代謝生化学

科目基礎情報

学校 沖縄工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 代謝生化学
科目番号 6409 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生物資源工学コース 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教材:教員自作プリント、パワーポイントなどプレゼン資料 参考図書:病理生化学(岩波書店)、ワインバーグがんの生物学(南江堂)、創薬科学入門(オーム社)、新薬誕生(ダイヤモンド社)、デブリン生化学(啓学出版)、奇跡の薬16の物語(化学同人)など、 キーワード:代謝、ホメオスタシス、酵素、コレステロール、先天性代謝異常、自己免疫性疾患、がん、GMP,GLP
担当教員 池松 真也

到達目標

本科3年生化学、4年生理学で学習した基礎の発展として、代謝を中心に生物の体内で起こっている生化学反応を理解する。
【Ⅴ-E-7】生物化学:生物化学の知識を、自らの専門分野のより複雑な工学の問題に適用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
ホメオスタシスと細胞について説明できる。生体の全身のホメオスタシスが細胞同士のシグナル伝達や神経系を介して成立していることを説明できる。ホメオスタシスを正しく定義でき、その重要性を説明できる。ホメオスタシスの定義が理解できる。
先天性代謝異常やホルモン異常について説明できる。先天性代謝異常やホルモン異常について遺伝子レベルで説明できる。先天性代謝異常やホルモン異常の原因または病態について説明できる。先天性代謝異常やホルモン異常について例を挙げることができる。
世界的に問題となっている糖尿病、高尿酸血症および自己免疫疾患を理解する。難病とよばれる関連疾患の概要を代謝をキーワードに説明できる。糖尿病、高尿酸血症、自己免疫疾患のいくつかについて、その症状の原因を説明できる。糖尿病、高尿酸血症、自己免疫疾患がどのような症状を呈するか、説明できる。
がんを代謝生化学的観点から学ぶ。がんの発生および進展を遺伝子の異常も含めて、代謝生化学的に説明できる。がんの発生および進展を生化学的に理解できる。がんがどのような原因で発生してくるのかを歴史的な観点から理解できる。
代謝に関する医化生化学的テーマを自学自習し、発表できる(PBL)。代謝における課題を詳細に学習し報告書としてまとめ、PBLにおいて分かり易く発表できる。課題における代謝の意味を理解し、まとめ、発表できる。課題をパワーポイントにまとめて発表できる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
「代謝」をキーワードに生化学的に人体の処理システムを学習する。がんの代謝を重点的に学習する。毎回1つのテーマで実施し、授業の最後に全員で討論する。「生化学」、「生理学」、「分子生物学」を履修しておくことが望ましい。
授業の進め方・方法:
教員は各週ごとにシラバスに沿ったテーマで講義を行う(45分間)。学生は各人が選択した「新薬」誕生の過程を調査及び学習し、パワーポイントにまとめて発表する。一人あたりの持ち時間は20~30分間。担当学生の発表後、全員でその日の発表に関わることを議論する。定期試験(中間50%、期末50%)80%、PBL発表10%と提出資料10%とし、満点を100%として評価する。60%以上を合格とする。
注意点:
PBLを担当していた学生がサボると授業の半分が成立しなくなる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 【代謝生化学概論】講義全般のガイダンスと学生のキャリアに関わる説明。
2週 【微生物の代謝と代謝産物】微生物の代謝と代謝産物について考える。私達が恩恵に預かっているケースと今回の紅麹の事件に見られるケースについて、更に製造方法でのGMPについても学ぶ。
3週 【ホメオスタシスと細胞】ホメオスタシスの成立機構について学ぶ。
4週 【酵素と代謝の関係】酵素の変動による臨床診断について学ぶ。
5週 【寿命と代謝】細胞やタンパク質の寿命と代謝の関係について学ぶ。
6週 【先天性代謝異常(1)】先天性代謝異常による疾患を例に挙げ学ぶ。
7週 【先天性代謝異常(2)】遺伝現象も追加して学ぶ。
8週 【前期中間試験(行事予定で週変更可)】筆記試験と前半のまとめを行う。
2ndQ
9週 【ホルモン異常と代謝調節】ホルモンと代謝の関係について学ぶ。
10週 【糖尿病】糖質代謝異常について学ぶ。
11週 【高尿酸血症と代謝】尿酸の代謝異常について学ぶ。
12週 【脂質代謝】脂肪酸の分解と生合成について学ぶ。
13週 【自己免疫疾患】自己免疫性疾患の定義、成因などを学ぶ。
14週 【がんの生物学・生化学】がんを化学的、生物学的にとらえ、がんの代謝異常を生化学的に学習する。
15週 【がんの治療学】これまでの授業から「がん」の予防、治療について討議する。
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合801000100100
基礎的能力500000050
専門的能力3000010040
分野横断的能力010000010