到達目標
量子力学を基本概念、法則から論理的に理解することを目標とする。具体的には以下の通りである。
1.シュレディンガー方程式を使うことができる
2.波動関数と観測可能な物理量を関係づけることができる
3.簡単な1次元量子系の問題を解くことができる
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
1.シュレディンガー方程式 | シュレディンガー方程式に関係する量子力学の基本的性質・法則に関わる問題を解いて、説明できる。 | シュレディンガー方程式に関係する量子力学の基本的性質・法則に関わる計算ができる。 | シュレディンガー方程式に関係する量子力学の基本的性質・法則に関わる計算ができない。 |
2.波動関数 | 位置の確率密度・運動量の確率密度と波動関数の関係を理解し、説明できる。 | 位置の確率密度・運動量の確率密度の計算ができる。 | 位置の確率密度・運動量の確率密度の計算ができない。 |
3.1次元量子系の問題 | 簡単な1次元量子系の問題が解いて、説明できる。 | 簡単な1次元量子系の計算ができる。 | 簡単な1次元量子系の問題ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 A-1
説明
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JABEE c
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教育方法等
概要:
極微世界の現象を記述する量子力学を、その基本的構成を中心に学ぶ。量子力学は古典力学とはまったく異なる、シュレディンガー方程式を根本にする体系である。講義はシュレディンガー方程式の導出までを概観した後、主に1次元量子系の問題を通して、量子力学の基本概念を理解することに重点を置いて進める。必要な数学も含めて論理的つながりを重視し、極微世界がどのように理解されているかに触れてゆく。
授業の進め方・方法:
主にプロジェクターを用いて講義を進めてゆくが、細部の計算や問題は黒板を使って説明する。宿題は各自で取り組み、講義の中で扱う計算は必ず自分で確認しることで理解をより確かなものにできる。古典力学に比べると抽象的で理解しにくい量を扱うため、教科書を繰り返し読んで復習するのが望ましい。オフィスアワーは毎週月曜日の16時00分~17時00分である。
注意点:
中間試験と期末試験の点数のみで評価する。1回2時間の授業に対して4時間の復習・課題等の自学自習を要する。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
自然法則とその適用限界・古典物理学が直面した困難 |
極限における近似可能性、法則を表す式の適用可能性を理解する。
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2週 |
極微の世界の新法則への手がかり |
黒体輻射とプランクの公式から光子の性質を理解する。
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3週 |
波動の数学的表現・シュレディンガー方程式 |
シュレディンガー方程式および波動関数の意味を、古典物理との関係から理解する。
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4週 |
時間を含まないシュレディンガー方程式・井戸型ポテンシャル |
1次元井戸型ポテンシャルの解き方を理解する。
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5週 |
波動関数の規格化・1次元束縛系における性質 |
波動関数の規格化の計算ができるようになる。また、シュレディンガー方程式から導かれる波動関数の基本的性質を理解する。
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6週 |
有限の深さの井戸の場合 |
1次元の有限の深さの井戸の中の束縛状態について理解する。
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7週 |
固有関数の規格直交性(束縛状態の場合)・確率の保存と確率流密度 |
波動関数の規格直交性を理解する。また、確率流密度について理解する。
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8週 |
階段型ポテンシャル |
確率流密度から透過率・反射率の計算ができる。
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4thQ |
9週 |
箱型ポテンシャル(1) |
トンネル効果について透過率・反射率の計算ができる。
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10週 |
箱型ポテンシャル(2) |
箱型ポテンシャルよりも粒子のエネルギーが大きい場合について理解する。
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11週 |
中間試験 |
箱型ポテンシャルについて理解する。
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12週 |
固有関数の規格直交性(自由状態の場合)・重ね合わせの原理 |
ディラックのデルタ関数を理解する。物理量の期待値の計算ができる。
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13週 |
波動関数のフーリエ展開 |
運動量の確率密度を理解する。
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14週 |
波束の確率密度 |
位置の確率密度と運動量の確率密度を計算する。不確定性原理を理解する。
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15週 |
演習問題 |
量子力学の問題を解く。
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16週 |
期末試験 |
量子力学の基本的な計算ができる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 波動 | 波の重ね合わせの原理について説明できる。 | 4 | 後2 |
波の独立性について説明できる。 | 4 | 後2 |
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 4 | 後2 |
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。 | 4 | 後2 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |