日本文学特論

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 日本文学特論
科目番号 0015 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報システム専攻(先端融合テクノロジー連携教育プログラム) 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:鈴木日出男他『原色 小倉百人一首』(文英堂),参考書:本科で使用した国語便覧.なお,適宜プリントを配布する.
担当教員 小池 博明

到達目標

・日本の古典に関して,大学の一般教養程度の知識と自らの考えや感想などを説明できること,また,自らの研究について一般の人でも分かるように説明することができて,学習・教育目標(A-1)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1自らの研究について,一般の人が理解できるように説明することができる.自らの研究について,一般の人がおおよそ理解できるように説明すること自らの研究について,一般の人が理解できるように説明できない.
評価項目2日本の古典に関して,大学の一般教養程度の知識と自らの考えや感想などを説明できる.日本の古典に関して,大学の一般教養程度の知識と自らの考えや感想などを,おおよそ説明できる日本の古典に関して,大学の一般教養程度の知識と自らの考えや感想などを説明できない.
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
『小倉百人一首』は,古来多くの人に親しまれてきた古典文学の代表であり,江戸時代にはそのパロディまで作られたほどだった.この授業では,『百人一首』の歌や歌人についてはもとより、関係する古典(和歌に限らず『源氏物語』『枕草子』といった散文から俳句、川柳まで)を幅広く取り上げ、受講者の日本文学、日本文化についての知識を広め、教養を深めることを目的とする.授業計画は、受講者の興味や希望により変更もありうる.特に今年度は,紫式部を主人公とする大河ドラマ「光る君へ」が放映され、平安時代の文化や歴史を知る良い機会となる。「光る君へ」は、『源氏物語』以上に『大鏡』『栄花物語』『紫式部日記』をもとにしている。こうした作品も、取り上げる予定である.また,学生の国語表現の力を育成するために,学生自身の研究について,一般の人でもわかるようにプレゼンテーションを行う.
授業の進め方・方法:
・授業方法は,講義を中心とする.
注意点:
<成績評価>レポート(60%)・プレゼンテーション(20%)・その他(20%)の合計100点満点で(A-1)を評価し,合計の6割以上を獲得した者を合格とする.
<オフィスアワー>放課後 16:00 ~ 17:00,一般科棟3階.この時間にとらわれず必要に応じて来室可.

<備考>
・本科目は,学習単位科目であり,授業時間30時間に加えて,自学自習時間60時間が必要です.


授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
プレゼンテーションの仕方
・本科目の目的や概要などについて理解できる.
・多くの人を相手に話す際,自らの意見を効果的に伝えるために留意する点について理解できる.
2週 効果的なプレゼンテーションの方法
プレゼンテーションの原稿作成
自らの研究について,専門外の人でもわかるように,パワーポイントを用いながら,3分間でまとまったプレゼンテーションができる原稿を書くことができる.
3週 プレゼンテーション
相互評価
・自らの研究について,多くの人を前に適切な表現でプレゼンテーションをすることができる.
・他者の話を理解し,意見を述べることができる.
・他者のプレゼンテーションについて,客観的に評価するとともに,建設的な助言ができる.
4週 『小倉百人一首』について知る 『百人一首』の成り立ちと内容について理解できる.
5週 和歌文学と日本文化① 和歌が日本の文化と密接に関係していることが理解できる.
6週 和歌文学と日本文化② 和歌が日本の文化と密接に関係していることが理解できる.
7週 古典文学と日本画 日本画を実際に見ることにより,古典文学が日本文化に与えた影響の広さと深さが理解できる.
(長野市内の美術館で行う予定なので,7週ではない場合もある)
8週 『小倉百人一首』の恋歌を読む① 「しのぶれど色に出でにけり我が恋は ものや思ふと人のとふまで」(『百人一首』40番歌)「あひ見てののちの心にくらぶれば 昔はものを思はざりけり」(『百人一首』43番歌)など恋の歌が理解できる.
2ndQ
9週 『小倉百人一首』の恋歌を読む② 「あふことのたえてしなくはなかなかに 人をも身をも恨みざらまし」(『百人一首』44番歌)「由良のとをわたる舟人かぢを絶えゆくへも知らぬ恋の道かな」(『百人一首』46番歌)など恋の歌が理解できる.
10週 清少納言と『枕草子』 清少納言(『百人一首』62番歌)と『枕草子』が理解できる.
11週 紫式部と『源氏物語』① 紫式部(『百人一首』57番歌)の人生と『源氏物語』のおおよそのあらすじが理解できる.
12週 紫式部と『源氏物語』② 平安時代の天皇家と摂関家の関係や社会のあり方から、『源氏物語』を理解できる.
13週 『小倉百人一首』に詠まれた地名(歌枕)を知る 和歌の表現を地名(歌枕)から理解できる.
14週 『小倉百人一首』の「月」の歌を読む 和歌に詠まれる「月」のイメージが理解できる.
15週 和歌と一茶・井月の俳句 和歌と俳句の関係が理解できる.
16週

評価割合

試験プレゼンテーション平常点レポートその他合計
総合評価割合02006020100
配点02006020100