生物化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 生物化学Ⅰ
科目番号 3C007 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造工学科(応用化学コース) 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 後期:1
教科書/教材 Essential 細胞生物学 原著5版(南江堂)改訂版、生物図録/数研出版、ブルース有機化学概説(第3版)
担当教員 石川 元人

到達目標

1.炭水化物、タンパク質、核酸、脂質について、生体内での機能と化学構造・性質を結びつけて理解できること
2.酵素の役割・性質、生体内における役割を理解できること

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1炭水化物、タンパク質、脂質について、生体内での機能と化学構造・性質を結びつけて理解し、説明できる。炭水化物、タンパク質、脂質について、生体内での機能と化学構造・性質を結びつけて理解し、概ね説明できる。炭水化物、タンパク質、脂質について、生体内での機能と化学構造・性質を結びつけて理解し、説明できない。
評価項目2生体膜の構造と役割を理解して、説明できる。生体膜の構造と役割を概ね理解して、説明できる。生体膜の構造と役割を理解して、説明できない。
評価項目3酵素の役割・性質、生体内における役割を理解し、説明できる。酵素の役割・性質、生体内における役割を概ね理解し、説明できる。酵素の役割・性質、生体内における役割を概ね理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生物化学Iは生命現象と生体物質を化学によって説明する分野であり、近年発展の著しいバイオテクノロジーのみならず、広く生物の関わる工業技術の基礎となる。生物化学は、生体物質の生物化学と酵素の代謝に関する内容を含み、両方を関連付けて理解できることが必要である。
また、本科目は以下に挙げるSDGs(Sustainable Development Goals)に関連するものである。
No.9 産業と技術革新の基盤をつくろう
授業の進め方・方法:
・小テストと板書講義を中心に授業を進める。授業後に課す復習問題、購入した教科書内の問題を各人で解き進めて、内容の理解の定着をはかること。
注意点:
・2年次の生物基礎、3年次で学ぶ有機化学と物理化学の理解は内容習得に欠かせない。
・授業前の予習として、教科書の図表をみる習慣をつけること。授業後は質問を歓迎する。評価は試験100%で行う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 本科目の履修目的と概要を把握する。原核生物、真核生物の違いが説明できる。細胞内小器官の構造とはたらきについて説明できる。
2週 生体物質と細胞(生物の体をつくる細胞) タンパク質、核酸、多糖、脂質の構成が説明できる。
3週 生体物質と細胞(生物の体をつくる細胞) 生体物質にとって重要な弱い結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用)の化学を理解している。
4週 生体物質と細胞(生体膜のはたらきと構造) 脂質の機能をあげることができる。
脂肪酸の構造を説明できる。
5週 生体物質と細胞(生体膜のはたらきと構造) トリアシルグリセロールの構造・反応を説明できる。
6週 生体物質と細胞(生体膜のはたらきと構造) リン脂質がつくるミセル、脂質二重層について説明できる。生体膜の化学的性質を理解している。
7週 生体物質と細胞(生体膜のはたらきと構造) 生体膜の物質輸送について説明できる。生体膜の性質(全透性、半透性)を理解している。
8週 中間試験
4thQ
9週 テスト返却と解説
生命現象を支えるタンパク質(生命現象とタンパク質)
中間テストの範囲で理解不足のあった部分を学び直すこと。タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質の生命活動の中心であることを理解していること。
10週 生命現象を支えるタンパク質(生命現象とタンパク質) タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を理解していること。
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できること。
11週 生命現象を支えるタンパク質(タンパク質の構造、タンパク質の立体構造とはたらき) タンパク質の立体構造(一次・二次・三次・四次構造)について説明できること。
12週 生命現象を支えるタンパク質(酵素としてはたらくタンパク質) 酵素の構造と酵素-基質複合体について理解していること。
13週 生命現象を支えるタンパク質(酵素としてはたらくタンパク質) 酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について理解していること。
14週 生命現象を支えるタンパク質(酵素としてはたらくタンパク質) 補酵素や補因子のはたらきを理解していること。
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説 期末テストの範囲で理解不足のあった部分を学び直すこと。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4後1
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。4後1
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。4後1
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4後2,後3
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4後3
脂質の機能を複数あげることができる。4後4
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4後4
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4後5,後6,後7
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4後9
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。4後9,後10
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4後10,後11
タンパク質の高次構造について説明できる。4後11
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4後12
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4後12,後13
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4後13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000