熱機関工学

科目基礎情報

学校 広島商船高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 熱機関工学
科目番号 19専26033 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 海事システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 茶園 敏文

到達目標

(1)熱力学に基づく,各種機関の特性を整理し,その特徴を理解できる.
(2)内燃機関,外燃機関の優位性,問題点を把握し,目的にあった機関を選定できる.
(3)熱機関の本質を理解し,研究状況や技術動向を把握するとともに,リサイクル等新しい熱機関の創出につなげることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1工業熱力学の理解熱力学の物理法則から工業熱力学(機関熱力学)に展開でき展開できない
評価項目2内燃機関全体の本質理解作動流体の変化,仕事を説明できる同現象を説明できない
評価項目3外燃機関全体の本質理解作動流体が外部から熱を得て仕事をする現象を説明できる同現象を説明できない
評価項目4目的に合った熱機関の選定目的合った熱機関を選定できる選定できない
評価項目5エネルギーリサイクルを含めた新しい熱機関創出エネルギーリサイクル等新しい熱機関のアイデアを創出できる創出できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
(1)船舶の主機や発電機の効率向上を検討するために必要な,熱力学の知識範囲拡大し学ぶ.
(2)内燃機関(ディーゼル機関,ガソリン機関,がスタービン,ジェットエンジン),外燃機関(蒸気機関,蒸気タービン)の熱力学的作動
   原理をまとめる.
(3)この授業を通して,内燃機関,外燃機関に関する分野に精通し,研究状況や技術動向を把握する能力を養うことを目指す.
授業の進め方・方法:
(1)スライドと黒板を併用し、アニメーション等わかりやすい解説を加える.
(2)特に難しい部分は演習を交え.理解を深める.
(3)異なる分野(物理系)を組み合わせて,新しいアイデアを創出できるようにする.
注意点:
(1)これまでの熱機関(内燃機関、蒸気機関等)の理解を元に,より効率的な仕事を生み出す機関を設計できるようになる.
(2)異なる分野(物理系)との組み合わせで,新しい機関の創出ができるようになる.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.工業熱力学 1-(1)熱力学第一法則,第二法則から熱機関への展開
1-(2)熱から熱機関の仕事,出力への展開
2週 1.工業熱力学 1-(3)主な熱機関の損失
1-(4)熱伝導,熱伝達,熱放射による損失
3週 1.工業熱力学 1-(5)機関の仕事サイクルのまとめ
4週 2.内燃機関と外燃機関 2-(1)内燃機関の特徴と問題点
2-(2)外燃機関の特徴と問題点
5週 2.内燃機関と外燃機関 2-(3)用途に応じた機関の選定
6週 2.内燃機関と外燃機関 2-(4)環境問題
7週 3.タービンにおける熱力学と流体力学 3-(1)ガスタービンの熱力学と流体力学
8週 3.タービンにおける熱力学と流体力学 3-(2)タービン周辺の流れの挙動
2ndQ
9週 3.タービンにおける熱力学と流体力学 3-(3)ガスタービンの燃焼
10週 3.タービンにおける熱力学と流体力学 3-(3)ガスタービンの燃焼
11週 4.新しい熱機関 4-(1)熱機関のリサイクルのアイディア
4-(2)熱機関の社会環境,生活環境恵の影響
12週 4.新しい熱機関 4-(3)あたらしいエネルギー
13週 4.新しい熱機関 4-(4)新しい熱機関のアイデア
14週 期末試験
15週 前期末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
分野横断的能力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90001000100
基礎的能力400050045
専門的能力500050055
分野横断的能力0000000