環境機械工学

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 環境機械工学
科目番号 0036 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械・電子システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:高専生のための機械力学 小田原 悟 著 国分新生社印刷
担当教員 小田原 悟

到達目標

1. 1自由度ばね質量減衰振動系について,周波数応答特性を理解し,振動の伝達と防振に応用できる.
2. 2自由度ばね質量減衰振動系について,運動方程式(微分方程式)とその解を求め,特性を理解できる.
3. 連続体の振動について偏微分方程式を解いてその特性を理解できる.
4. 機器の振動防止や地震対策に関する技術について理解することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ばね質量1自由度系の減衰を考慮した自由振動について,運動方程式(微分方程式)とその解を求め,特性を理解出来る.ばね質量1自由度系の減衰を考慮した自由振動について,運動方程式を立てることが出来る.ばね質量1自由度系の減衰を考慮した自由振動について,運動方程式を立てることが出来ない.
評価項目2強制加振力を受ける1自由度系について,周波数応答特性を理解し,振動の伝達と防振に応用出来る.強制加振力を受ける1自由度系について,運動方程式を立てることが出来る.強制加振力を受ける1自由度系について,運動方程式を立てることが出来ない.
評価項目3連続弾性体として弦や棒の縦振動について波動方程式を導き,初期条件に基づいて解を得ることが出来る.連続弾性体として弦や棒の縦振動について波動方程式を導いて現象を理解することが出来る.連続弾性体として弦や棒の縦振動について波動方程式を導くことが出来ない.
評価項目4音響の基本知識と騒音対策として,音圧レベルと消音技術について理解することが出来る.また,機器の振動防止や地震対策に関する技術として,機器の振動防止の為の制御技術や地震を想定したモノづくりを理解することが出来る.音響の基本知識と騒音対策として,音圧レベルと消音技術について理解することが出来る.また,機器の振動防止や地震対策に関する技術があることを理解することが出来る.音響の基本知識と騒音対策として,音圧レベルと消音技術について理解することが出来ない.また,機器の振動防止や地震対策に関する技術について理解することが出来ない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 2.1(1)④ 説明 閉じる
教育プログラムの科目分類 (4)① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
環境に配慮したモノづくりとして機械工学の観点から捉える.機械システムを安全に快適に運転する為には振動や騒音を如何に低減させるかが重要である.本授業では本科で学習した応用物理をベースとして機器の振動や騒音の防止技術を理解する為に各種振動の種類や力学的な解析方法について学ぶ.
授業の進め方・方法:
本科低学年時の数学・物理の基礎および専門科目の工業力学・工学実験などの基礎知識を必要とする.
注意点:
講義の内容の深い理解のために,予習や演習問題等の課題を含む復習として,毎週,210分以上の自学自習が必要とする.理解状況を把握するために毎回小テストとレポートを課す.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 機械システムの基本及び機械設計のための基礎事項 機械システムの基本及び機械設計のための基礎事項について理解することができる.
2週 1自由度系の減衰自由振動 1自由度ばね質量減衰系の自由振動について,運動方程式(微分方程式)とその解を求め,特性を理解出来る.
3週 1自由度系の強制振動1 強制加振力を受ける1自由度系について,周波数応答特性を理解することが出来る.
4週 1自由度系の強制振動2 任意波形の周期的外力を受ける1自由度系の強制振動の解を求めることが出来る.
5週 2自由度系の自由振動 2自由度系の自由振動について連成問題として理解することが出来る.
6週 2自由度系の強制振動・動吸振器 2自由度系の強制振動の共振曲線を描き,動吸振器の意味を理解することが出来る.
7週 連続弾性体の振動1 連続体として弦の振動現象から波動方程式を導くことが出来る.
8週 連続弾性体の振動2 弦の振動において初期条件を満足するような変位の解を求めることが出来る.
4thQ
9週 連続弾性体の振動3 棒の縦振動について運動方程式とその解を求めることが出来る.
10週 連続弾性体の振動4 梁の曲げ振動について運動方程式とその解を求めることが出来る.
11週 連続弾性体の振動5 長方形の膜・板の振動について運動方程式とその解を求めることが出来る.
12週 回転軸の振動 回転軸の危険速度を求めることが出来る.
13週 流体関連振動 流体の振動や管内の音の伝ぱについて理解することが出来る.
14週 音響の基本知識と騒音対策 音圧レベルと消音技術について理解することが出来る.
15週 ―後期期末試験―
試験答案の返却・解説
授業項目1. ~ 6. について達成度を評価する.試験において間違った部分を自分の課題として把握する.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。4
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。4
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。4
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。4
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4
物体に作用する力を図示することができる。4
力の合成と分解をすることができる。4
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。4
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。4
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。4
慣性の法則について説明できる。4
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。4
運動方程式を用いた計算ができる。4
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。4
運動の法則について説明できる。4
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。4
最大摩擦力に関する計算ができる。4
動摩擦力に関する計算ができる。4
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。4
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。4
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。4
力のモーメントを求めることができる。4
角運動量を求めることができる。4
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。4
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。4
重心に関する計算ができる。4
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。4
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。4
波動横波と縦波の違いについて説明できる。2
波の重ね合わせの原理について説明できる。4
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。4
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。4
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。4
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。4
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4
振動の種類および調和振動を説明できる。4
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4

評価割合

試験小テスト・レポート授業態度合計
総合評価割合70300100
%70300100