概要:
電気電子工学及びその関連分野における高度の実験を行い、実験手法や解析手法を習得する。
授業の進め方・方法:
下記テーマの中から各自3テーマを選択
(1) 綾野秀樹:「リアクトルとDC-DC変換回路の評価」
回路シミュレータを用いてチョッパ回路を設計し,特性を評価する。さらに,設計方針に基づいたリアクトルを巻きその特性について実機検証を行う。
(2) 一戸隆久:「弱電離プラズマの生成とプラズマ諸量の計測」
直流や高周波放電により弱電離プラズマを生成させ、プラズマ諸量の関係について実験を行う。
(3) 伊藤 浩:「MEMS技術の基礎実験」(後半)
MEMS技術の基礎的な要素技術である光リソグラフィ実験、エッチング実験、成膜実験、評価実験を行い、微細加工・素子プロセス技術を体験的に学ぶ。本実験は後半のテーマを実施する。
(4) 大塚友彦:「画像のフィルタ処理」
C言語とOpenCVライブラリを用いて画像フィルタ処理を実現する。実験では、平滑化フィルタと8近傍ラプラシアン・フィルタを実装し、その原理を学ぶ。
(5) 加藤 格:「環境センサーの作成とその特性評価」
環境や人体にたいして有害な物質を定量するためのセンサーを半導体化合物や金属酸化物などを用いて作成し、これらセンサーの特性評価を行う。
(6) 姜 玄浩: 「ディープラーニングの応用」
特別演習ではディープラーニングの基本として,簡単な例題を通じて演習する時間となった.今回の特別実験では,より実用的な例題を通じて実験をしながら,より具体的なAIモデルの生成まで行う.事前にPythonの理解,ノートパソコンの用意が必要である.ノートパソコンが用意できない場合はD科の実習室で行うので事前に相談してほしい.
(7) 木村知彦:「システム同定」
実験により取得した入出力データを用いたシステム同定を行う。Matlabによるシミュレーション解析との比較を行い、システム同定および解析手法について学ぶ。
(8) 小池清之:「ディジタル変復調系の評価実験」
CNRに対する誤り率特性の測定、干渉波に対する誤り率特性の測定を通じて、ディジタル変復調系の基本構成と伝送品質評価についての理解を深める。
(9) 武田美咲:「ヒト動作計測実験」
光学式モーションキャプチャシステムを用いてヒトの動作を計測する実験を行う。計測した位置データをMATLABを用いて解析する。
(10) 舘泉雄治:「UNIXシステム管理とインターネットセキュリテイ」
各種サーバの管理とネットワークセキュリティの実験として、本校に設置・運営しているサーバを参考に、サーバの構築を行い、また、そのサーバに対して擬似的な攻撃を行い、脆弱製の確認と、セキュリティ確保のための方法について実験を行う。
(11) 玉田耕治:「XPSを用いた光電子の脱出深さの測定」
光電子の脱出深さについてXPSを用いて実際に測定を行う。基板上に既知の膜厚のサンプルを用意し、XPSを用いて角度分析行う。そのデータより光電子の脱出深さを求める。
(12) 永井 翠:「筋電図計測回路の作成と特性評価」
筋肉を動かすことで発生する電気を計測する回路を作成し,個々の筋電図の特性評価を行う.個人差,ノイズを考慮し回路作成や解析を行う.
(13) 永野健太:「モータの運動制御実験」
モータの運動制御について実験を行い制御器の効果を検証する。制御器はC言語により実装を行う。
リアルタイムlinuxやマイコンによる組込みシステムに関する知識があるとなおよい。
(14) 新國広幸:「MEMS技術の基礎実験」(前半)
(3)の伊藤浩教員と同じ「MEMS技術の基礎実験」の前半のテーマを実施する。
(15) 濱住啓之:「高周波デバイスの製作と特性測定」
フィルタやアンテナなどの高周波デバイスの設計と製作を行うとともに、簡易なベクトルネットワークアナライザを使って製作したデバイスの特性を測定することで、高周波デバイスに関する理解を深める。
(16) 水戸慎一郎:「磁気光学材料の作製と評価」
磁気光学材料である磁性ガーネットをRFマグネトロンスパッタリング法で作製する。作製した試料の磁化特性、磁気光学特性(ファラデー効果、磁気円二色性)、及び吸光度スペクトルを計測し、結果の考察を行う。以上の実験を通じて、電子の持つスピンの性質や応用についての理解を深める。
(17) 安田利貴:「生体信号の測定と解析」
生体信号測定回路を試作・実測を行い,測定した信号を市販のソフトウェアもしくはC言語で作成したプログラムで解析を行うことで,一連の生体信号計測の原理について習得する。
注意点:
各担当教員の下で実験を行う。実験の原理を十分理解し、正確な測定及び的確な解析や考察ができる。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 3 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 3 | |
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。 | 3 | |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 3 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 3 | |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 3 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 3 | |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 3 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 3 | |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 3 | |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 3 | |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 3 | |
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。 | 3 | |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。 | 3 | |
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。 | 3 | |
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。 | 3 | |
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。 | 3 | |
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。 | 3 | |
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。 | 3 | |