高度専門特別講義Ⅱ(応用水理学)

科目基礎情報

学校 呉工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 高度専門特別講義Ⅱ(応用水理学)
科目番号 0039 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 プロジェクトデザイン工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 有田正光編著「水圏の環境」(東京電機大学出版局)
担当教員 黒川 岳司

到達目標

1. 実河川や海洋中における拡散・分散現象について説明する。
2. 感潮河川など代表的な密度流現象について説明する。
3. 海洋の深水波・長波の理論と潮汐・潮流と物質輸送について説明する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実河川や海洋中における拡散・分散現象について適切に説明できる実河川や海洋中における拡散・分散現象について説明できる実河川や海洋中における拡散・分散現象について説明できない
評価項目2感潮河川など代表的な密度流現象について適切に説明できる感潮河川など代表的な密度流現象について説明できる感潮河川など代表的な密度流現象について説明できない
評価項目3海洋の深水波・長波の理論と潮汐・潮流と物質輸送について適切に説明できる海洋の深水波・長波の理論と潮汐・潮流と物質輸送について説明できる海洋の深水波・長波の理論と潮汐・潮流と物質輸送について説明できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 専攻科の学習・教育目標 (SC) 説明 閉じる
JABEE 環境都市(F) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
河川・湖沼・沿岸域等で環境問題や水質問題を考える上では、水の流動機構と物質輸送機構を明らかにしておくことが重要である。本講義では、水環境の管理における水理学の役割を理解し、問題解決に必要な基本的・基礎的知識を習得する。水理学の水環境問題への応用として、湖沼・沿岸域での物質の拡散・分散と密度流、水の波、潮汐・潮流、流れによる物質輸送などについて学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義を基本とし、課題レポートを適宜課す。
注意点:
ここで学習する内容は身近な現象を取り扱っており、水域の環境問題の解決にもつながるものである。積極的に身のまわりの水理現象に興味をもち、自分自身の直感力を働かせて流れの本質を学ぶ姿勢をもってほしい。質問がある場合には、放課後やオフィスアワーを利用して積極的に質問に来ること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 拡散と分散 拡散の概念、拡散方程式について説明できる
2週 拡散と分散 乱流拡散と移流分散について説明できる
3週 拡散と分散 テイラーの拡散理論とリチャードソンの拡散理論を説明できる
4週 密度流の基礎 密度流の安定性に関するパラメータについて説明できる
5週 密度流の基礎 二成層流の基礎について説明できる
6週 密度流の基礎 密度界面の安定問題と混合・連行現象について説明できる
7週 中間試験
8週 答案返却・解答説明、密度流現象 誤った問題を正しく理解する、噴流やプリュームを説明できる
2ndQ
9週 密度流現象 密度楔と密度カレントについて説明できる
10週 水の波 深水波と長波について説明できる
11週 水の波 水粒子の軌道、波のエネルギー、群速度について説明できる
12週 湖沼・貯水池、海洋・海岸の水環境 湖沼・貯水池の水環境の特徴について説明できる
13週 湖沼・貯水池、海洋・海岸の水環境 海洋・海岸の水環境の特徴について説明できる
14週 湖沼・貯水池、海洋・海岸の水環境 閉鎖性水域の水交換と物質輸送について説明できる
15週 期末試験
16週 答案返却・解答説明 誤った問題を正しく理解する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。4
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。4
他者の意見を聞き合意形成することができる。4
合意形成のために会話を成立させることができる。4
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。4
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。4
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。4
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。4
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。4
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。4
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。4
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる4
複数の情報を整理・構造化できる。4
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。4
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。4
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。4
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。4
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。4
事実をもとに論理や考察を展開できる。4
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。4
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。4
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。4
目標の実現に向けて計画ができる。4
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。4
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。4
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。4
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。4
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。4
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。4
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。4
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。4
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。4
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている4
法令やルールを遵守した行動をとれる。4
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。4
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。4
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。4
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。4
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。4
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。4
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。4
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。4
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。4
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。4
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。4
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。4
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。4
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。4
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。4
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000