化学工学特論(2022年度以降入学生用科目)

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 化学工学特論(2022年度以降入学生用科目)
科目番号 0064 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 斎藤恭一著:道具としての微分方程式、講談社
担当教員 庄司 良

到達目標

化学工学の根幹である移動速度論を、基礎方程式の導出から様々な現象への応用まで丁寧に学習する。
物質、熱、運動量の移動が勾配に比例し、それらの移動現象は同形の基礎方程式により表現できることを理解する。
【ディプロマ・ポリシー及びSDGsとの関係】ディプロマ・ポリシー:(1), (2), (3),SDGs:9, 13, 14, 15

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
物質収支物質収支式を解き、解を得ること物質収支式が立式できること物質収支を構成する項がわかること物質収支が理解できないこと
移動現象熱、物質、運動量の移動が理解できること熱、物質、運動量の移動の基礎式が理解できること物質や熱や運動量の移動の法則の意味が分かること基本的な法則が理解できないこと
単位と無次元数無次元数の持つ物理的意味を理解できること次元解析ができること次元という概念が理解できること無次元数が無次元であることが理解できないこと

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物理、化学、生物に関する現象を法則化し、方程式を用いて表現する工学的手法の一つである。物質生産における予測と制御の基礎をなす学問として位置づけられる。化学反応や生物反応によって得られた製品は常に不純物との混合物として存在する。従って、適切な操作によって不純物を分離しなければならない。この講義では、分離する方法について、基礎的な原理とともに、実際のプロセスとして応用する場合の考え方を学ぶ。
授業の進め方・方法:
試験と演習で評価する。「教科書で取り上げられている現象の収支式をたてることができ、これを解いて代表的な解析解を導くことができる。」ことを基準とする。理論にそって講義を進め、演習問題を解く。実際の分離に使う装置を見ながら原理を理解する。そして、演習問題を通して、設計計算ができるようになってもらう。事前・事後学習としてレポート等を実施します
注意点:
学習の前提として化学工学の知識が必要である。本科の化学工学の内容をよく理解していることが望ましい。微分・積分の内容を理解していること。この講義は学修単位科目なので予習と復習が前提となっている。十分な演習時間が授業時間内では確保できないため、予習、復習課題を課すことがある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 化学工学とは何か 化学工学,とりわけ移動速度論と分離技術による現象の捉え方を学ぶ
2週 物質、熱、運動量の収支とアナロジー 異なる現象が同形の式で表現できることを学ぶ
3週 各種座標系による収支式の導出 基礎方程式の導き方を学ぶ
4週 蒸留分離について 蒸留の原理の復習、ラウールの法則などから,蒸留の操作法、理論段数まで
5週 吸収の原理,特に二酸化炭素がアルカリ溶液に溶け込む現象の解析 吸収の原理、溶解度の理解,微分方程式の解法に習熟する
6週 多孔性触媒粒子における反応と拡散
クロマトグラフィーの原理
反応律速と拡散律速の意味を理解する
各種クロマトグラフィーの原理
7週 場所によって、時間によって量が変化する現象の解析 物質、熱、運動量の式の形を学ぶ
8週 HPLCの操作と分離 液体クロマトグラフィーの原理と操作
4thQ
9週 クロマトグラフィーの設計 クロマトグラフィーによる分離の応用事例
10週 活性炭吸着反応 吸着現象の理解,各種吸着等温線の特徴
11週 活性炭吸着反応 収支式の導き方を学ぶ
12週 固体中の熱伝導 定常および非定常熱伝導の違いを学ぶ
13週 静止媒体中の物質移動 フィックの法則により拡散現象を理解する
14週 無次元数 無次元数の物理的意味と有用性を学ぶ
15週 まとめと様々な現象への応用 実際の問題に応用する手順を確認する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験小テスト合計
総合評価割合8020100
基礎的能力401050
専門的能力20525
分野横断的能力20525