到達目標
1. 錯体化学の基礎として、錯体の命名法、用語を理解し、配位化合物の構造とその形成理論、安定度、反応性、光学特性を説明できること。
2.元素周期表を概観し、水素、sブロック元素、pブロック元素、dブロック元素について、それぞれの代表的化合物および特性について総括的に説明できること。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
配位化学 | 多様な配位化合物について、用語、構造、形成理論、安定性、反応性、特性について説明できる | 基礎的な配位化合物について、用語、構造、形成理論、安定性、反応性、特性について説明できる | 基礎的な配位化合物について、用語、構造、形成理論、安定性、反応性、特性について説明できない |
周期表と元素の性質 | 多様な水素化物、s、p、d各ブロック元素の化合物について体系的に理解し、その性質を説明できる | 基礎的な水素化物、s、p、d各ブロック元素の化合物についておよそ体系的に理解し、その性質を説明できる | 基礎的な水素化物、s、p、d各ブロック元素の化合物について理解できず、その性質も説明できない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
無機化学1で履修した基礎的な知識(電子構造、化学結合、酸塩基、酸化還元など)をベースとし、元素周期表の系統的な理解を目指す。無機化学1で使用したテキストに従い、周期表を「水素および水素化合物(第8章)」「sブロック元素(第9章)」「pブロック元素(第10章)」「dブロック元素(第11章)」に分け、それぞれの典型的な化合物について、物性や応用を交えながら理解を深める。第6章の配位化学では、錯体の命名法、配位構造とその理論、光学的特性、安定性、反応性について学ぶ。
授業の進め方・方法:
「現代の無機化学/合原ら著(三共出版)」をテキストとし、第6、8~12章を講義形式で学ぶ。適宜資料を配布し、演習問題を解きながら理解を深める。主要な用語の英訳(英単語)について、正しく書けるよう、試験に出題する。
注意点:
無機化学1で履修した基礎的な知識(電子構造、化学結合、酸塩基、酸化還元など)を復習しておくこと。関数電卓は常に持参(試験も)すること。予習・復習、板書のため、本科目専用のノートを作成することが望ましい。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
基礎知識(無機化学1)の確認と概要説明
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2週 |
錯体化学の基礎 |
錯体化学で使用する用語を定義でき、錯体の命名法に従って配位化合物の名称を正しく言える
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3週 |
配位立体化学 |
錯体の配位数と立体構造を理解し、異性現象について説明できる
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4週 |
配位結合 |
原子価結合理論、結晶場理論、配位子場理論について概要を説明できる
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5週 |
錯体の安定度 |
安定度定数を定義、計算でき、基本的な定量的扱いができる。
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6週 |
錯体の反応 |
代表的な錯体の反応について反応式を書いて説明できる。
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7週 |
錯体の特性 |
錯体の吸収スペクトルなど光の応答について説明できる
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8週 |
中間試験(90分) |
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2ndQ |
9週 |
答案返却 |
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10週 |
水素と水素化物 |
水素と水素化物について理解し、水素結合について説明できる
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11週 |
sブロック元素 |
アルカリ金属、アルカリ土類金属元素について代表的な化合物、反応、特性について説明できる
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12週 |
pブロック元素 |
pブロックの単体、高分子、金属について、構造、反応、特性を説明できる
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13週 |
pブロック元素 |
酸化物、水酸化物、オキソ酸、ケイ酸塩について代表的な化合物の構造、反応、特性を説明できる
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14週 |
dブロック元素 |
Sc, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Pt, Cu, Zn族の代表的な化合物について説明できる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
答案返却 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 4 | 前1,前10,前11,前12,前13,前14 |
配位結合の形成について説明できる。 | 4 | 前2,前3,前4 |
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。 | 4 | 前2,前3,前4 |
錯体の命名法の基本を説明できる。 | 4 | 前2,前3,前4 |
配位数と構造について説明できる。 | 4 | 前2,前3,前4 |
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。 | 4 | 前7 |
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 4 | 前10,前11,前12,前13,前14 |
分析化学 | 錯体の生成について説明できる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,前6 |
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。 | 4 | 前5,前6 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 90 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 90 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |