概要:
生物化学Iは生命現象と生体物質を化学によって説明する分野であり、近年発展の著しいバイオテクノロジーのみならず、広く生物の関わる工業技術の基礎となる。生物化学は、生体物質の生物化学と酵素の代謝に関する内容を含み、両方を関連付けて理解できることが必要である。
また、本科目は以下に挙げるSDGs(Sustainable Development Goals)に関連するものである。
No.9 産業と技術革新の基盤をつくろう
授業の進め方・方法:
・小テストと板書講義を中心に授業を進める。授業後に課す復習問題、購入した教科書内の問題を各人で解き進めて、内容の理解の定着をはかること。
注意点:
・2年次の生物基礎、3年次で学ぶ有機化学と物理化学の理解は内容習得に欠かせない。
・授業前の予習として、教科書の図表をみる習慣をつけること。授業後は質問を歓迎する。評価は試験100%で行う。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス |
本科目の履修目的と概要を把握する。原核生物、真核生物の違いが説明できる。細胞内小器官の構造とはたらきについて説明できる。
|
2週 |
生体物質と細胞(生物の体をつくる細胞) |
タンパク質、核酸、多糖、脂質の構成が説明できる。
|
3週 |
生体物質と細胞(生物の体をつくる細胞) |
生体物質にとって重要な弱い結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用)の化学を理解している。
|
4週 |
生体物質と細胞(生体膜のはたらきと構造) |
脂質の機能をあげることができる。 脂肪酸の構造を説明できる。
|
5週 |
生体物質と細胞(生体膜のはたらきと構造) |
トリアシルグリセロールの構造・反応を説明できる。
|
6週 |
生体物質と細胞(生体膜のはたらきと構造) |
リン脂質がつくるミセル、脂質二重層について説明できる。生体膜の化学的性質を理解している。
|
7週 |
生体物質と細胞(生体膜のはたらきと構造) |
生体膜の物質輸送について説明できる。生体膜の性質(全透性、半透性)を理解している。
|
8週 |
中間試験 |
|
4thQ |
9週 |
テスト返却と解説 生命現象を支えるタンパク質(生命現象とタンパク質) |
中間テストの範囲で理解不足のあった部分を学び直すこと。タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質の生命活動の中心であることを理解していること。
|
10週 |
生命現象を支えるタンパク質(生命現象とタンパク質) |
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を理解していること。 アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できること。
|
11週 |
生命現象を支えるタンパク質(タンパク質の構造、タンパク質の立体構造とはたらき) |
タンパク質の立体構造(一次・二次・三次・四次構造)について説明できること。
|
12週 |
生命現象を支えるタンパク質(酵素としてはたらくタンパク質) |
酵素の構造と酵素-基質複合体について理解していること。
|
13週 |
生命現象を支えるタンパク質(酵素としてはたらくタンパク質) |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について理解していること。
|
14週 |
生命現象を支えるタンパク質(酵素としてはたらくタンパク質) |
補酵素や補因子のはたらきを理解していること。
|
15週 |
期末試験 |
|
16週 |
テスト返却と解説 |
期末テストの範囲で理解不足のあった部分を学び直すこと。
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 基礎生物 | 原核生物と真核生物の違いについて説明できる。 | 4 | 後1 |
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。 | 4 | 後1 |
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。 | 4 | 後1 |
生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 4 | 後2,後3 |
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。 | 4 | 後3 |
脂質の機能を複数あげることができる。 | 4 | 後4 |
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。 | 4 | 後4 |
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。 | 4 | 後5,後6,後7 |
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。 | 4 | 後9 |
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。 | 4 | 後9,後10 |
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。 | 4 | 後10,後11 |
タンパク質の高次構造について説明できる。 | 4 | 後11 |
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。 | 4 | 後12 |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 4 | 後12,後13 |
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。 | 4 | 後13 |