できる。□再送制御方式について説明できない。
7.デジタル通信における多重化方式について説明できる。□デジタル通信における多重化方式(FDM, TDM, CDMA, CSMA)について概念とそれぞれの特徴をを正しく説明できる。□デジタル通信における多重化方式(FDM, TDM, CDMA, CSMA)について概念をほぼ説明できる。□デジタル通信における多重化方式について説明できない。
8. 上記4,5,6のデジタル通信方式について現在社会においてどのように応用されているか説明できる(C1-4)□上記4,5,6のデジタル通信方式について現在社会においてどのように応用されているか理由を含めて詳しく説明できる。(C1-4)□上記4,5,6のデジタル通信方式について現在社会においてどのように応用されているかほぼ説明できる。(C1-4)□上記4,5,6のデジタル通信方式について現在社会においてどのように応用されているか説明できない

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (C1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (C1-4) 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
太古の昔から人間は遠距離へ情報を伝達するためにさまざまな工夫を行ってきた。 現代社会において、通信は衣食住の次に位置するほど重要な役割を 担っている。通信工学は無線技術、電波伝搬、変復調技術、符号化、符号圧縮、誤り検出、符号化、伝送制御手順など非常に多くの要素を含んでいるが、本講義では特にデジタル 通信の基本的な原理と伝送制御方式について学ぶ。
授業の進め方・方法:
毎回授業内容に沿ったハンドアウトのプリントを配布しその解説を行う。1回の小テストと期末試験を実施する。
また、以下の課題を出題し、一週間後に提出する。
課題1.矩形波とスペクトル
課題2.サンプリング定理の証明
課題3.CRCコードの生成
課題4.BPSK変調波の波形作成
課題5.変調波の復調
課題6.CDMAシミュレーション
注意点:
試験を70%、課題レポートを30%の重みとして評価する。授業目標7(C1-4)が標準基準(6割)以上で、かつ科目全体で60点以上の場合に合格とする。評価基準については、成績評価基準表による。
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 講義内容、講義方法を知る。
2週 デジタルとアナログ アナログ通信とデジタル通信の違い、デジタル通信の利点を説明できる。
3週 デジタル信号処理の基礎、矩形波のスペクトル 矩形波のスペクトルを求めパルス幅と占有帯域の関係について説明できる。
4週 帯域と通信の容量 シャノン・ハートレーの定理について説明できる。
5週 サンプリング定理 サンプリング定理の意味が説明できる
6週 サンプリング定理の証明 サンプリング定理が証明できる
7週 中間試験(フーリエ変換、通信容量、サンプリング定理) 80点以上
8週 デジタル変復調の方式(ASK、FSK、PSK、QAM) デジタル変復調の方式(ASK、FSK、PSK、QAM)についてその概念を説明できる
4thQ
9週 デジタル変復調回路 変復調回路の原理を説明できる
10週 ビット同期(調歩同期、同期式),フレーム同期 PLLの原理、でじたるPLLの原理、調歩同期方式、フレーム同期(HDLCのフラグ)について説明できる
11週 誤り検出方式(パリティ、CRCコード)、誤り訂正符号 誤り検出方式(パリティ、CRCコード)、誤り訂正符号の原理について説明できる
12週 再送方式 Stop and wait ARQ, go back n ARQ, Selective repeat ARQno
各再送制御について説明できる
13週 多重化方式について FDM, TDM, CSMA, CDMA各多重化方式についてその概念を説明できる
14週 CDMA方式のシミュレーション CDMA方式の原理に基づきシミュレーションできる
15週 伝送制御手順 無手順方式,BSC,HDLC手順の歴史、特徴を説明できる
16週 期末試験 80点以上

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力2010000030
専門的能力4015000055
分野横断的能力105000015