数理・OR工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 数理・OR工学
科目番号 0027 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子情報システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 はじめての最適化(関口良行著、近代科学社)数理計画法(関根泰次、岩波書店)
担当教員 村上 純

到達目標

 最適化問題の概要を理解し、中でも線形計画問題のシンプレックス法に関わる以下の内容を理解し、それらを用いて実際に計算できるようになること目指す。
1.線形最適化問題の定式化
2.線形制約条件式の性質および制約領域の性質と線形計画の最適解
3.シンプレックス法(第Ⅱ段)最適解の探索法
4.改訂シンプレックス法
5.シンプレックス法(第Ⅰ段)初期可能解の見つけ方
6.シンプレックス法の退化の回避法

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
線形最適化問題の定式化線形最適化問題について理解し、その定式化ができ、連立1次方程式の形で表し、実際に解くことができる。線形最適化問題について理解し、その定式化ができ、連立1次方程式の形で表すことができる。線形最適化問題について理解できず、その定式化ができない。
線形制約条件式の性質および制約領域の性質と線形計画の最適解線形制約条件式の性質および制約領域の性質と線形計画の最適解について理解し、説明ができ、演習問題が正しく解けて、実際に正確な計算をすることができる。線形制約条件式の性質および制約領域の性質と線形計画の最適解について理解し、説明ができ、演習問題の計算ができる。線形制約条件式の性質および制約領域の性質と線形計画の最適解について、理解できず、実際の計算もできない。
シンプレックス法(第Ⅱ段)最適解の探索法シンプレックス法(第Ⅱ段)について詳しく理解し説明でき、演習問題が正しく解けて、実際に正確な計算をすることができる。シンプレックス法(第Ⅱ段)について理解し説明でき、演習問題を解くことができる。シンプレックス法(第Ⅱ段)について理解できず、演習問題も解くことができない。
改訂シンプレックス法改訂シンプレックス法について詳しく理解し説明でき、演習問題が正しく解けて、実際に正確な計算をすることができる。 改訂シンプレックス法について理解し説明でき、演習問題を解くことができる。 改訂シンプレックス法について理解できず、演習問題も解くことができない。
シンプレックス法(第Ⅰ段)初期可能解の見つけ方シンプレックス法(第Ⅰ段)について詳しく理解し説明でき、演習問題が正しく解けて、実際に正確な計算をすることができる。 シンプレックス法(第Ⅰ段)について理解し説明でき、演習問題を解くことができる。 シンプレックス法(第Ⅰ段)について理解できず、演習問題も解くことができない。
シンプレックス法の退化の回避法シンプレックス法の退化の回避法について詳しく理解し説明でき、演習問題が正しく解けて、実際に正確な計算をすることができる。 シンプレックス法の退化の回避法について理解し説明でき、演習問題を解くことができる。 シンプレックス法の退化の回避法について理解できず、演習問題も解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE非対応教育プログラム「電子情報技術専修コース」 (3) 説明 閉じる
JABEE対応教育プログラム「電子・情報技術応用工学コース」 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 線形計画法は、制約条件下で、目的関数を最適化する問題に対する解法を扱うもので、本科目では、数学的な側面からこの問題について捉える。工学に限らず、多くの場面、たとえば政策や生産、輸送、経営などにおいて、線形計画法は重要なものとなっており、実際に必要となったときに、その考え方が分かるよう、例題と演習問題を解きながら講述する。
授業の進め方・方法:
 本科目は、本科のシステム工学や最適制御関連の科目と関連している。授業は座学を中心とし、実際の計算は机上およびパソコンを用いた演習形式で行う。演習はレポート提出が必要で、評価はそれにより行う。レポートを提出しない場合は0点とする。6割以上の得点で目標を達成したとする。各自、実際に計算を行うことにより、手法の理解を深め、実際問題への応用が可能となるようにする。
注意点:
 現実的な問題への応用が幅広い内容であるので、理論的な基礎をよく理解した上で、計算も実際に行って、現実問題への応用ができるようになってほしい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 最適化問題全般についての概要について理解できる。
2週 計画問題と最適化手法 目的関数、制約条件、凸領域、凸関数、凸計画法、非凸計画法の意味について理解し、説明することができる。
3週 生産計画問題・栄養問題・輸送計画問題 線形最適化問題について理解し、その定式化ができ、連立方程式として表すことができる。
4週 線形制約条件式の性質1 凸集合、端点、多面体、可能解と基底形式、基底解について理解し、説明することができる。
5週 線形制約条件式の性質2(演習) 与えられた練習問題について、基底解の退化について調べることができ、また端点と基底解が一致することを示すことができる。
6週 制約領域の性質、線形計画の最適解1 制約領域の性質について理解し、説明することができる。線形計画の最適解について理解し、説明することができる。
7週 制約領域の性質、線形計画の最適解2(演習) 与えられた練習問題について、線形計画の最適解を求めることができる。
8週 シンプレックス法(第Ⅱ段)、シンプレックス表) 与えられた出発点から、順次よい端点を見つける手法について理解し、説明することができる。また、シンプレックス表の作り方を理解し、説明することができる。
4thQ
9週 シンプレックス法(第Ⅱ段)の演習) シンプレックス表を用いて、実際に与えられた問題について、計算を行うことができる。
10週 改訂シンプレックス法 改訂シンプレックス法の考え方および計算法を理解し、説明することができる。
11週 改訂シンプレックス法の演習 改訂シンプレックス法で、実際に与えられた問題について、計算を行うことができる。
12週 シンプレックス法(第Ⅰ段) 初期可能解を見出す方法について理解し、説明することができる。
13週 シンプレックス法の退化の回避 退化が起こる場合についての、平行移動による解決法について理解し、説明することができる。
14週 シンプレックス法の退化の回避の演習 与えられた問題について、退化の回避の計算を行い、最適解を求めることができる。
15週 双対問題と双対シンプレックス法 双対問題および双対シンプレックス法について理解し、説明することができる。
16週 まとめとレポート作成

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00000100100
基礎的能力000003535
専門的能力000004545
分野横断的能力000002020