化学反応論

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 化学反応論
科目番号 0035 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境エネルギー工学コース 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「数学いらずの化学反応論」齋藤勝裕著・化学同人
担当教員 稲津 晃司

到達目標

1.速い反応と遅い反応がある理由を説明できる
2.反応速度を調べる実験的手段を例示できる
3.発熱反応と発熱反応がある理由を説明できる
4.反応速度とエネルギーの関係が説明できる(C1-4)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 速い反応と遅い反応がある理由を説明できる□反応速度の定義と速度式について具体例をあげながら説明できる。 □反応速度への影響因子を定量的に評価してあげることができる。 □衝突理論の概要を具体例をあげて説明できる。 □いくつかの反応の速度,反応次数,時定数を計算できる。□反応速度の定義と速度式について説明できる。 □反応速度に影響する因子をあげることができる。 □衝突理論の概要を説明できる。 □簡単な反応の速度,反応次数,時定数を計算できる。□反応速度の定義と速度式について説明できない。 □反応速度に影響する因子をあげることができない。 □衝突理論の概要を説明できない。 □簡単な反応の速度,反応次数,時定数を計算できない。
評価項目2 反応速度を調べる実験的手段を例示できる□反応速度を調べるための測定項目をあげ,測定値の取り扱いを説明できる。 □反応速度を調べる実験にの用いる機器,設備を要件を含めてあげることができる。 □反応速度を調べる実験方法を具体的手続きや条件を含めて示せる。□反応速度を調べるための測定項目をあげることができる。 □反応速度を調べる実験にの用いる機器,設備をあげることができる。 □反応速度を調べる実験方法と用いる機器等の原理を例示できる。□反応速度を調べるための測定項目をあげることができない。 □反応速度を調べる実験にの用いる機器,設備をあげることができない。 □反応速度を調べる実験方法と用いる機器等の原理を例示できない。
評価項目3 発熱反応と発熱反応の差異を説明できる□具体的な反応について反応断面図を用いて反応熱を説明できる。 □遷移状態理論をアイリングの式を用い,衝突理論との差異を含めて説明できる。 □反応の有効エネルギーを原系と反応系の状態と関連付けて発熱反応と吸熱反応について説明できる。□反応断面図を用いて反応熱を説明できる。 □遷移状態理論を説明できる。 □反応の有効エネルギーを発熱反応と吸熱反応について説明できる。□反応断面図を用いて反応熱を説明できない。 □遷移状態理論を説明できない。 □反応の有効エネルギーを発熱反応と吸熱反応について説明できない。
評価項目4 反応速度とエネルギーの関係が説明できる(C1-4)□反応速度の温度依存性についての計算し,反応系のエネルギーについて考察できる。 □アレニウスの式とその熱力学的解釈を微視的観点を含めて説明できる。 □反応速度とエネルギーの関係を複数の反応機構について説明できる。□反応速度の温度依存性についての計算ができる。 □アレニウスの式とその熱力学的解釈を説明できる。 □反応速度とエネルギーの関係を反応機構と関連付けて説明できる。□反応速度の温度依存性についての計算ができない。 □アレニウスの式とその熱力学的解釈を説明できない。 □反応機構と反応速度-エネルギーの関係を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (C1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (C1-4) 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学反応が進行する速さを反応物・生成物のマクロな濃度変化によって追跡する反応速度論と,化学反応を反応分子どうしのミクロな衝突過程としてとらえる反応動力学とをあわせて教授する。分光学に関する解説やレーザーや分子線を用いた現代的な研究データを交えながらの演習も行い,化学反応論を学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業は講義を中心に進め,学習内容について口頭試問,議論,あるいは演習を適宜行う。また演習や発表議論の課題を課すこともある。
注意点:
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。
3.(*実践指針)が標準基準(6割)以上で、かつ科目全体で60点以上の場合に合格とする。評価基準については、成績評価基準表(ルーブリック)による。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス ・授業計画と評価方法を理解する.
・身近な化学反応とその仕組みを理解する必要性を知る.
2週 化学反応のダイナミズム ・反応速度論の全体を概観する.
・化学反応の理解にはエネルギー授受の側面と速度の解析が必要であることを理解する.
3週 反応速度の表し方 反応速度論的な化学反応の解析の第一歩としての反応速度の表現方法を知る.
4週 二次反応の解析 ・二次反応がふたつの化学種の間で起こる一般的な反応であることを理解する.
・一次反応との差異を理解する.
5週 逐次反応の解析 ・素反応と多段階反応の違いを関与する化学種の濃度変化から理解する.
6週 可逆反応の解析 ・平衡状態と反応速度の関連を理解する.
7週 気体分子運動論 ・気体分子の運動を化学反応と関連する点において理解する.
8週 基礎的な反応速度の取扱の演習 ・反応速度の表現方法と実験データから反応速度式を解析的に得る方法について確認する.
2ndQ
9週 反応エネルギー論 ・化学反応に伴うエネルギーの授受の概要を理解する.
10週 遷移状態理論 ・化学反応の速度は反応物と活性錯合体の濃度間の平衡に依存する側面があることを理解する.
11週 同位体効果 ・原子間の結合の組み換えという側面から,化学反応において同位体が反応速度に及ぼす影響を理解する.
12週 触媒反応の解析 ・あらゆる化学反応の利用や制御において本質的な役割を果たしている触媒の反応速度論的意義を理解する.
13週 溶液反応の解析 ・気相反応にくらべて考慮すべき事柄が多い液相反応について,反応速度論的側面を知る.
14週 固体反応とその他の特殊な反応の解析 ・結晶質とアモルファスという異なる固体状態が反応速度に及ぼす影響を理解する.
・特殊場での反応として,光反応について速度論的特徴を理解する.
15週 総まとめ ・化学反応について,基本的な速度論的な取扱とエネルギー授受の側面からの理解を高める.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題・発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000