化学工学基礎

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 化学工学基礎
科目番号 3C006 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造工学科(応用化学コース) 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 後期:1
教科書/教材 担当教員より配付するプリント
担当教員 近藤 満

到達目標

1.単位換算,質量保存の法則と物質収支,濃度および平均分子量,分離および混合に関する物質収支を理解し,説明することができる。
2.化学反応の取扱いに関する用語,化学反応を伴う場合の物質収支,燃焼反応の物質収支を理解し,説明することができる。
3.流動,分離,熱移動プロセスに関する化学装置,プロセスフローを理解し,説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 単位換算,質量保存の法則と物質収支,濃度および平均分子量,分離および混合に関する物質収支を理解し,詳細に説明することができる 単位換算,質量保存の法則と物質収支,濃度および平均分子量,分離および混合に関する物質収支を理解し,説明することができる 単位換算,質量保存の法則と物質収支,濃度および平均分子量,分離および混合に関する物質収支について理解ができておらず,説明することができない
評価項目2 化学反応の取扱いに関する用語,化学反応を伴う場合の物質収支,燃焼反応の物質収支を理解し,詳細に説明することができる 化学反応の取扱いに関する用語,化学反応を伴う場合の物質収支,燃焼反応の物質収支を理解し,説明することができる 化学反応の取扱いに関する用語,化学反応を伴う場合の物質収支,燃焼反応の物質収支について理解ができておらず,説明することができない
評価項目3 流動,分離,熱移動プロセスに関する化学装置,プロセスフローを理解し,詳細に説明することができる 流動,分離,熱移動プロセスに関する化学装置,プロセスフローを理解し,説明することができる 流動,分離,熱移動プロセスに関する化学装置,プロセスフローについて理解ができておらず,説明することができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 B-4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学プロセスを定量的に理解し,その全体像を把握することは重要である。化学プロセス計算,化学工学量論あるいは工業化学計算等は,プロセスの詳細設計に入る前段階として物質収支・熱収支の基礎的知識を応用した複雑多岐にわたる化学プロセスの全体像を把握する手法である。化学技術者にとって,化学装置に関する工学的素養を有することは是非とも必要なことであり,物質収支の基礎の習得と,プロセスフロー,化学プロセス計算について確実に理解することを目的とする。
授業の進め方・方法:
化学プロセス工業に用いられている単位操作,化学反応などを講義し,例題を用いながら計算手法を学びます。レポートにより理解を深め,プロセスフローを説明できるようになるためにプレゼンテーションを実施してもらいます。
注意点:
工場見学などの経験をもとに,単位操作やプロセスの実用例についての知識があることが望ましい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 化学工学の概要 化学工学と化学工業プロセスの関連性,単位操作を理解する。
2週 物理量の取扱いと単位 単位と次元,SI単位系,組立単位,ならびに単位換算について理解する。
3週 物質収支(1) 相状態,物理操作における物質収支について理解する。
4週 物質収支(2) 平均分子量,燃焼に関する用語について理解する。
5週 物質収支(3) 燃焼などの化学反応を伴う物質収支について理解する。
6週 物質収支(4) バイパス,リサイクル,パージ操作を伴うプロセスにおける物質収支について理解する。
7週 物質収支(5) より複雑なプロセスにおける物質収支について理解する。
8週 【後期中間試験】
4thQ
9週 化学平衡と反応プロセス(1) 反応操作における化学平衡と反応速度について理解する。
10週 化学平衡と反応プロセス(2) 反応速度と温度の関連性,反応装置と反応操作について理解する。
11週 化学装置とプロセスフロー(1) 分離プロセスのうち,蒸留について理解する。
12週 化学装置とプロセスフロー(2) 分離プロセスのうち,ガス吸収や膜分離について理解する。
13週 プロセスフロー図(1) 化学プロセスについて,フロー図を理解することができる。
14週 プロセスフロー図(2) 単位操作を含めた化学工業プロセスについて,フロー図を交えながら説明できる。
15週 【学年末試験】
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3
物質が原子からできていることを説明できる。3
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3
原子の相対質量が説明できる。3
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4
物理化学混合気体の分圧の計算ができる。4後4
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4後3
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。4後3
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。4後7
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4後3
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。4後7
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。4後7
平衡定数の温度依存性を計算できる。4後7
化学工学SI単位への単位換算ができる。4後2
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4後3,後4
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。3後5,後6
蒸留の原理について理解できる。3後11
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。3後11
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。3後7,後9,後10,後12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合701000200100
基礎的能力100000010
専門的能力60100010080
分野横断的能力000010010