応用有機化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 応用有機化学Ⅰ
科目番号 064 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学科(2021年度以降入学者) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 教科書:有機化学概説第7版(マクマリー著・伊東,児玉 共訳 東京化学同人)/ 教材:HGS分子構造模型(丸善)
担当教員 津田 勝幸

到達目標

1. IUPACの命名法を理解し,構造から名前を,また名前から構造を誘導できる.
2. 代表的な官能基に関して,その性質を理解でき,それらの官能基についての代表的な反応およびその分子内への導入法を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1IUPACの命名法を正確に理解し,構造から名前を,また名前から構造を正確に誘導できる.IUPACの命名法をほぼ理解し,構造から名前を,また名前から構造をほぼ誘導できる.IUPACの命名法を理解できない.
評価項目2代表的な官能基に関して,その性質を正確に理解でき,それらの官能基についての代表的な反応およびその分子内への導入法を正確に説明できる.代表的な官能基に関して,その性質をほぼ正確に理解でき,それらの官能基についての代表的な反応およびその分子内への導入法をほぼ正確に説明できる.代表的な官能基に関して,その性質を理解できない.
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
 この科目は企業で有機高分子化合物の生産プラントの運転を担当していた教員が,その経験を活かし,有機化合物の一般的な分類,命名法と性質,反応性等について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
 炭素原子を含む分子を扱う有機化学は我々自身や我々の身の回りのほぼ全てのものに関連し,化学の重要な一分野となっている。この科目では,有機化学II・基礎化学Ⅱに引き続き,有機化合物の命名法,様々な官能基の構造と性質・反応性の関係についての基礎知識を習得する。
 前回および当日の授業内容から,教科書の例題や問題に沿った内容の小テストを行う。自宅学習帳で復習するとともに,次週の範囲の予習が必要である。
 
注意点:
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習時間(15時間)は,日常の授業(30時間)に係る自宅での予習・復習,レポート作成および定期試験の 準備等の学習時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であることが認められる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・ガイダンス
・有機ハロゲン化物:求核置換反応(1)
・授業の進め方と成績の評価方法が理 解できる。
・有機ハロゲン化物の構造および性質が説明できる。
2週 ・有機ハロゲン化物:求核置換反応(2) ・有機ハロゲン化物の合成法と反応が説明できる。
3週 ・有機ハロゲン化物:求核置換反応の機構(1) ・SN2反応の機構が説明できる。
4週 ・有機ハロゲン化物:求核置換反応の機構(2) ・SN1反応の機構が説明できる。
5週 ・有機ハロゲン化物:脱ハロゲン化水素反応(1) ・E1反応の機構が説明できる。
6週 ・有機ハロゲン化物:脱ハロゲン化水素反応(2) ・E2反応の機構が説明できる。
7週 ・有機ハロゲン化物:置換反応と脱離反応 ・2つの反応の競合していることを説明できる。
8週 ・中間試験を実施する ・学んだ知識の確認ができる。
2ndQ
9週 ・アルコールとフェノール:命名法
・エーテル:命名法
・アルコールとフェノールの命名ができる。
10週 ・アルコールとフェノールの性質 ・アルコールとフェノールの構造および性質が説明できる。
11週 ・アルコールの合成 ・アルコールの合成方法を説明できる。
12週 ・アルコールとフェノールの反応 ・アルコールとフェノールの反応を説明できる。
13週 ・エーテルの反応 ・エーテルの反応を説明できる。
14週 ・アルデヒドとケトン:性質 ・カルボニル化合物の性質を説明できる。
15週 ・アルデヒドとケトン:命名 ・アルデヒドとケトンの命名ができる。
16週 ・期末試験を実施する ・学んだ知識の確認ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4前1,前9,前15
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前11,前12,前13,前15
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4前1,前2,前3,前4,前9,前13,前15
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4前4,前5,前6,前7,前9,前15
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4前1,前2,前3,前4,前9,前15
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4前4,前10,前14
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前10,前11,前12
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4前6,前7,前12,前13
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前7,前12,前13
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前12,前13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他(小テスト・自宅学習)合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力3000001545
専門的能力4000001555
分野横断的能力0000000