材料物性工学

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 材料物性工学
科目番号 0041 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械・電子システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 材料組織学,高木節雄,津崎兼彰 共著 朝倉書店,プリント/1,2年次の物理,化学の教科書および3,4年次の材料学の教科書,電子論関係書
担当教員 德永 仁夫

到達目標

1.物質の三態、結晶性固体の構造 非結晶性固体および物質の状態変化について理解し説明できる。
2.原子の構造と元素周期律について理解し、各種原子結合や相律と状態図について理解し説明できる。
3.結晶固体の格子欠陥、物質の電気的磁気的性質について理解し説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1標準的な到達レベルに加えて以下のことができる。 1)BCC、FCC、HCPの結晶構造因子を導出できる。 2)非晶質の微視的構造について理解し、X線構造解析との関連を説明できる。1)物質の変態、結晶構造、X線回折とミラー指数の関係などを理解し説明できる。 2)非結晶性固体(金属ガラスなど)の生成と構造、状態変化および微視的巨視的構造について理解し説明できる。 3)固体、液晶、ゴムについて状態変化の多様性について理解し、述べることができる。1)X線回折とミラー指数の関係などを説明できない。 2)微視的巨視的見地から非結晶性固体と結晶質固体との相違について説明できない。 3)固体、液晶、ゴムについて状態変化の多様性について述べることができない。
評価項目2標準的な到達レベルに加えて以下のことができる。 1)7つの結晶系,13のブラベー格子について図を用いて説明できる. 3)共晶型,包晶型の平衡状態図の読み取りができ,具体的な合金を例に挙げることができる.1)7つの結晶系について説明できる. 2)全率固溶型平衡状態図の読み取りができる.1)結晶系の説明,状態図の読み取りができない。 2)電子状態の相違による各種結合状態の特性を説明できない。 3)自由エネルギーにより熱平衡状態を求める方法を説明できない。
評価項目3標準的な到達レベルに加えて以下のことができる。 1)拡散変態とマルテンサイト変態の定義が説明でき,工業的応用例を1つずつ挙げることができる.1)マルテンサイト変態の定義が説明できる.1)各種変態およびマルテンサイト変態を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 1(2)(c) 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 2.1(1)③ 説明 閉じる
教育プログラムの科目分類 (3)③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
金属,半導体,セラミックス,金属間化合物などの工業材料の物性に関する基本的知識を学習して説明でき,将来その工学的応用が可能となることを目的とする.
授業の進め方・方法:
講義形式で行う。各内容について解析的に説明可能な場合は極力式の導出を行うが、内容が広範囲にわたりかつ時間の制約のため結果のみを示し、定性的説明に留める場合がある。各自の特別研究において実験装置や測定器の中で、材料の特性を利用しているものについてその名称、使用されている材料名と動作原理に関する報告書を課す。
注意点:
機械系や制御系の専門科目とは分野が異なるため,教科書や参考文献等によりに予習し,復習を行うこと.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンスと物質の三態,結晶性固体の構造 物質の変態,結晶構造,X線回折とミラー指数の関係などを理解し説明できる.
2週 結晶と原子配列 結晶系とブラベー格子、結晶の対称性を理解する。
3週 熱力学の基礎 一成分系の凝固過程と熱力学および相律を理解する。
4週 二成分系の熱力学 二成分系材料の自由エネルギー変化と平衡相変態を理解する。
5週 平衡状態図(1) 全率固溶体を形成する系の組織変化とてこの法則を理解する。
6週 平衡状態図(2) 共晶系、包晶系の状態図と組織変化を理解する。
7週 材料の組織と性質(1) □ 共有結合,イオン結合,金属結合および弱い分子間力について理解し説明できる.
8週 材料の組織と性質(2) 単相組織における組織と性質の関係を理解する。
4thQ
9週 材料の組織と性質(3) 複相組織における第2相の析出と析出強化について理解する。
10週 結晶固体の格子欠陥 複相組織における第2相の析出と析出強化について理解する。
11週 共析組織 Fe-C合金の共析組織と材料の性質の関係を理解する。
12週 再結晶 回復、再結晶、粒成長の過程を理解する。
13週 拡散変態 固体材料における拡散機構と拡散変態について理解する。
14週 マルテンサイト変態 マルテンサイト変態の定義や機構、工業材料への応用について理解する。
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違った部分を自分の課題として把握する(非評価項目)
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート、演習相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000