化学Ⅱ(応用化学・生物系)

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 化学Ⅱ(応用化学・生物系)
科目番号 0049 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(一般科目) 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 前期:4
教科書/教材 「化学基礎」、「化学」 啓林館 / 補助教材:「改訂 スタディノート化学」 第一学習社
担当教員 大島 和浩

到達目標

1.酸化還元反応が電子の授受によることを理解し、酸化還元滴定に関する量論計算ができる。
2.電池や電気分解の原理を理解し、ファラデーの法則を用いた量論計算ができる。
3.物質の状態変化に伴うエネルギーの出入りおよび状態間の平衡と温度・圧力の関係を理解し説明できる。
4.溶解の仕組みを理解し、溶解度と溶解平衡を関連付けて理解し説明できる。
5.気体の体積と圧力や温度との関係を理解し、状態方程式を用いた計算ができる。
6.反応速度の表し方及び反応速度に影響を与える要因を理解し、計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1酸化還元反応が電子の授受によることを詳しく理解し、様々な酸化剤・還元剤の組み合わせによる酸化還元反応機構の説明と量論計算ができる酸化還元反応が電子の授受によることを理解し、基本的な酸化剤・還元剤の組み合わせによる酸化還元反応機構の説明と量論計算ができる酸化還元反応が電子の授受によることを理解できない
評価項目2電池や電気分解の原理を詳しく理解し、多様な電極の組み合わせにおける電池の機構、様々な電気分解機構を説明できる。複雑な系においてもファラデーの法則を用いた量論計算ができる。電池や電気分解の原理を理解し、基本的な電極の組み合わせにおける電池の機構、代表的な電気分解機構を説明できる。ファラデーの法則を用いた基礎的な量論計算ができる。電池や電気分解の原理を理解できない
評価項目3様々な物質の状態変化に伴うエネルギーの出入りおよび状態間の平衡と温度・圧力の関係を詳しく理解し、それぞれ詳細に説明できる。基本的な物質の状態変化に伴うエネルギーの出入りおよび状態間の平衡と温度・圧力の関係を理解し、概要を説明できる。物質の状態変化に伴うエネルギーの出入りおよび状態間の平衡と温度・圧力の関係を理解できない。
評価項目4溶解の仕組みを理解し、様々な物質に対して溶解度と溶解平衡を関連付けて理解し詳しく説明できる。溶解の仕組みを理解し、代表的な物質に対して溶解度と溶解平衡を関連付けて理解し説明できる。溶解の仕組みを理解できない
評価項目5気体の体積と圧力や温度との関係を理解し、状態方程式を用いた複雑な計算ができる。気体の体積と圧力や温度との関係を理解し、状態方程式を用いた基本的な計算ができる。気体の体積と圧力や温度との関係を理解できない
評価項目6反応速度の表し方及び反応速度に影響を与える要因を理解し、複雑な反応系に対して計算ができる。反応速度の表し方及び反応速度に影響を与える要因を理解し、代表的な反応系に対して基本的な計算ができる。反応速度の表し方及び反応速度に影響を与える要因を理解できない

学科の到達目標項目との関係

Ⅰ 人間性
Ⅱ 実践性
Ⅲ 国際性

教育方法等

概要:
化学Ⅰ・Ⅱは、化学的な事物・現象に関わり,理科の見方・考え方を働かせ,化学的な事物・現象を科学的に探究するために必要な資質・能力を育成することを目指す講義である。
授業の進め方・方法:
授業は、各自が十分な予習・復習を行っていることを前提に進める。主にパワーポイントを用いて講義形式で行う。
教科書、ノート、ワーク、電卓、配布プリントを入れるフォルダ(A4)を必ず用意すること。演習課題等はプリントのほか、Black BoardあるいはTeamsを利用して配布する。
注意点:
学業成績が60点に満たない学生のうち、受講態度および課題提出状況が良好な者に対しては再試験を行う場合がある。この場合、再試験の結果をもって試験成績の再評価を行う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 中和と塩 酸塩基の組み合わせによる中和滴定曲線の違いについて理解できる。塩の種類による中和点の変化について説明できる
2週 酸化と還元の定義・酸化数の変化と酸化剤・還元剤の反応 電子の授受に基づいて酸化と還元の定義を説明できる。酸化数について説明できる。
3週 酸化還元反応式 酸化還元反応式を作ることができる。酸化還元滴定に関する量論計算ができる
4週 金属のイオン化傾向 
金属のイオン化傾向について説明でき、金属の水や酸との反応についてイオン化傾向に基づいて説明できる。
5週 電池の原理・反応 電池の原理・反応について説明できる。
主な電池について説明できる。
6週 電気分解とファラデーの法則・達成度評価試験
電気分解について説明でき、ファラデーの法則を使った計算ができる。ボルタ電池・ダニエル電池と起電力に関する実験を行い、レポートを作成できる。達成度評価試験に合格できる
7週 状態変化とエネルギー・気体の圧力 状態変化におけるエネルギー収支について理解できる。気液平衡について理解し、説明できる。
8週 達成度評価試験 第7週までの内容について達成度評価試験に合格できる
2ndQ
9週 気体の体積変化 ボイル-シャルルの法則に基づいて気体の圧力・体積と温度の関係について説明でき、適切き計算できる。
10週 気体の状態方程式・理想気体と実在気体 気体定数、気体の状態方程式を理解し、単一および混合気体について方程式を用いた計算ができる。理想気体と実在気体の違いについて理解し説明できる
11週 溶解度の計算・希薄溶液の性質 溶解の原理を理解し、物質の溶解度について計算できる。飽和溶液の冷却時の析出量について計算できる。希薄溶液の性質について説明できる。
12週 コロイド溶液の性質・ ラウールの法則、沸点上昇、凝固点降下について説明でき、計算ができる
13週 溶液の浸透圧 浸透圧について説明でき、計算ができる
14週 化学反応の速さ 化学反応の速さと濃度・温度の関係について説明できる
15週 化学反応速度論 化学反応速度と触媒の関係についてエネルギー図を用いて説明できる。データから化学反応速度式を決定することができる。
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3
物質が原子からできていることを説明できる。3
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
純物質と混合物の区別が説明できる。3
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3
水の状態変化が説明できる。3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3前7,前9,前10
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3前7,前9,前10
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
同位体について説明できる。3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3
価電子の働きについて説明できる。3
原子のイオン化について説明できる。3
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3
イオン式とイオンの名称を説明できる。3
イオン結合について説明できる。3
イオン結合性物質の性質を説明できる。3
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3
共有結合について説明できる。3
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
原子の相対質量が説明できる。3
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3前11,前12
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3前11,前12
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3前11,前12
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3
中和滴定の計算ができる。3前1
酸化還元反応について説明できる。3前2,前3
イオン化傾向について説明できる。3前4
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3前4
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3前5
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3前5
一次電池の種類を説明できる。3前5
二次電池の種類を説明できる。3前5
電気分解反応を説明できる。3前6
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3前6
ファラデーの法則による計算ができる。3前6
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3前6,前15
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3前6,前15
測定と測定値の取り扱いができる。3前6,前15
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3前6,前15
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3前6,前15
ガラス器具の取り扱いができる。3前6,前15
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3前6,前15
試薬の調製ができる。3前6,前15
代表的な気体発生の実験ができる。3前6,前15
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3前6,前15

評価割合

定期試験達成度評価試験(3回)小テスト・課題など合計
総合評価割合206020000100
基礎的能力206020000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000