原子エネルギー工学

科目基礎情報

学校 広島商船高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 原子エネルギー工学
科目番号 19専26045 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 海事システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 高専生・大学生のための原子力工学テキスト  基礎原子力工学
担当教員 大山 博史

到達目標

(1)原子の構造について理解する
(2)核反応について理解する
(3)原子力発電の仕組みを理解する。
(4)放射線、放射性物質について理解し地域の放射線量及び安全性について理解する

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1原子の構造を理解し様々な原子の質量との関係を理解する。原子の構造について理解する原子の構造について理解できない
評価項目2核反応と質量欠損の関係を様々な核崩壊を理解する。核反応について理解する核反応からエネルギーが生まれることが理解できない。
評価項目3発電所の構造、核燃料についても理解する。原子力発電の仕組みを理解する。原子力から電気を作る方法が分からない。
評価項目4安全性、危険性を正しく理解し風評被害との関連を理解する。また船舶や様々な状況の安全管理に利用できる。放射線、放射性物質について理解し地域の放射線量及び安全性について理解し身近な安全管理に応用できる。身の回りの放射線について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
原子力に関する技術分野を学習し、船舶機関やボイラー等の技術と融合させ、新たなシステム開発に活用できようにする。その為にまず原子の構成粒子、構造、核力、核反応、放射線、放射性物質、原子力発電について理解する。また大崎上島内の放射線測定を行い、地域の放射線量及び安全性について学習する。
授業の進め方・方法:
講義形式で進める
毎週レポート提出を要求する
注意点:
(1)原子力を取り巻く状況は、変化し続けており新聞、テレビ等の報道に目を向けること
(2)船舶での放射性廃棄物や燃料の運搬も行われており関連性について考えること
(3)また現在の状況に関するレポート等も提出を求める。
(4)原子力プラントボイラーやタービンなどを通して船舶機器との関連が多くあり、総合的に理解すること

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 原子の構造 水素原子 陽子 中性子について理解する
2週 原子の構造 原子質量単位 と 同位体について理解する
3週 放射線 原子核の崩壊と放射線の関係を理解する
4週 放射線 放射線及び放射性物質の違いを理解する
5週 放射線 X線 α線 β線 γ線 電磁波が何であるかを理解する
6週 放射線 α崩壊 β崩壊 γ線の放出による原子核の変化及び半減期と崩壊系列について理解する
7週 放射線 放射線の性質、強さ、性質について理解し様々な場面での安全管理に利用できる。
8週 核反応 核分裂と核エネルギーの関係について理解する
4thQ
9週 核反応 連鎖反応について理解する
10週 原子力 発電の原理について理解する
11週 原子力 原子炉の構造について学ぶ。
12週 原子力 ウランとプルトニウム及び高速増殖炉がどの様なものか理解する
13週 原子力 核融合について簡単に理解する
14週 素粒子 クオーク模型とその他の素粒子の存在を理解する
15週 学年末試験
16週 答案返却・解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学仕事と仕事率に関する計算ができる。2
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。2
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
力のモーメントを求めることができる。1
角運動量を求めることができる。1
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。1
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。1
重心に関する計算ができる。1
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。1
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。1
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。2
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。1
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。1
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。1
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。1
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。1
気体の内部エネルギーについて説明できる。1
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。1
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。1
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。1
熱機関の熱効率に関する計算ができる。1
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。2
横波と縦波の違いについて説明できる。1
波の重ね合わせの原理について説明できる。1
波の独立性について説明できる。1
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。1
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。1
ホイヘンスの原理について説明できる。1
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。1
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。1
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。1
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。1
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。1
自然光と偏光の違いについて説明できる。1
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。1
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。1
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。2
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。2
ジュール熱や電力を求めることができる。2
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。1
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。1
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。1
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。1
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他レポート合計
総合評価割合700000030100
基礎的能力40000002060
専門的能力30000001040
分野横断的能力00000000