学習目的:あらゆる現象をラプラス変換による伝達関数を用いてモデル化する能力を習得する。また,基本的なフィードバック制御系の特性を評価する能力を習得する。
到達目標:
1.機械制御の基礎的な事柄を理解できる。【評価項目1、評価項目3、評価項目4、評価項目6】
2.制御の概念を理解するとともに,制御系を数学的に表現し,その特性を解析できる。【評価項目2、評価項目5、評価項目7、評価項目8】
概要:
一般・専門の別:専門
学習の分野:情報と計測・制御
必修・履修・履修選択・選択の別:必修
基礎となる学問分野:工学/機械工学/機械力学・制御
学科学習目標との関連:本科目は機械工学科学習目標「(2) エネルギーと流れ,材料と構造,運動と振動,設計と生産・管理,情報と計測・制御,機械とシステムに関する専門技術分野の知識を修得し,工学現象の解析や機械の設計・製作に応用できる能力を身につける。」に相当する科目である。
技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-2:「材料と構造」,「運動と振動」,「エネルギーと流れ」,「情報と計測・制御」,「設計と生産・管理」,「機械とシステム」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」である。
授業の概要:制御工学Ⅰでは,比較的やさしく理解しやすい古典制御理論に絞って,フィードバック制御の基礎事項を学ぶ。制御系を構成するためには,制御動作が制御対象にどのように影響を与えるのかを知る必要があり,伝達関数によって現象をモデル化し,応答特性を評価する方法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業の方法:板書を中心に授業を進め,ラプラス変換,伝達関数,フィードバック制御系の特性,周波数応答特性,フィードバック制御系の安定性などの内容について詳しく解説する。
前期は制御系の伝達関数表現,後期は制御系の特性と安定性について学習する。
成績評価方法:4回の定期試験の結果を同等に評価する(100%)。なお,定期試験が60点未満の者に対し再試験を行う場合がある。この場合の成績評価は,定期試験70%+再試験30%とするが60点を限度とする。試験の持込可能物品はその都度指示する。
注意点:
履修上の注意:学年の課程修了のために履修(欠席時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。
履修のアドバイス:古典制御理論の知識は必要欠くことのできない常識の一つであり,さらにメカトロニクス,制御工学Ⅱ,応用制御工学へと発展するため,理解を深めることが必要である。
基礎科目:機械工学入門(1年),工業力学(3),機構学(3)など
関連科目:制御工学Ⅱ(5年),メカトロニクス(5),制御機器特論(専1),応用制御工学(専2)など
受講上のアドバイス:遅刻については,授業開始後15分経過した時点で再度出席確認し,その時点で不在であればその日の授業時間全部を欠課扱いとする。
演習問題を通して理解を深めるが,毎回の予習・復習が大切である。
連絡担当教員:佐伯・総合理工学科機械システム系
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス,概要〔自動制御とは、信号の伝達、ブロック線図〕 |
信号の流れとブロック線図の関係を理解できること。
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2週 |
時間領域におけるシステムの表現〔線形時不変システム、インパルス応答、たたみ込み積分〕 |
線形システムの重ね合わせの理、インパルス入力、インパルス応答とたたみ込み積分の関係を理解できること。
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3週 |
ラプラス領域におけるシステムの表現〔ラプラス変換、伝達関数〕 |
ラプラス変換領域におけるシステムの表現と伝達関数を理解できること。
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4週 |
ラプラス変換の性質〔ラプラス変換表、展開定理、最終値の定理〕 |
ラプラス変換と逆ラプラス変換が変換表を用いてできること。
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5週 |
基本要素の伝達関数〔比例要素、微分要素、積分要素、1次遅れ要素〕 |
1次遅れ系を中心とした基本要素の伝達関数が理解できること。
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6週 |
基本要素の伝達関数〔2次遅れ要素、むだ時間要素〕 |
2次遅れ系およびむだ時間要素の伝達関数が理解できること。
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7週 |
演習問題 |
演習問題で理解を深めること。
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8週 |
(前期中間試験) |
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2ndQ |
9週 |
答案返却と解説,ブロック線図〔伝達関数とブロック線図,等価変換〕 |
制御系のブロック線図およびその等価変換が理解できること。
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10週 |
フィードバック制御系の過渡応答〔基本的な入力関数、1次遅れ系〕 |
1次遅れ系の過渡応答の特徴が理解できること。
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11週 |
フィードバック制御系の過渡応答〔2次遅れ系、2次標準形〕 |
2次遅れ標準形とその過渡応答が理解できること。
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12週 |
フィードバック制御系の過渡応答〔極配置と過渡応答特性〕 |
フィードバック制御系の極の位置と過渡応答特性の関係が理解できること。
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13週 |
フィードバック制御系の定常特性〔目標追従性能と制御の形〕 |
フィードバック制御系の目標追従性能と制御の形の関係が理解できること。
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14週 |
演習問題 |
演習問題で理解を深めること。
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15週 |
(前期末試験) |
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16週 |
答案返却と解答解説,周波数応答〔周波数応答の意味〕 |
制御系の周波数応答の意味およびその位置づけが理解できること。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
周波数領域におけるシステムの表現〔フーリエ変換と周波数伝達関数〕 |
周波数伝達関数の意味が理解できること。
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2週 |
周波数伝達関数の特性表示〔ゲインと位相の計算方法、ベクトル軌跡〕 |
周波数伝達関数からゲインと位相が計算できること。また、ベクトル軌跡が描け、意味が分かること。
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3週 |
周波数伝達関数の特性表示〔ボード線図、折れ線近似〕 |
周波数伝達関数をボード線図で表現できること。ボード線図の折れ線近似が理解できること。
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4週 |
周波数伝達関数と応答〔高次システムのボード線図、ボード線図の見方〕 |
折れ線近似で高次システムのボード線図が描けること。ボード線図が読めること。
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5週 |
フィードバック制御系の安定性〔安定判別、ナイキストの安定判別法〕 |
安定判別の意味、およびナイキストの安定判別の意味が分かること。
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6週 |
フィードバック制御系の安定性〔安定度とその評価方法〕 |
ボード線図から安定度の評価ができること。
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7週 |
演習問題 |
演習問題で理解を深めること。
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8週 |
(後期中間試験) |
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4thQ |
9週 |
答案返却と解説,フィードバック制御系の安定性〔閉ループ系の極配置と安定性〕 |
極配置法の意味、および極配置法を用いて安定判別ができること。
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10週 |
フィードバック制御系の安定性〔ラウス・フルビッツの安定判別法〕 |
極配置法とラウス・フルビッツの安定判別法の関係が分かること。また、ラウスの方法で安定判別できること。
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11週 |
制御系の設計〔ゲイン補償、遅れ補償、アナログ実現とディジタル実現〕 |
ゲイン補償法および遅れ補償法で制御系の設計ができること。
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12週 |
制御系の設計〔フィードバック補償、PID補償〕 |
フィードバック補償およびPID補償の意味がわかること。
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13週 |
制御系の設計〔PID補償器の設計、2次遅れ近似による補償効果の確認〕 |
PID補償器の設計ができること。
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14週 |
演習問題 |
演習問題で理解を深めること。
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15週 |
(学年末試験) |
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16週 |
答案返却と解答解説 |
解答解説により理解を深めること。
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