到達目標
整数論の基礎とそれが暗号理論にどのように用いられているのか、また、誤り訂正符号の考え方、特に、ガロア体とその拡大体がBCH符号にどのように応用されているのか、に関する基本・基礎的事項の理解・修得が到達目標である。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
| 整数の諸性質の証明と平文の暗号化・復号ができる。 | 平文の暗号化および復号ができる。 | 平文の暗号化および復号ができない。 |
| ガロア体、情報の符号化、誤り訂正を応用できる。 | ガロア体の計算、情報の符号化、誤り訂正ができる。 | ガロア体の計算、情報の符号化、誤り訂正ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
JABEE c-1
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到達目標 A 1
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教育方法等
概要:
実際の情報技術と関連付けながら、整数の基本理論と暗号理論への応用、ガロア体の理論の基本事項と符号理論への応用について学習する。これまでに学んできた数学とは違ったタイプとなるため、難しいと感じるかもしれないが、こうした思考力も是非養って欲しい。
授業の進め方・方法:
講義が主体であるが、輪講形式や学習シートとして事前に割り当てた演習問題の解答を板書してもらうことも取り入れる。授業内容を理解するためには自学が必要である。
注意点:
【関連科目】 本科:集合と論理(2年)、数学IIIB(3年)、情報数学(3年)
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
オリエンテーションと整数(1) |
オリエンテーションの後、整数の初歩・基本的な諸概念および必要な記法について学ぶ。
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2週 |
整数(2) |
素因数分解が一意的であること、および素数が無限に存在すること、合同式について学ぶ。
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3週 |
整数(3) |
合同式と解、最小正剰余、及びフェルマーの(小)定理、Nを法とする行列ついて学ぶ。
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4週 |
Nを法とする一次変換と暗号への応用 |
まず、暗号の概略を説明した後に、Nを法とする正則行列とその暗号への応用について学ぶ。
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5週 |
RSA暗号(1) |
公開鍵暗号の考え方と現在最も有名な暗号の1つであるRSA暗号の構成方法について学ぶ。
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6週 |
RSA暗号(2) |
平文の暗号・復号の例を通じて、RSA暗号についての理解を深める。
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7週 |
符号 |
符号の原理、誤り検出・訂正のアイデアとその限界、及びハミング距離等について学習する。
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8週 |
ガロア体(1) |
ガロア体の定義や演算、及びガロア体上の規約多項式について理解する。
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2ndQ |
9週 |
ガロア体(2) |
ガロア体の2次拡大体の定義、構成法、線形表現と累乗表現について学ぶ。
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10週 |
ガロア体(3) |
ガロア体の3次および4次拡大体について学ぶ。
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11週 |
パリティ検査符号とハミング符号 |
パリティ検査符号の考え方と拡張としてのハミング符号についての誤り訂正の原理について学ぶ。
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12週 |
巡回符号 |
符号多項式、および、巡回符号の定義、性質、生成多項式、シンドロームについて学習する。
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13週 |
BCH符号(1) |
ガロア体と拡大体を巧みに用いたBCH符号の定義とその生成多項式について学ぶ。なお例では、4次拡大体を用いる。
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14週 |
BCH符号(2) |
BCH符号における誤り訂正について学ぶ。
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15週 |
期末試験 |
整数の基礎理論と暗号理論、ガロア体と符号理論についての理解をチェックする。
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16週 |
まとめ |
試験の解説と授業のまとめを行う。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |