工業熱力学

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 工業熱力学
科目番号 73021 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「例題でわかる工業熱力学」平田 哲夫, 田中 誠, 熊野 寛之著(森北出版)
担当教員 野本 直樹

到達目標

本科の物理化学で学んだ熱力学を活用して、ガスタービンサイクル、蒸気タービンサイクル、冷凍サイクル等の各種サイクルのエネルギー効率を計算できる。また、エクセルギーの概念を理解して、実際に利用できるエネルギーを説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の 到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1エクセルギーの説明および計算ができる。エクセルギーの説明および一部の計算ができる。エクセルギーの説明ができる。エクセルギーの説明ができない。
評価項目2各種ガスサイクルの計算および説明ができる。各種ガスサイクルの説明および一部のガスサイクルの計算ができる。各種ガスサイクルの説明ができる。各種ガスサイクルの説明ができない。
評価項目3蒸気タービンサイクルの計算および説明ができる。蒸気タービンサイクルの説明および一部の計算ができる。蒸気タービンサイクルの説明ができる。蒸気タービンサイクルの説明ができない。
評価項目4冷凍サイクルの計算および説明ができる。冷凍サイクルの説明および一部の計算ができる。冷凍サイクルの説明ができる。冷凍サイクルの説明ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科の物理化学で学習した熱力学を工業的に利用するための計算方法を学ぶ。
まずは各種サイクルの工程を理解して、各種圧力や温度等の環境条件下におけるエネルギー効率の計算方法について学ぶ。
※実務との関係
この科目は企業で水処理装置や熱交換器の設計を担当していた教員が、その経験を生かし、エネルギー収支について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
教科書を中心に工業熱力学の基本を理解し、計算問題も解きながら各種式の使い方を理解する。
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポートや小テストを実施します。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 工業熱力学の基礎的事項 1)工業熱力学について説明できる
2)状態変化とサイクルについて説明できる
3)熱量・熱容量・比熱・顕熱・潜熱について説明できる
4)動力および圧力について説明できる
2週 熱力学と基礎的事項 1)閉じた系、開いた系、半閉じた系を説明できる
2)状態変化について説明できる
3) 絶対仕事について説明できる
4)工業仕事について説明できる
3週 熱力学第一法則 1)開いた系の熱力学第一法則について説明できる
2)半閉じた系の熱力学第一法則について説明できる
3)開いた系の例を説明できる
4週 理想気体 1)理想気体について、仕事や熱量の求め方について説明できる。
2)理想気体が可逆変化する際の仕事や熱量を求められる。
5週 有効エネルギー 1)熱機関の最大仕事について説明できる
2)有効エネルギーの計算ができる
6週 エクセルギー 1)不可逆過程と有効エネルギー損失について説明できる
2)エクセルギーの計算ができる
7週 実在気体(1) 1)蒸気の一般的性質について説明できる
2)蒸気の状態変化について説明できる
8週 実在気体(2) 1)各種線図について説明できる
2)蒸気の熱力学的状態量について説明できる
2ndQ
9週 ガスサイクル(1) 1)熱機関について説明できる
2)ガスサイクルについて説明できる
3)ピストンエンジンのサイクルについて説明できる
4)オットーサイクルの計算ができる
10週 ガスサイクル(2) 1)ディーゼルサイクルの計算ができる
2)ガスタービンサイクルの計算ができる
11週 蒸気タービンサイクル 1)ランキンサイクルについて説明できる
2)再熱サイクルについて説明できる
12週 冷凍サイクル(1) 1)冷凍の発生について説明できる
2)冷凍サイクルとヒートポンプの計算ができる
3)蒸気圧縮式冷凍サイクルについて説明できる
13週 冷凍サイクル(2) 1)吸収式冷凍サイクルについて説明できる
2)極低温の冷凍サイクルについて説明できる
14週 燃焼による反応熱と発熱量 1)反応熱の計算ができる
2)標準生成エンタルピーの計算ができる
3)燃焼による発熱の計算ができる
15週 定期試験 試験問題を解くことができる。
16週 まとめ 試験問題の解説を通じて、間違った箇所を理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験小テストレポート合計
総合評価割合403030100
基礎的能力20202060
専門的能力20101040
分野横断的能力0000