応用化学実験Ⅳ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 応用化学実験Ⅳ
科目番号 4C008 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 創造工学科(応用化学コース) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 各教員が配布する実習プリント,Essential細胞生物学原書第4版南江堂
担当教員 冨永 伸明,近藤 満,石川 元人

到達目標

1 実験課題を理解し、必要な知識・技術を適切に用いて、決められた時間内に計画的に実験を終え、期限内に報告書を提出できる
2 得られたデータを正確に解析し、考察できる
3 図表を用いて得られた成果を日本語で正確に分かりやすく説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験課題を理解し、必 要な知識・技術を適切 に用いて、決められた 時間内に計画的に実 験を終え、期限内に報 告書を提出できる。実験課題を理解し、必 要な知識・技術を適切 に用いて、決められた 時間内に計画的に実 験を終え、期限内に報 告書を提出できる。実験課題を理解し、必 要な知識・技術を適切 に用いて、決められた 時間内に計画的に実 験を終えることがで きない。報告書が期限 内に提出できない、ま たはできたとしても 報告書の内容が参考 書を写した内容(主 旨)になっている、課 題回答に不足がある など報告書の体をな していない。
評価項目2得られたデータを正 確に解析し、深く考察 できる。得られたデータを正 確に解析し、考察でき る。得られたデータを解析できない。
評価項目3適切な最小限の図表 を効果的に配置し、得 られた成果を正しく 分かりやすい日本語 で記述できる適切な図表を用いて、 得られた成果を正し く分かりやすい日本 語で記述できる。得られた成果を正し く分かりやすい日本 語で記述できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
金属,無機化合物,有機化合物について合成,反応,構造解析,物性,分析,機能評価等に関してあらゆる角度から測定,検討を行い,物質について原子や分子のレベルで理解し,考察すると共に物質の概念と物質が持つ機能を把握する。
生体成分であるタンパク質や糖等の取り扱い,定量法などを学び,実際に行うことで生物工学分野において,最も基礎となる微量分析技術・手法を理解し,習得する。
授業の進め方・方法:
実験は 4,5 人の班で行う.毎回,実験の初めに予習により作成した実験内容をまとめたフローチャートを用いて当番班交代で手順を説明する.その後,実験を実際に行い,データの取得と整理を行う.
注意点:
実験書はあらかじめ読んで,予習を行うこと.特に実験方法はあらかじめフローチャートにまとめておき,実験が効率よく進められるように心がける.実験中は注意深く観察し,ノートに記録をとること.全体で45時間以上の実験を行うので,2週にわたって行う実験がある.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 実験全体の説明
安全教育
各実験の目的,操作,ならびに実験における注意事項を知る。
安全に関する注意事項を理解できる.
2週 アミノ酸のTLCによる分離と同定 アミノ酸をクロマトグラフィーで分離し,同定できる.
3週 ブラッドフォード法によるタンパク質定量 タンパク質を比色法で定量できる.
4週 タンパク質の簡単な分離・精製 タンパク質の等電点沈殿および塩析による分離・精製ができる.
5週 タンパク質濃度未知試料の定量 タンパク質濃度未知試料の定量を比色法を用いてできる.
6週 繊維・コロイド粒子の大きさの測定(1) 不溶性多糖の繊維の大きさを沈降平衡と光学顕微鏡を併用して評価ができる。また、それらの原理を説明できる。
7週 臨界レイノルズ数および管内を流れる流体の圧力損失 流量測定結果からレイノルズ数・圧力損失などを計算できる。
8週 三成分系液-液系の相互溶解度 物質移動を理解し,溶解度曲線を作成できる。
4thQ
9週 二成分系の蒸留操作による分離(1) 二成分系の蒸留操作ができる。
10週 二成分系の蒸留操作による分離(2) 定量結果から低沸点成分の分配曲線を作成できる。
11週 二成分系の蒸留操作による分離(2) 定量結果から低沸点成分の分配曲線を作成できる。
12週 繊維・コロイド粒子の大きさの測定(2) 浸透圧と溶液の濃度を図示し、その切片、傾きから溶質の分子量を求める。また分子量が求まる理由について理解する。
13週 繊維・コロイド粒子の大きさの測定(2) 浸透圧と溶液の濃度を図示し、その切片、傾きから溶質の分子量を求める。また分子量が求まる理由について理解する。
14週 期末試験、レポート整理日
15週 レポート返却、器具整理
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3後1,後14
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3後1,後14
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3後1,後14
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3後1,後14
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3後1,後14
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3後1,後14
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3後1,後14
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3後1
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3後1
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3後1
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3後1,後14
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。4後8,後14
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。4後9
物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。4後9,後13
化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。4後6
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。4後8,後9
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。4後7
生物工学実験適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。4後2,後4
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。4後3,後5
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。4後4
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3後2,後6
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3後2,後6
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3後2,後6
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3後2,後6
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3後2,後6
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3後2,後6
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3後2,後6
法令やルールを遵守した行動をとれる。3後2,後6
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3後2,後6

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合20000800100
基礎的能力1000040050
専門的能力1000040050
分野横断的能力0000000