概要:
前期では,熱現象について議論する.熱運動と温度の関係,熱容量とこれらに関係する熱現象,さらに熱力学第一法則と気体の状態変化等の関係を論じ,熱機関に関する種々の物理量の算出方法を解説する.
後期では,波動現象について議論する.波動の種類(横波・縦波)とこれらに共通する物理量である長,周期,振動数,波の速さ等について論じる.さらに音波と光波について議論し,固有振動や共振現象・屈折・反射・回折や干渉について論じ,波動の基本的性質を解説する.
授業の進め方・方法:
分野ごとに講義によって内容を確認し,演習によって詳細を理解できるように授業を構成する.授業中の演習参加の機会は,授業時間内に全員に対して与える.予習復習は,各自が積極的に行うこと.授業中の演習に備えて,定規・関数電卓を用意すること.
注意点:
授業では,物理公式によりさまざまな物理量が相互に関係していることを学ぶことが必要である.このためには,公式を正確に覚えることが重要である.単に,物理量の次元(単位)を覚えることだけでは不十分である.また,物理の理解の為には、数学の文字式の計算を多用する.さらに,2学年と3学年の物理の内容は、数学とともに,4学年以降での応用物理などの理解のために必要となる.
学業成績が60点未満の学生に対して再試験を実施する場合がある. この場合, 再試験80%, その他20%の割合で再評価を行う.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
熱と温度 |
分子や原子の熱運動が絶対温度と関連していることを理解する.
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2週 |
温度・熱容量 |
熱量の保存則を用いて熱容量や比熱を求めることができる.
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3週 |
相変化と潜熱 |
物理系の状態変化に,潜熱が関連することもあり得るととを理解する.
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4週 |
熱量の保存則 |
熱量の保存則を用いて熱容量や比熱を求めることができる.
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5週 |
ボイル・シャルルの法則 |
ボイルの法則,シャルルの法則を用いて気体の状態変化を理解する.
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6週 |
ボイル・シャルルの法則 |
ボイルの法則,シャルルの法則を用いて気体の状態変化を表現できる.
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7週 |
状態方程式 |
状態方程式を用いて気体の変化を定量的に求めることができる.
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8週 |
前期中間達成度試験 |
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2ndQ |
9週 |
熱力学第一法則 |
気体の内部エネルギーは,気体に与える仕事と熱によって変化することを理解する.
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10週 |
気体の状態変化 |
定積変化,定圧変化,等温変化,断熱変化を理解する.
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11週 |
気体の状態変化 |
気体の分子運動と状態変化の関連について知る.
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12週 |
熱と仕事 |
定積変化と定圧変化について理解する.
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13週 |
熱と仕事 |
等温変化と断熱変化を理解する.
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14週 |
熱機関 |
熱機関の基礎と熱効率について理解する.
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15週 |
熱機関 |
カルノー機関などの具体的熱機関についての計算ができるようになる.
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16週 |
前期定期試験 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
正弦波 |
波に関する諸量(波長,周期,振動数,波の速さ等)を具体的な波動現象で求めることができる.
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2週 |
重ね合わせの原理 |
重ね合わせの原理をもちて,定常波の発生について理解する.
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3週 |
重ね合わせの原理 |
定常波について特徴的な現象(腹や節などの形成)を説明できる.
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4週 |
反射・干渉 |
自由端・固定端反射および干渉が重ね合わせの原理から説明できる.
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5週 |
音の性質 |
波動としての音波の性質について理解し,うなりやドップラー効果を理解する.
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6週 |
固有振動と共振 |
気柱の振動に対して,固有振動と共振に関する計算ができる.
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7週 |
固有振動と共振 |
気柱の振動に対して,固有振動と共振に関する計算ができる.
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8週 |
後期中間達成度試験 |
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4thQ |
9週 |
光 |
分散,スペクトル,散乱、偏光について説明できる.
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10週 |
光の反射・屈折 |
反射・屈折の法則を用いた計算ができる.
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11週 |
光の回折と干渉 |
光の回折と干渉の現象が説明できる.
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12週 |
光の回折と干渉 |
回折・干渉にかんする計算ができる.
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13週 |
光の性質 |
自然光と偏光の違いについて説明できる.
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14週 |
幾何光学 |
凸レンズ,凹レンズ,凹面鏡,凸面鏡の公式を導出できる.
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15週 |
光の性質 |
幾何光学を用いた鏡やレンズに関する計算ができる.
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16週 |
後期定期試験 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 3 | |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 3 | |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 3 | |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 3 | |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 3 | |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 3 | |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 3 | |
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 3 | |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 3 | |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 3 | |
波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 3 | |
横波と縦波の違いについて説明できる。 | 3 | |
波の重ね合わせの原理について説明できる。 | 3 | |
波の独立性について説明できる。 | 3 | |
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 3 | |
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。 | 3 | |
ホイヘンスの原理について説明できる。 | 3 | |
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。 | 3 | |
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。 | 3 | |
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。 | 3 | |
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 | 3 | |
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。 | 3 | |
自然光と偏光の違いについて説明できる。 | 3 | |
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。 | 3 | |
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。 | 3 | |
物理実験 | 物理実験 | 熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |